« 2010年9月 | トップページ | 2010年11月 »

2010年10月

PPC広告の先にあるものは?

 当事務所ウェブサイト内の『こちら給料未払い相談室』各ページにPPC広告を掲出するようにしました。

 目的は広告収入…といいうるほど発生はしません。これまでの実績からして、一月数千円、といったところです。先行していた別のコンテンツとこのブログに出していた広告の設定をひたすら絞り込んだ結果、労働紛争に関与するという弁護士・社労士の広告がいくつか出てくる状況になったのです。昨年までならそうした広告の出稿そのものがなかったのですが、今年にはいって過払いやら相続やら交通事故やら、果ては印鑑・資格・派遣・探偵云々といったサイトの広告を次々に排除していいったところ、ほんの一握りではありますがそうした広告が『残ってくる』ようになったのです。

クリックせずにリンク先を確かめてみると、いくるか面白いものが出てきます。労働紛争の訴訟代理で今のところ最安値の法律事務所は

  • 初期費用+着手金 6万円
  • 成功報酬 10%

というものがありました。

これまで司法書士&弁護士の主戦場だった過払い・債務整理の値段はここ3年ほどで暴落しつつあります。ついに東京では減額報酬無し、成功報酬15%を標榜する事務所・個人で同時廃止の破産申立書類作成で10万円を割り込んだ報酬額を出す事務所がでてきています。控えめに言って三年前の相場の半額、というべきでしょうか。

 こうしたバブル崩壊劇を横目に見つつ、債権回収関係での訴訟代理の報酬としてはだいたい20%程度が相場として落ち着くのか…と思ってきたところに上記の『6万円+10%』が出てきたわけです。回収額が80万円を超えれば、過払いであってもこの報酬体系でやってもらったほうが世間並みの事務所より安くついてしまうとことになり、これはかなり思い切った設定というべきです。

 で、素朴な疑問。

 この報酬体系でやっていけるのか?

 『あまり力をいれなければ』可能かもしれません。請求額200万円程度で論点がない、ごくシンプルな残業代請求を労働審判で代理するとして、

  1.  依頼人との打ち合わせに1時間(本職)
  2.  書類整理および勤怠時間入力に6時間(補助者)
  3.  労働審判手続申立書作成に2時間(補助者)
  4.  書類提出に1時間(補助者。郵送でも可)
  5.  相手方の答弁書の分析に2時間(本職)
  6.  依頼人との直前打ち合わせに1時間(本職)
  7.  裁判所への第一回期日出頭に3時間(本職)
  8.  第二回期日出頭に3時間(本職)

 だいたいこんな感じ…と仮定すると本職10時間、補助者9時間程度でなんとかなってしまうことにはなりますが、請求額が100万円でも200万円でも手間が変わらない(残業代請求の場合、請求する月数で変わる)ため、連続的にこの作業をおこなって本職の作業時間1時間あたり1万円程度のタイムチャージを確保し続けるには無理がありそう。少なくとも請求額200万円あたりより上、あるいは解雇無効でバックペイを数ヶ月分取れる事案を狙って受けていく必要があり、そんな事案が毎週毎週2~3件ずつ転がり込んできたらあっという間に労働審判受託件数日本一の事務所ができあがってしまう…こりゃ無理だ(笑)

 というわけでこれはなにかワケがある、種も仕掛けもある(少なくとも、都心のオフィスをもち数名の弁護士が稼働する法律事務所において、専業的に維持できるものではない)設定だとは思うのですがとにかく気になります。どうやらウェブの世界において労働紛争への関与は債務整理とちがって、のっけから価格面での叩き合いに突入しつつあるのかもしれません。今後さらに過払いバブルが下火になって、玉突き的に労働事案に関与せざるを得なくなる(←嫌な言い方ですが)事務所が増えるとさらに広告も増えて、まぁきっと賑やかなことになるんだろうなと思いながら…少しずつ増えてくるPPC広告を眺めています。この広告の先にあるのは不毛な消耗戦なのか、はたまた労働者が願った世界なのか、それはいまのところ未定です。


ところで、先日一件つくった労働審判申立書(争点はほとんどない事案)の作業時間を分析すると

  1.  依頼人との打ち合わせに4時間(本職)
  2.  証拠書類整理および表作成に8時間(補助者)
  3.  申立書作成および依頼人との打ち合わせに2時間(本職)
  4.  書類提出に1時間(本職)
  5.  期日前の打ち合わせに2時間(本職)

だいたいこんな感じになり、投下する時間は本職9時間補助者8時間程度。

本職の稼働時間がやや目立ちますがそれは好みでやってます(苦笑)顧客軽視型で補助者に労働法を適用しないタイプの事務所にあっては上記各工程の作業時間に0.5の係数を掛けることも可能でしょう(失笑)

 これで仮に本職6千円、補助者3千円のタイムチャージを設定すると合計7万8千円となり、請求額が60万円程度の事案で満額回収して13%の報酬をもらってしまえば十分成立する…要領が悪いこの事務所でも、小さいので事務所として均衡再生産できる、ということになりましょうか。

 うすうす考えていたし今もいろいろ試しているのですが、労働紛争においてもある程度要領よく申立書を作ってしまうことは可能です。上記で申立書の作成と打ち合わせに僕が使っている2時間のうち、申立書作成でPCの前に座っていた時間は1時間弱で済んでしまい、あとは説明用のメールを作成したりお客さまと話しをしていた時間なのです。お金が大好き♪な事務所ではさらにこのあたりの工程をもう少し補助者に逃がそうとするはずです。

 さてそうすると…特に値段以外に取り柄のない中小零細な事務所では、もう少し成功報酬の最低額を下げるウェブサイトが出てきそうな気がします。着手金+成功報酬の合計で10%台前半がやせがまんの限界、でしょうかね。

 過払いでも、労働紛争でも、です。

給料未払い:続 その支払督促、待った!

 給料未払いに悩む労働者の皆さんが、本人申立で支払督促を利用する…これはいかがなものか?というのが前回の記事でした。今日はその続きです。

 さて、では支払督促の何がいけないのでしょう。何か短所があるならば、それを選択してしまいたくなるのはなぜなのでしょう?これを、専門家ではない人の目線で考えてみようと思います。

1.そもそも支払督促とはどんなものか

 支払督促に関する綺麗な解説はウィキペディアあたりを見てもらうとして、特徴を一言で言うと、支払督促は

『お金の支払いについて強制執行を実現できるようにするために、裁判所の建物を窓口として受け付けられる手続きの一種で、相手の言い分を聞かずに開始されるが相手がなんの理由もなく終了させることができる手続き』

ということができます。

 ここで二つのことに注意して欲しいのですが、まず支払督促は『強制執行を実現できるようにするための手続き』とは言ってますがお金の支払を直接実現するためのものではない(笑)という点です。

支払督促が法的に最大の効果を発揮しても強制執行可能な状態ができあがる、というだけです。強制執行できる=差し押さえるべき財産が発見できない人に申し立てる意味はあまりありません。

もちろん道義的なハッピーエンドとして支払督促申立を受けた人が恐れ入って自発的にお金を払ってくる、という可能性は一応考えられますが、そんなものは単なる電子メールや内容証明から通常訴訟まですべての債権回収行動に共通する要素でしかありません。

 さらに、素人的なウェブサイトではこの支払督促を裁判の一種として説明しているものがありますが支払督促申立は『裁判所の建物が窓口だ』というだけ、であって裁判官は手続きに関与しません。訴訟や調停のように会社と労働者(債務者と債権者)の二者が対立してその主張について判断あるいは調整を裁判官に求める構造をとる手続きになってもいません。

支払督促申立書を提出するのは裁判所ですが、申立を扱うのは裁判官ではなく裁判所書記官ということになっています。『さいばん』という言葉から素人の人が連想する、なにか重厚長大あるいは強制力のある手続きとは全く異なるのが支払督促であって、支払督促をいたずらに推奨するウェブサイトではこれらの相違を隠しながら『裁判所(の建物)で扱う』という点のみを協調しているのだと僕は考えます。

給料はじめ労働債権の回収事案において支払督促はあくまでも、

  1. 労働者は一方的に申立ができ (労働者はここに惹かれてしまう)
  2. 会社側は一方的に申立を阻止できる (労働者は…ここに注目しない)

というものに過ぎないのです。

支払督促は相手が一方的に阻止できる手続きだ、というのがもう一つの注意点であって、これはむしろ支払督促における最大の特徴と考えなければなりません。

ならば、さしあたって今はお金の支払いをしたくない(あるいは強制執行=銀行預金の差押えなどを防ぎたい)経営者だったら、とにかく自分の都合で一方的に支払督促申立に対する阻止行動を取ってくるだろうな、なにしろ一方的にこの申立を阻止できるんだから…と思うことができない人がいるなら、その人は裁判所における手続きで未払いの給料を回収することは諦めたほうがいいと思います。

というより、むしろ泣き寝入りされるようおすすめします。
この先どんな手続きを選択するにしろ、相手の立場に立ってなにかを考えることができない人に債権回収は向きません。

2.相手が『一方的に』申立を阻止できる、とはどういうことか

 これを説明するまえに、支払督促の申立がどういう流れをたどるかを債権者(給料未払いに関する請求であれば、労働者)から見てみましょう。一ヶ月分の賃金未払い程度の単純な支払督促申立であれば、おおむね次の経過をたどります。

  1.  申立書類作成。ウェブサイトを見ながら適当に。あるいは裁判所で定型書式をもらってきて作る。
  2.  申立書提出・手数料や郵便切手の予納。ここで、制度上やむを得ず債務者会社の所在地の簡裁に提出。郵送で行う人もいる。
  3.  受け付けた裁判所では簡単な審査を経て支払督促を発付し、債務者方へ特別送達。この間、申立書提出から数日。
  4.  支払督促、債務者方へ到着。『二週間以内に異議を出さないと強制執行を受けることがある』ことは送付文書中に明示されており、異議申立書も同封されている。
  5.  債務者会社が異議申立書を出すのは、商号と本店(個人なら住所と氏名)を記入し押印して裁判所に送るだけ。単にこれだけ!
  6.  債務者から異議が出れば、申立債権者は手数料と切手をさらに納付し、手続きは同じ裁判所で通常訴訟に移行。または手続きの取り下げを迫られる。
  7. ご愁傷さま。

だいたい、こんな感じです。ごくまれに、債務者が送達を受けてから二週間たっても反応がない=異議申立がなされない場合には『強制執行できる』ようになります。この場合も、差し押さえたい銀行口座や売掛金その他の資産を知らない人にはほぼ無意味な状態ができあがるわけです。単にこれだけ、と言っていいでしょう。

上記のように債務者が支払督促に異議を出すのは市役所で住民票一通とるよりさらに簡単でして、住所氏名が書けハンコが押せてファクスの送信か郵便の差し出しが使える人ならだれでもできます。

異議を出すには理由は要らないので特にやましいことをするでもなく、まして支払義務は認めたいが分割払いの話し合いがしたいということであってもとにかく異議を出すのが普通だ、ということになります。

3.なら支払督促が奏功するのはどんなときか

 上記の説明を精一杯債権者(労働者)側有利に読むと、『債務者会社が書類の送達を受けることができ、送達されてから二週間以内に会社から異議がでず、しかも差し押さえるべき財産があると労働者側にわかっているとき』には支払督促申立を選んでもいい、ということになります。

 つまり相手が『確実に裁判所からの書類を受け取ってくれるが、異議はださない。しかも差押可能な財産がある』という状況下にある相手には好適なんでしょう。

労働問題でそんな奴がいるなんて想像もできません。

強いて考えるとすれば、個人事業主に対する給料未払いでその事業主が生きているけど交通事故で意識不明、書類は奥さんが受け取ってくれる…とか?

4.相手から督促異議が出ると、具体的にはどうなるか

 では支払督促でお約束通りに債務者側から異議がでると、具体的にはどうなるのでしょう?

 申立をおこなった債権者(給料未払い事案なら、未払いの給料について申立をおこなった労働者)に裁判所から連絡が入り、申立手数料の差額と切手を納付したうえで通常訴訟に移行する、ということになります。その直後に、債務者の異議申立書の副本も送られてきます。切手等の納付指示と同時に、通常訴訟の第一回期日が指定されることもあります。第一回期日は、相手の異議が出てから約1ヶ月後=訴状を新しく提出してから第一回期日が設定されるまでと同じ期間の間隔が空いてきます。

5.最初から通常訴訟を申し立てるのとどう違うか

 不利なことばかりです。まず裁判所への書類の提出から通常訴訟第一回期日までに要する期間が、支払督促申立書提出→裁判所から相手への送達→相手からの異議の一連の期間ぶんだけ遅延します。

僕が悪質な債務者なら、異議申立期限の二週間ぎりぎりまで引っ張って督促異議を出します。

裁判所からの最初の送達を受けたときに不在であれば、郵便局の保管期限ぎりぎりの一週間まで引っ張って再配達してもらいましょうか。実質三週間引っ張ることができてなおよろしい(笑)

 時間のロスは最大2~3週間発生するとして、費用はどうでしょう?通常訴訟への移行にあたって申立の手数料(収入印紙)は支払督促との差額をはらえばよいのですが、債務者への送達に使った切手1040円は丸ごと無駄、になります。まぁ、内容証明一回送る費用程度と思えばいいのかもしれませんね。

 なにより最悪なのが、『自分に有利な管轄裁判所を選べなくなっている』ことです。これは、支払督促は債務者の本店・勤務先事業所を管轄する裁判所にしか申し立てられないことによる制度上の制約です。

 ですので、過去に福岡の会社で勤務していた人が給料未払いに遭ったまま東京に帰り、郵送で福岡の裁判所に支払督促を出した→督促異議が出た、という場合には福岡の裁判所で通常訴訟を続けるか、申立費用を全部無駄にすることにはなりますが通常訴訟を取り下げて、なんらかの論理構成で自分に有利な管轄裁判所を選んで再度通常訴訟で提訴する、という二者択一を迫られることになります。

 つまるところ、『支払督促は手続きが簡単だから郵送で提出できます』というセールストークは督促異議が出た場合、かなり悲惨な結果をもたらします。

※ならば遠隔地の事業場に勤務していたような人は、本人訴訟を前提とする場合どうすればよいか?なんですが、なんとかして最初から通常訴訟にして管轄を(少しでも近いところに)選ぶか、本人での出頭を覚悟して『その遠隔地まで行かねばならないが、とにかく速く終わる可能性が少しでも高い手続き』としての労働審判を選ぶ、ということになると考えます。

6.支払督促より明らかに優越する手続きはあるか

 全編これ『給料未払い事案で支払督促は使えない』という本コンテンツでありますが、ならば代わりに選択できそうな裁判手続きはあるのでしょうか?いろいろ考えてみます。なおここでは一般先取特権の行使ができるほど証拠は揃ってないと仮定します。

 管轄が債務者側に有利になるのが我慢できる、というならば、実は労働審判がよさそうです。

費用的にも支払督促と申立手数料がおなじ、申立書の特別送達をしない裁判所(東京地裁はそれにあたります)なら予納郵便切手も少なく済んでしまい、相手が支払督促には異議を申し立てるのを前提とすれば労働審判のほうが支払督促より『速い・安い・うまい』結果にたどり着ける可能性がよほど高まります。

 ただし、労働審判は地裁本庁(および、小倉・立川の地裁支部)でのみ申立可能なので、申し立てる労働者の住所と会社の所在地との関係によってはさらに遠くの裁判所に行くことになることがあるでしょう。名古屋に住んでる労働者が浜松の会社に対して給料未払い事案で労働審判手続申立を行う場合、管轄裁判所は静岡地裁になって70kmほど余計な移動を強いられます。逆に、この例で相手の会社が熱海にあるような場合には静岡まで行けば済む、ということになって得することもあるはずです。

 経営者のパーソナリティが話し合いを受け入れやすい人であれば、民事調停を選択するのも一応考えられるのですが…そんな聞き分けのいい奴給料未払い事案では滅多に出現しない、という実情は無視できません。

 通常訴訟の管轄裁判所は支払督促や労働審判と違って、選べる可能性があります。

具体的には『義務の履行地』が原告の住所にあると主張することで原告労働者が住んでる最寄りの裁判所を選べる事案もありましたが、被告会社側に弁護士が着くと会社側最寄りの裁判所に移送するよう申立が出てくることがあります。管轄の選択肢が少し広いかもしれない、という点でだけ、通常訴訟は支払督促より優ります。

7.結び-支払督促の意外なオマケ-

 とりあえずこれまで述べたことを考慮して、あえて支払督促を選ぶなら止めはしないよ、でもホントにいいの?というのが本稿の結論であります。

 しかしながら、支払督促には一つだけ、ちょっと意外なオマケがついてくることがあります。

 具体的には上記2.で相手から異議が出てくるときに、間抜けな経営者が調子に乗って、あることないこと自分で書いてくることがあるのです。もちろん支払督促への異議に際して理由や経緯なんか書く必要はなく、文字通り余計、有害無益、なんですが…

 なぜか、これを出してくる人は定期的に出現します(笑)

 人はなにかやましいことがあると、聞かれてもないことをしゃべりたくなるんでしょうかね。この『支払督促への異議に記載されていること』後の訴訟では直接の関係はないものと扱われますが、それでも相手が書いた文書には間違いないので、続行する裁判等の手続きで矛盾を指摘できることがあります。

支払督促への異議程度なら専門家に相談するまでもない、という軽い認識で何か理由を書きたくなるのかもしれませんが、時として訴訟の勝敗を左右するほど相手にとって致命的なことが書いてあることもあり、そういう時に限っては支払督促で無駄にする費用も時間も管轄裁判所が遠くなることも、惜しくはありません。

 ま、積極的にこれを狙ってみたい、というほどのものではないんですがね。

もともと通常訴訟を覚悟していて、多少時間が余計にかかってもよくて、支払督促を申し立てる裁判所にも通いやすいような人なら冗談半分でしかけてみるのもよいかもしれません。

 ちなみに当事務所では、創業以来支払督促申立書類を作成したことは一度もないことを、最後に申し添えます。支払い督促のほか、給料未払い事案に対する法的手続きは当事務所ウェブサイト『こちら給料未払い相談室』でも説明しています。

2013.04.25追記

 当事務所でも昨年、支払督促申立書類の作成依頼を受けました。ただし労働紛争ではなく、申立をおこなっても異議がでない、ということはあらかじめ相手から了解が取れている、という特殊な債権回収の事案です。

 守秘義務の関係で実例とは少し違いますが、説明します。

支払督促申立と同時に進める別の和解契約で、

  • 相手(債務者側)から和解の内容にしたがったお金の支払いがある場合は、債権者は今回申し立てる仮執行宣言付支払督促に基づく強制執行はしない。そのかわり、相手はこちらの申し立てる支払督促に異議を出さない

という条項を作っておきます。もし相手が不払いを起こしたら強制執行できるようにする、というのは公正証書を作るより、お手軽でいいのかもしれません。うまく和解条項をつくると、わざわざ債務者を公証役場に行かせるまでもない、という可能性が見えてきます。

 少なくともそういうときには、支払督促の活用も悪くないですね。これを視野においたわけではないのですが、給料未払い以外の一般民事紛争での支払督促申立書作成も当事務所では受託しています。

給料未払い:その支払督促、待った!

 給料未払い事案への対応支払督促を用いることにはかねてより批判的でしたが、もう少し声を大にしてそのことを説明したほうがいいように思えます。

 ただ、なぜか支払督促は少額訴訟と並んで、専門家による適当な法律相談(市区町村役場で行う無料の相談や、専門家業界団体支部による低レベルな有料相談。労働法には詳しくないんだけどさ、という投げやりな発言が担当者から出てくることもある)で給料未払い事案の解決について有力な選択肢として示唆されてしまう、それが失敗してこの事務所にくる、というパターンが年に何件かあるのです。

 彼ら(どの裁判所でも訴訟代理ができるあの人達)は一体何に注目して支払督促を勧めるのでしょう?

 どうも彼らにも特に根拠はなく、一言で言えば

 ま、とりあえずやってみたら?(遠い目)

 という域を超えるものはないようです。

その最たるものとして、数日後に最後の入金があるが事実上破綻寸前、という会社で給料未払いの相談に行った労働者に「裁判所の周りに司法書士さんの事務所が一杯あるから、そこで支払督促書いてもらってみたら」という助言をされた、というものがあります。

支払督促を申し立てて強制執行可能状態になるまでには最低でも2週間+αの期間が必要ですが、一体何をどうやったら支払督促でこの売掛金を捕捉できるというのでしょう?
どちらかというとこの助言は、『もう相談やめて帰ってくれよ』というクロージングトークとして切り出されている気配もあります。

 では、自他共に認める法律の専門家であるはずの相談担当者の助言にさしたる意味がない、というならば、給料未払いで困っている素人さん=労働者は一体なにに注目して支払督促を選んでしまうのでしょう?

 ウェブサイトをいくつか探ってみると、裁判外における私人間での書類作成に関して広汎な作成代理権をもち町の法律家を自称するあの人たちのウェブサイトが目に入ってきます。彼らが作成可能な給料未払い事案での内容証明による催告書が無視されたあとの手っ取り早い手じまいの方法として、彼らはこれを推奨しているのかもしれません。

 彼らのサイトが支払督促を勧める理由はいくつかあります。

  1. 手続簡単(裁判所の定型書式が利用可。郵送申立もOK)
  2. 発令迅速(相手の言い分を聞かずに数日で発布されます)
  3. 費用低廉(印紙代は訴訟の場合の半額で済みます)

うーん。まさに「速い・安い・旨い」の三拍子、と言ったところでしょうか?

ケッ(冷笑)

冗談じゃない、世の中そんなに甘くない、ということを少々念入りに確認していきたいと思っています。次回に続きます。

とても気になる裁判例

 適格退職年金の廃止について調べています。

 適格退職年金は退職給付の社外準備制度の一つで、掛金を全額損金算入できることと厚生年金基金よりは制度が柔軟に設計できることが特徴だったのですが、平成24年に廃止されることが決まっており退職金制度を適格退職年金からそれ以外の制度に移行するコンサルティングをするとうたっている社会保険労務士のウェブサイトが百花繚乱(というより百家争鳴)の態をなしているところです。

 …ま、僕はもちろん労働側からの話ししか聞かないのでこの分野でのプチバブルの恩恵に浴することはありません(苦笑)

 さて、いつものとおり外資系W社の判例検索でいろいろ調べていると、結論はかなりさまざまです。労働側が勝ったもの、経営側が勝ったもの、大会社のもの、中小企業のもの…などなど。

 東京・東京・東京・大阪・札幌・松本と判決を出した裁判所もさまざまでしたが、一つ気軽に閲覧に行ける裁判例を発見しました。平成18年の判決です。ただしこれは労働側の請求を棄却していいます。ほかに東海三県の裁判所で出た裁判例がないようなので、とりあえずこれ見に行ってやろう、と思って事件番号を控えたら妙なことになっています。

 事件番号がです。

 つまり簡裁事案!?

 内容はどうみても労使が全力で殴り合っており、僕なら地裁への裁量移送をむしろ期待して準備書面を書きそうなものなんですが…なぜか簡裁で判決が出ています。

 なぜ簡裁で終結したんでしょう?代理人や本人が誰だったのか書いてないのでわからないんですが、僕にとって本件事案で最大の謎は判決の当否や論理構成ではありません。

 なぜ簡裁で終結したか、であります(笑)

 これはちょっと、訴訟記録を閲覧してくる必要があります。

 と同時に、もう一つ興味が出てきました。手持ちの判例検索システムから簡裁段階で終わった労働訴訟の裁判例を抽出して、それらの訴訟群がどういう性質を持っていれば地裁への裁量移送を免れて(回避してでも阻止してでもかまいませんが)簡裁での判決に向かっていくのかを調べてみたいと思います。

 残念ながら来月隣県の司法書士さん達に行う講義には間に合わないとは思うのですが、何らかの傾向を発見できれば司法書士さんたち(つまり、簡裁でしか代理人になれないという制約がある人たち)への講義のネタとしてはかなり楽しいものになるかもしれません。

 やはりこうした事例がたくさんあるのは、なんといっても東京+南関東三県です。11月10日ごろに予定している今度の東京出張、2泊するかもしれません。

用事はないけれど…東京へ

 隣県の司法書士の方々に、労働法関連の講義をしにいくことになりました。

8月に他支部で講義をしたときと同様、なるべく楽しくやってしまうつもりでいろいろと企画を練っているところであります。今回の研修は恒例の労働相談の準備として実施されるものですので、文字通り労働相談に的をしぼって連合会提供の素材を用いながら美味しく批判調理してみたいな、と。

 この準備もあって、そろそろ国会図書館へ書見に行きたい気分です。日程としては11月第二週、9日・10日ごろがよさそうだ…と考えていたら、隣の部屋から補助者さまが話しかけてきます。

「(東京へは)なにか用事があるんですか?」

「用事なんかないから行くんです」

-納得しなーい♪という気配が流れる、平和な零細事務所の夕方です-

説明が足りなかったかな?

「つまり用事がない場合の出張では早めに日程を掲示して、ご依頼がなにか入ればいいな、ってことで」

これでなんとか、ご納得いただけたようです。

今回は2週間ちょっと先の日程を決めてしまうことになります。一時的現象とは思うのですが、事務所が妙なことになっているためです。

 明日から一週間のうち、6日間はすでに新しいご依頼のお客さまとの打ち合わせの予定が入っているのです。それらはいずれも今週はじめから今日にかけてつぎつぎに決まってきたもので、しかも今月は特に依頼誘致のためになにかした(ウェブサイトを更新した、とか)実績はありません。今月初めに某巨大掲示板で当事務所の名前が何度か出たのを観測してはおりますが、無関係な連中が興味本位でとりあげているスレッドが依頼増加に作用するものとも思えません。

 つまりまったく理由不明の依頼集中が発生しているわけです。そして五月雨的に入ってくる相談希望にその都度空いてる日程を割り振ってしまうといつまでも出かける余裕が作れなくなってしまいかねません。今月は東京への出張を高速バス日帰りでやってしまったので、来月は少し余裕を持たせて片道を中央高速道経由にでもしてみたいと思っています。今月いっぱいまじめに働いて、来月前半は調査・研究・執筆中心にしたいですね。

 ですが出張相談は通常通り実施しますので、ご興味のある方はお問い合わせください。日程が確定次第、掲示板にも出しておくようにします。

来月からの皮算用

 昨晩のこと。例によって業界団体支部の寄り合い=評議員会に出るため家を出た僕の足下を、なにか横切りました。

 黒い猫が。

 何かの兆しか、と身構えて出席した評議員会では、副支部長先生に来月岐阜で開催される集会に誘われてしまったものの、これはなんとか回避できたはずです(たぶん)。手元に残ってるパンフレットと参加申込書はしばらく見ないふりしておくとしましょう。どうやら動員数や寄付金額をめぐっていろんな思惑があるらしく、集団でなにかするのも考え物だな、と思わされたことであります。

 そして今日。●●地裁で争っていた労働訴訟が一つ和解で集結しました。なかなかいい内容です。●●●●●●を請求したこの事案では●●で働く●●●●さんの労働者性を争うことになったのですが、簡裁から地裁への裁量移送後は比較的迅速に決着できたと考えています。


いま業界団体で施行されている広告表示に関するガイドラインを、余裕をもって遵守して記事を書くとこうなるようです。別に大本営発表ごっこをして遊んでいるわけではありませんが、困ったもんですね。


 さて今回の和解成立で、今月は三件の労働事案が終わりました。簡裁訴訟代理・地裁通常訴訟・労働審判がそれぞれ一件ずつです。事案の内容は公開できないながらもなかなかバラエティに富んでおりますが、三件とも解決金の支払いが来月からとなっています。

 僕の事務所での、給料未払い事案における一般的な契約形態では裁判書類作成ごとに料金をもらえるわけではない=作業開始の際にお金をもらったら、あとは実際に未払いの賃金等がお客さまに支払われるまでひたすらひたすら書類を作り続ける、ということになっているため、結論が出ていない案件は僕にとって無定量の書類を作る債務!という恐ろしい面も持っています。

 一方で何らかお金を取れるかたちで終結してくれれば、大体の場合(よほどろくでもない事業主を相手取らなければ)その結論にしたがって支払いがなされるため僕からみてもお客さまに成功報酬(事案によりますが、回収額の10~12%)を請求できる可能性が高い状態に、つまり債権を持ってる状態にようやく移る、というわけで…これはこれで、やっぱり嬉しいものです。

ちなみに当事務所で今年二件だけ受けた過払い金返還請求のうち一件が、来月武富士から支払われることになっていた、という状況下でこうした状況にたどり着けると、感慨もまたひとしお…というよりこれで来月もお家賃が払える(汗)

この三件の会社からのお支払い、僕も楽しみにしています。今から♪

一日三回あま市役所

一日三回あま市役所
相続人調査を急ぎたい、と思っています。

どうやら、海部郡周辺を回れば一日で大部分の相続人がみえそうな状況…というより、せめてそのくらいで済んだらいいな、という淡い望みを抱いて、まずあま市役所へやってきました。11時前のことです。

除籍の謄本をとると、さらに西の某市役所に記録があることがわかります。

西の某市役所へは車でさらに30分。数通の謄本をとった結果、あま市役所でさらに謄本をとる必要があること、あま市の北の某市役所にも書類を取りに行く必要があることがわかりました。ここまでで12時50分。

まず近い方、あま市役所で二度目の請求をかけたのは14時過ぎ。そろそろ作業を手じまう算段が必要になってきます。残り時間を気にしながら北の某市役所でとった記録は…

もう一度、あま市役所で仕事をする必要性を示しています!

かくて一日に三回、あま市役所へ赴いたほか、今日は4ヶ所の市役所で二十数件ほどの戸籍関係書類を集めてきました。

さて、相続登記に際して仮に一通1000円で戸籍謄本類の収集、つまり相続人調査を請け負うならこれで二万数千円もらっていい、ということがあります。もちろん実費別で。
行政書士のウェブサイトには、三万円台で相続人探しをするというものもあります。やってることがこちらと違う、とは到底思えません。職権請求を繰り返しながら、被相続人と相続人たちとの戸籍のつながりを必要なだけ明らかにしている、というだけです。

結局誰がいくらもらっているのかよくわからない相続人調査、僕のところでは上限1万円としています。

価格設定を、誤ったかもしれません。

前回調査比2倍の件数

名古屋簡裁における労働関係訴訟の件数に興味を持っています。

前回これを調べたのは7月中旬の9開庁日。この第一回(第三回以降があるかどうかは未定ですが)調査では9開庁日で2件の訴訟があったことがわかりました。開廷表からそれとわかる、少額訴訟・通常訴訟で事件名が労働事件とわかるものを数えようとしたのですが、2件しかなかったわけです。

今回も9開庁日にわたって開廷表をチェックしたところ、4社を被告として6件の期日がありました(同一の日に同じ会社を被告とする少額訴訟が、事件番号で3件あったので実質的には1件と評価するべきでしょう)。前回の調査ではあまりの少なさに絶望しかけたこともあって、3件を超えているようならシャンパン1本開けようか、と補助者さまと冗談を言っていたところです。

これで前回2件、今回は実質的に4件、名古屋簡裁では1週間に1~2件の労働関係訴訟があるらしい、と言ってよさそうですが、別の関心が芽生えてきました。

前回・今回の調査と並行して地裁・高裁の労働関係訴訟の事件名・当事者・代理人を補助者さまが調べてくださっていたのです。これを表計算ソフトに入力して全二十数件のデータを見てみると、これはちょっと面白いものがあります。

  1. 前回調査時に地裁にいた会社が、今回は控訴事件で出てきています。前回・今回とも代理人なし。この会社、何かヘタを打った可能性があります…ご愁傷さま(合掌)
  2. 一方で、代理人なしで控訴審を戦おうとしている労働者がいます…が、いいのでしょうか!そこで負けたら一巻の終わり、ってことがわかってるのでしょうか!?(汗)
  3. 逆に代理人をつけている訴訟を見てみると、労働側で複数回ご登場される弁護士さんがおいでです。ただこの先生の活動が素晴らしいか、は訴訟記録を閲覧してみる必要があります(苦笑)

これらのことから、公開情報だけでもお金と手間を惜しまずに通年毎日全数調査してネットで公開すると、きっと広告収入だけでもそこそこ稼げるウェブサイトに育つよね、とも冗談を言っていたのですが…さすがにそれは当事務所とは全然関係ない形でウェブサイトを保有しないとたくさんの人から恨みを買い集めることになりかねません。

そりゃ、そうですよね。

  1. 近々和解金を手に入れられそうな労働者のリストとか、
  2. 請求額に対して判決や和解金を得る割合が●●な訴訟代理人のリストとか、
  3. そしてなにより、残業代請求や地位確認(解雇無効確認)請求を乱打されるブラックな会社のリストとか…

いくら合法とはいえ、公開されたらみーんなこぞって怒るにきまってます!

神社・献血・裁判所。

神社・献血・裁判所。
もともと平日昼間は余裕があるこの事務所、お客さまにお願いしている作業が遅れ気味なこともあって…訴状と準備書面を並行して作成しているのにとっても呑気な状況です。

今日は珍しく訴訟代理人としての出廷日ではあるものの、被告代理人は出廷しないことがわかっているためまさに『次の期日を決めるだけ』。

お天気がいいので寄り道していくことにします。名古屋に戻ったら献血ルームでお茶にしましょうか。

ところでこのお宮さん、おみくじの最低価格が200円です。金運を失いそうな気がして、ひくのをやめました。

『名古屋に準じて』とおっしゃいますか

 北陸地方某地裁本庁に電話をかけました。

 このほど受託した通常訴訟の書類作成では例によって労働基準法第114条の附加金の請求がつけられることになっており、これが訴訟物の価額に入るかどうかを確認しておく必要があるのです。

 この附加金の扱い、当ブログ格好のネタとなっております。東京地裁では訴訟物の価額に入らない、名古屋地裁では入る、大阪地裁本庁では入る、大阪地裁堺支部では入らない、という具合に…みんなが勝手なことをやってるわけで。

 で、今回の地裁本庁への電話。ちょっと担当さんの対応が妙です。

担:「裁判所です」

僕:「通常訴訟の訴訟物の価額についてお尋ねしたいんですが…」

担:「はい?」

僕:「労働基準法第114条の附加金は、そちらの裁判所では訴訟物の価額に入りますか」

担:「・・・?」

はっきりと当惑の気配が伝わってきます!

  • メタルな回線を伝って。
  • 百数十kmの彼方から。

なにか誘導を要するパターンです。もっともこの質問で趣旨をくみ取って即答をくれたのは、これまでに大阪・東京・福岡地裁だけだったんですが(笑)

僕:「わたくし名古屋の司法書士なんですが、このほどそちらに提出する訴状を作成することになりまして…これに●●●●●●の請求と附加金の請求が着くのですが、このときに附加金の部分が訴訟物の価額に入るのか、そちらの扱いを知りたいと思いまして」

担:「えぇぇ…と」

こりゃお話が進まないパターンです、が!今回はいろいろオトナの事情があって訴額が増えたほうがよかったりします。だから…

僕:「名古屋では訴額がその分増える、ということになってますがどうなんでしょうね?」

担:「(間髪入れずに)じゃぁ名古屋に準じて、入ります」

僕:「ありがとうございました♪」


電話を切ってふと気になったのは、この回答まさか後日ひっくり返ったりしないだろうな、ということ。同一の地裁管内でも扱いが異なることはあるらしい、という話しもでてくるくらいなので、もし僕が『附加金を訴訟物の価額に入れたくない』立場だったら、「大阪では地裁本庁と支部とで扱いが違うんで困ってるんですよ」とかなんとか言って再考を求めるのかもしれません。

でも、僕は代理権にこだわらない代書やさんに過ぎないので附加金が訴額に入ろうが入るまいが特に困ることがない、むしろ地裁に訴訟を持ち込みやすくなるので入っていたほうがいいくらいなんですが、代理権を大事にしたい司法書士さんはこれをどうみるんでしょうね?たとえば71万円ぶんの割増賃金支払い請求に同額の附加金請求を付けた場合、附加金が訴額に入れば請求額合計142万円になって代理権が使えない、これを不便だというか地裁デビューできてラッキーだというか、はたまた当地と東京との扱いの差をくらべて問題だと騒ぐのでしょうか。

案外、『自分がいる都道府県だけで仕事してるから、当地の実情に合わせてるだけ』というのが正解なのかもしれませんね。

基本に返る秋の旅

基本に返る秋の旅
最後に東京日帰りの旅をしたのがいつだったか、すぐに思い出せません。

最後に東京まで新幹線で行ったのも、さていつのことだったでしょうか。

いつのまにか少しずつ贅沢な旅をするようになっていますが、先月末には大阪−富山で夜行バスを使い、今日は高速バスで東京日帰り出張をすることになりました。

以前なら当然のようにやっていたことなんですが、周りの人達には何か過酷な営みに映るようです。自分でも少々遠ざかっていたのに気がついて、しばらくの間贅沢しない出張行程を組んでみることにしました。

それでも知多シーガル号昼行便なら5時間程度、都内で滞在できる…と思って乗ったら愛知県内で渋滞にはまり、ここ浜名湖には45分延着になりました。お客さまとの待ち合わせ時刻までに残した余裕時間は、あと25分。どうやらまともなお店での昼食は、あきらめなければなりません。

もちろん夕食をちゃんと食べられる予定など、最初から組んでいません(笑)

事故渋滞を作ってくれたトラックの会社に、リンクの一つも張ってみたい気分です。

相談は、ゆっくりしたいものです

 今年も無料相談会が無事終わりました。午後の部の相談員だった僕が担当した相談者は8組。

3時間ちょっとで、8組です。つまり相談者一組あたり平均所要時間20分台。

…ウソみたいな短さ(苦笑)

いやー普段の相談は基本2時間でやってるんですがね、等とは絶対言ってはいけないんだろうな、と思いつつ、さらに廊下の待ち行列を気にしながらも次々に相談をこなしていったのですが、それでも相談者の皆さまに一応の結論を示して納得いただいたうえで席を立ってもらっています。

つまり、30分●千円、という料金設定で有料相談を行うということも必ずしも否定すべきものではない…のかもしれません。さすがに当事務所では避けたいな、と思ったことであります。

 と、同時に。ふと考えました。

 もしそのへんのフリーペーパーでちょっと信用度の高い媒体(つまり、ネットと利用者層が重ならない媒体)に、2時間4000円での相続相談ありと広告を出したらどうなるんだろう…?

 やってみたいようなやってみたくないような気分です。

東京出張のご用はありませんか?

一日に二件新しい労働相談のご依頼をいただきました。今日は珍しい日です。

問題は、最初に11日月曜日に来所での相談予定を確保したあとで関東方面から出張の要請を受けてしまったことです。交通費のご予算、1万円。もちろん往復で(笑)

  • 8日には無料相談会の相談員の予定が入っています。
  • 11日夕方には、上記の相談のために名古屋に戻っている必要があります。
  • 今週から来週まで、東名高速道路の集中工事期間です。ただし9~11日までは工事休止ということで東名経由の各バスは平常運転。

そして今回の出張相談の要請を受けた目的地は、高速バスで日帰りできる限界にあります。制約条件が多すぎてなんだか楽しくなってきました。

例によって高速バスネットで空席の検索を繰り返してみると、9・10日の東京行き夜行便はほぼ全滅、昼行便で片道の運賃が安い早売1の設定も全滅です。10日東京発の夜行便は選択の余地がありそう。いつも使っている知立-東京間の知多シーガル号は9日が満席です。

…と、いうことで。

10日発の知多シーガル号昼行便で日帰り往復の日程を組んでみました。これだと都内基準で5時間程度の滞在時間が確保できます。いつもなら東京で一泊して国会図書館で書見して、というようにするしそうしたかったのですが、前後の予定とバスの空席状況がそれを許してくれません。

とりあえず、今回はわりと急な出張要請でしたので他にご依頼が入るとは思っておりませんが、もし関東地方で出張相談をご希望の方、いらっしゃいましたらお知らせください。

現時点で、10日東京発の知多シーガル号夜行便が1席だけ空いています。こいつに変更してしまえば、無理矢理に時間的余裕を作り出すことができます。

実際のところ予定なんて、どうとでもなるものです。

いい日の終わりを、特別車で

いい日の終わりを、特別車で
期日が終わり、お客さまとお茶をいただいている間に青空が広がってきました。裁判所の廊下で待機しているときにはわかりませんでしたが、少しずつお天気がよくなってきたようです。

期日ごとのお茶も、今回が最後になりす。

今日で事件が首尾よく解決に至ったからです。ささやかな贅沢に、帰りの名鉄特急では350円払って特別車を選びました。夕方の特別車は始発からしばらく誰も乗って来ず、とても静かです。

これまでの経過を思い返すにはちょうどいいのですが、お客さまとの打ち合わせ中に新しいご依頼がはいったところです。

普通に戻れる貴重な日

年に一度のお祭り、とでもいうべき貴重な日がやってきました。

今年も、この時期恒例の無料相談会の相談員になるのです。

司法書士会がおこなうこの相談、当然ながら来る相談来る相談ぜんぶ『司法書士の仕事』に関する相談だけがやってきます。

まことに当然ながら給料未払いだのサービス残業だのといった相談は、いまだかつて一件もみたことありません。相続法と不動産登記がわかってれば8割方どうにかなっちゃう♪というもので、お節介な僕はときどき遺族年金のお話を相談に加えています。それも少しだけ。

そしてなによりありがたいのは、ごくたまにではありますがご依頼に結びつくことがある点です。

そんなありがたい相談会ではあるのですが、今年も下っ端評議員として近在の同業者の皆々様にご協力をお願い申し上げると中にはつれない対応をされるセンセイもおられます。

拒否する事務所にも傾向はあるようです。

昨年は、法務局出張所周辺にあった、業態として不動産登記を精力的に受けるはずの事務所に集中的に電話をかけてみました。

…このうちの事務所の一つは、昨年7月の電話に折り返し連絡すると言ったきり、いまだにお返事がありません。

  • どうやら不動産登記がお好きな事務所が相談会に協力的、というわけではないようです。

今年は、フリーペーパーに債務整理の広告を出しておられる事務所に優先して電話をかけてみました。

…このうちの一つでは、相談分野が主に相続であることを確認された上であっさり断られました。

  • ま、これはわかりきった可能性を確認したかっただけなんですが。

もちろん、こころよくご協力いただける先生方には限りない感謝と敬意を表するものですが、協力的な事務所とそうでない事務所との落差に正直ちょっと複雑な気分になります。

まぁ、とりあえず今回の相談会の相談員協力要請で任期二年の評議員たる僕の仕事はあらかた終わりました。あとは久しぶりに、普通の司法書士さんのふりをして相続や登記の相談をやってくることにしましょう。

がら空きな広告欄の理由

先月末、二万数千円の臨時収入がはいってきました。このブログと当事務所ウェブサイト内に出しているPPC広告の、何ヶ月分かの収入です。

検索エンジンがコンテンツの内容を解析して、コンテンツの内容におおむね沿った広告を配信してくれるこのPPC広告、まがりなりにも司法書士のウェブサイトである当事務所ウェブサイトに配信され、そして一クリックあたりの広告費が高いために上位に表示されるのは、なんといっても債務整理バンザイ型の各事務所の広告。

ただし、この業界にも盛者必衰のことわりはあるらしく、数年単位で広告配信状況を見ていると、早くも他分野にシフトして逃げ切った事務所、なにか設定を間違ったらしい広島や九州の事務所、いまさら、というタイミングでようやく広告を出し始めたらしい事務所とさまざまであります。それらを観察しているだけでも興味深いのですが、残念なのはコンテンツの内容に一致してくる広告、つまり内容証明や労働相談・労働紛争に関する事務所の広告があまり出てこない点です。

これが意図的に表示されるようになったら、閲覧者の皆さんはクリックしてくれるのでしょうか?

思い立って実験を始めました。労働紛争と関係ないウェブサイトの広告を、次々に拒否設定に加えていったのです。

  • まず債務整理の広告。
  • 相続の広告。
  • 不動産登記の広告。

-どうやら同業者さんたちの広告はこのあたりに集約されてくるようです-

これを削ると、妙なものが出てきます。

  • 資格専門学校の広告。
  • 旅行会社の広告。
  • ハンコ・印刷・シール・ラベル・計算代行センターの広告。
  • 自費出版の広告。

果ては結婚紹介業者・ペットの保険・怪しいNPO等々等々…

まさに削ったら出てくる削ったら出てくる削ったら出てくる、ということで電脳的『権兵衛がタネまきゃカラスがほじくる』状態を約2週間続けた結果、拒否リストに加えたサイトは約200超(苦笑)

そして当ブログの広告欄をみたら、いつしか空欄のほうが多いページが増えて来ました(汗)

そしてなにより精神的に打撃を受けていることは、内容証明に関するページに内容証明作成代行業者の広告がちゃんと出るようにしても、閲覧者の皆さんがそれをクリックしてはいない、ということです。

…でも、待てよ?

それはある意味、それは閲覧者さん方の見識の確かさを表すものなのかもしれません。

非常に複雑な心境です。

« 2010年9月 | トップページ | 2010年11月 »

2021年4月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30