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破産してもバレない、という時代の黄昏

 僕が司法書士として登録した7年前。そのころは過払いがまだバブル化しておらず、債務整理業務の花形はなんといっても自己破産、そんなふうに僕には見えました。

 そのころから存在した景気よさげな顧客誘致型ウェブサイトに『破産すると官報に公告はされるが、そもそも官報なんてみんなが見るものではない。したがって、破産しても近所に広まることはない』といった説明も結構見かけました。今でもありそうです。

ホントにそんな気楽なもんかよ、と思っていた僕は、そのころからお客さまに『上記のような論調を採るひとが大部分ではありますが、官報だって文字情報です。大新聞がパソコン通信で記事全文検索サービスを提供している以上、官報がそうならないとは言えませんよね』と助言しておりました。

それから、時は流れて。相談者に対して不景気な助言を繰り返すために債務整理のご依頼はいつしかさっぱり来なくなり(失笑)、労働紛争の労働側、という立場にすっかりと落ち着いて…先週、名古屋簡裁に訴訟代理人として出頭した帰りに、すぐ近くの愛知県図書館に行ってきました。

この図書館でも、官報情報検索サービスが使えるようになっていたのです。昭和22年6月以降の官報の記事がオンラインで検索できるこのサービス、全文検索できる、というところがミソです。

試みに、いま担当している事案の会社名やら敵対側経営者たちの名前を入れると、次々にヒットしてきます。

  • あるものは、手形の除権判決で。
  • そしてあるものは、会社の特別清算で。
  • さらにあるものは、会社や個人の破産で、と。

破産時の公告の記載事項を覚えておき、その一つあるいは複数をキーにして検索をかければいくらでもひっかかってくるわけですから、使い方さえ間違えなければかなり有力な情報収集手段になってきます。と同時に、これが料金月額制のサービスだからいいものの、誰でも簡単に使えるようになったら(検索結果一件あたり数円、で使えたら)ちょっと恐い気もします。

 愛知県内の公共図書館では、これが無料で使えるのは県立図書館のみのようですが、逆に考えれば名古屋市とその近郊に住む人なら誰でも最低限の信用調査はできてしまう時代が来ちゃった、ということですからね。ちょっとアクティブな一般人の手にかかれば、もう破産歴は一発でわかってしまうのです。特定調停と過払い金返還請求訴訟、ほんのちょっとの任意整理が当事務所における債務整理の中心業務でしたので説明責任を心配することもなく…他人事としてこんな記事を書いていられますが、過去60余年分の破産者の名簿が誰でも検索できるってのはどうも、想像を絶するものがあります(汗)

この官報情報検索サービス、利用者によってまさに善用も悪用もできるツールなんですが、債権回収の相手が『破産したらしいが、実際そうなのかは不明』という場合には数秒で結論にたどり着けるので、本人訴訟を目指す方々にはこうしたサービスが公共図書館で使えるところがある、と覚えておいていただきたいです。

利用にあたっては、検索ソフトはデフォルトで

□裁判所関連を除く

という検索条件にチェックが入っていますから、これは必ず外してください。もし破産関係にしか興味がないなら、詳細な検索条件で

『公告(諸事項)官庁』 のうち『裁判所』だけを検索対象とすることができます。裁判所関係の公告のみが検索対象となるため、人名をキーにして検索するなら、これを選択しておくと他の人名の記事=司法書士試験の合格者、などが検索結果に出てこなくなります。

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