よりよい事務所の三要素(探索中ですが)
よい司法書士の三要素とは何ぞや?と尋ねられたことがあります。
相手は同業者団体の支部長先生。昨年の支部総会の二次会の席だったかと思います。尋ねられたというよりは、からまれた感なしとしないのですが…数秒考えて、こう答えました。
- 買える(依頼人から見て、『買える』。払える報酬で受託可能な体系を維持できること)
- 使える(上記報酬体系で、依頼希望者が依頼しやすい態勢を維持できること)
- 勝てる(上記二点を満たしつつ、弁護士を含む敵対陣営に所期の戦果を挙げられる戦力を維持できること)
あんたのところは、それでいい(苦笑)
という講評をいただいたのですが…さて、気に入られたのかどうなのか。以来僕も、適当な機会を見つけては同業者さん達にこのネタでからんでいます。
さて、今月をもって在職二周年を迎えようとする補助者さまに所感を求めたところ、どうやら彼女にとってこの事務所(に、おける就労状況)を語る際のキーワードは
- 話し
- 考え
- 楽しむ
この三つのようです。これらを使用者たる僕とよりよく行える限りにおいて、どうやら今後も快適に就労していただけるのではないか…と期待しています。まぁ満足な回答です。
転じて、よい相談者としての三要素もこのあたりに来るかもしれません。よい司法書士の三要素のうち『使える』の中に含まれるようにも思えます。お客さまからみて、話しかけるに値しない(使えない)司法書士のところには必然的に情報が十分に集まらず、情報不足はときに労働紛争の勝敗を左右しますから…よりよく話せない奴はよく考えられず、必然的に勝利からも遠ざかります。これは、地裁に出てくる会社側代理人の皆さんを見ていると痛感させられますね。
また、どんなご依頼であっても、お客さまとそれなりに楽しめる要素を見いだすことで話しかけてもらいやすい雰囲気ができることがあります。そして、さらに集まった情報でよく考えることもできます。とすると、この三つのキーワードもなかなか重要に思えてきます。
ただ、実際にやってみようとすると時には大失敗することもあり、先月はお客さまからの要請で出席した会食で、同席した無礼な会社社長にさんざんにコケにされ、それは不快な目に遭いました。お客さまから見て僕が、そうした招待をすれば普通に出てくる人間だと思われたことすら今にして思えば腹立たしいのですが、お客さまからみた『はたらきかけのしやすさ』は程度の問題、ということでいま調整を続けています。
で、今日もお客さまからのお食事の提案を一つ辞退しました。これはもちろん、先月の不快な会食の影響です。いくらお客さまからの招待とはいえ、調子に乗ってホイホイ出席して出くわした奴が零細企業のどうでもいい社長、という程度ならよいのですが、たとえば会って話しをしてみたらフロント企業の経営者(!)とかだったら僕の社会的生命が絶たれかねない…ということも考えるようになってしまいました。
このあたりは、お客さまから一歩引いて身の安全を確保しようとしているわけで、よりよく話す・よく楽しむという姿勢は今後少し薄れてしまうのかもしれません。できるなら、信用できるお客さまとそうでないお客さまをしっかり見極めた上で、それなりに楽しめる能力を身につけたいものですね。
さて、元照準手さん、少々遅れましたがコメントありがとうございました。元照準手さんからの会食の誘いがあれば断らないようにしないといけませんね(笑 別に要求しているわけではありません)
ご指摘のとおり、『自分』が出せない、伝えられないし受け取れない、という人は老若男女問わずどんどん増えてきているような気がします。先月はひたすら自分の話しかしない爺さんに質より量の大味な肉を食わされて大変な目にあったのですが、その辺を全然感知していないお客さまからはあらかじめプログラミングされていたような『お礼のメッセージ』が翌朝送信されてきて思わず失笑したことであります。小綺麗に着飾って、とても美しい日本語がしゃべれても、その言動がときには虚しいドンガラになってしまうこともある、ということもあるし、普通の言葉で普通にしゃべっても、今にして思えば結構粋な和解に代わる決定を引き出せることもある…それが聞き入れられるだけの援護をおこないはしましたがね。
所定の様式を守りながらどれだけの情念を相手にぶつけるか、というのは裁判書類作成でも大人としての言葉使いでもきっと共通の難しさを持つのですが、そうしたことができないならできないなりに、せめて『今それが、出来ないことの自覚』がほしいものだと思います。そうでないと、文字通りお話になりません。
次に労働審判さん、さっそくのコメントどうもありがとうございました。この方は僕の直接のお客さまではないのですが、その関係はとりあえず秘密♪にしておいた方が楽しそうです(職制側の人たちも見てるかもしれませんからね)。あの団体ではきっと、構成員の上下ではロクに話すことも考えることも楽しむこともできないだろうとは思いますが、せめてああした団体の内情を少しでも話して広めることで結果として立ち上がる人が増えたらいいと思います。そうした自覚的な人となら、彼らとの戦いも楽しめそうな気がします。ただ、漫然と仕掛けただけでは労働審判でもけっこう揉めるのかもしれません。これは事例の集積を待ちたいですね。
明日は関西へ出張です。お会いするお客さまが、いまそれぞれの事案にどう向き合っているかを確かめるためにも直接面談する、という意味があると思うのですが…
夕方でかけた床屋さんで、担当のお姉さんが真っ先に楽しんでいます。
おにいさんすご~い♪髪質いいですね~
切っても切っても黒い、といかにも楽しげにハサミを動かすお姉さん。
ええと…お楽しみいただいてるようで何よりです(棒読み)
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