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包囲網、狭まるか?

 今晩は久しぶりにテレビに見入りました。NHKの『クローズアップ現代』が過払い金ビジネスを扱うことになったのです。もちろん、控えめに言って懐疑的、はっきり言って批判的な観点から。

 昨年簡裁代理権を取って以来、債務整理は1件しか扱っておらず事実上この分野から撤退したためいたって気楽に眺めている過払いビジネス問題、これまでいくつかの雑誌から散発的に批判的記事がでてきたのがどこまで盛り上がるか注目していたところ、ついにここまで来たか、という気分ですね。

 この調子でお金ダイスキな同業者さん達への包囲網が狭まっていくのか、これはなかなか興味深い状況です。しかしながら番組中で最も印象に残ったのは、ヤミで過払い金返還請求をおこなっていた(訴状を作っていたらしい)元消費者金融従業員氏が

『40%の報酬を取っていた』

というくだり。

えーとちなみに当事務所では所定20%。第3準備書面まで書いて殴り合っても東京地裁に債権差押命令出しに行っても、やっぱり20%(呆然)

つまり、何も知らない人を相手にするならそのくらいのお金を払ってしまう人もいるんですね。もっとも、減額報酬10%+過払い金部分の回収について25%程度なら請求する(で、強制執行なんてしない)同業者さんは結構いるようですので、彼らの立場に立ってしまえばあながち暴利ともいえないような…と思ったりもします。

もっとも、過払いバブルの次は残業代バブルだと考える奴がいるようで、僕はそちらが気になります。昔からまじめにやってる奴がとばっちりを被る構図、というのは債務整理の世界でもあったわけで、もし残業代バブルが発生したときにこの事務所がどうなるかは結構難しいものがありますからね。

ただ、実際のバブルの発生よりバブルを煽って儲けようとする人間のほうが先に出てきているということはむしろバブル化に否定的な根拠の一つではあります。過払い金返還請求対策のセミナーが貸金業界で流行ったという話しは聞きませんし、反論も支払能力も記録の備置状況も千差万別な会社たちを相手にして類型的な処理ができるかと言ったらそうではないし。強いて可能になる条件を考えるならば、適当なイメージCMを打ちまくって本職が関与しない無料相談で顧客と案件と相手先企業をとってもシビアに選別し、ちょっとでも難しそうなら片っ端から法テラス、という(恥ずべき)やり方を大規模に実行できる、そしてたまーに気が向いたら地裁で労働審判なんかができる大規模法律事務所だけが残業代バブルの恩恵に浴するだろう、と考えます。

しかしこうしてみると、バブルに踊る人、バブルを煽る人、引っかかってお金を取られる人、どれにもならずに済ませるのはなかなかに難しい世の中であるようです。しょうがないから知力を高めて対応するしかない、ということで否応なしに勉強はしなければならないようですよ。病院職員さん、コメントありがとうございました…まぁFPの知識は労働者に対しても多重債務者に対しても、まじめに取り組もうとする場合はかなり有用なものになりうると考えています。別に資格マニアではないので必要な資格を狙って取りに行ってるだけですから受験勉強をする前にすでに知識があることも多く、実際のところ自分のモチベーションがなにゆえ維持されているのかは自分でもよくわかりません。

ただ、当事務所の補助者さまも僕に同じようなことを聞くんですよ…僕は対応に窮して困ってるんですが、彼女は病院職員さんのコメントに喜んでましたね(笑)

最後に、今晩のクローズアップ現代より深く厳しく緻密に過払いビジネスに切り込んだ本が昨年末に出ています。大きな本屋さんなら置いてあることが多いため、これは立ち読みでざっと目を通しておいて欲しいですね…過払い金の返還請求というものが、社会経済的には必ずしも結構なことではないのではないか、と考え込んでしまうものがあります。少なくとも、そうなってしまうかもしれない、という可能性の自覚が欲しい…とか思いながら。

よりによってといいましょうか、本日今年初の完済後の過払い金返還請求のご依頼を受けてしまったところです(爆)

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