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2010年3月

その見本に、異議あり!

 先月末から今日まで、妙に債権差押命令申立の書類を作っています。一ヶ月で4件、すべて労働関係で申立場所も当事者の人数も債務名義(申立に際して必要な、裁判所の判断を書いた紙。判決やら和解調書やら、です)の種類もさまざまなんですが…

 いつも使っている、ものの本↓をみて考え込んでしまいました。

そもそも請求債権目録に記載する執行費用ってどれだけ盛り込んでいいんだっけ…?

この本にいくつも載っている書式をみていて、実はどうもなにか抜けているような気がしていたのです。

…と、いうわけで。試してみることにしました!名づけて『春の執行費用請求促進月間』

もちろん冗談ですが、手元にある『民事訴訟費用等に関する執務資料』(司法協会発行。ISBNコードはついてませんが、大きな本屋でたまにみかけます)を冷静に検討して、ちまたにあふれる書式の見本に載ってなさそうな費目でも片っ端から請求してみよう、と思って実際にやってみたのです。

その結果。各申立はすべて受理されたのですが、次のことがわかりました。

1.当事者が会社だったとき取得する『(商業登記の)登記事項証明書』の手数料が1000円なのはいいとして、この申請書送付と受領で往復80円×2=160円の記載を落とす書式がネットには結構あるようです。オンラインで請求して1通700円で済ませてもこの金額(合計1160円)なんですが、プロの方は差額をポッケにいれたりは…してないはずです(汗)

2.裁判所で取得する、『債務名義(たとえば和解調書)の送達証明書』や『(判決や審判の)確定証明書』の手数料は150円なのですが、やはりこれらの申請書の送付と受領で往復80円×2=160円の記載を落とす書式が、これは前項とくらべてぐっと増えてくる印象があります。上記の本も、全書式でこの記載を落としています。

※たぶん、これらを郵送でどうこうするよりは裁判所に事務員を寄越してあっさり済ませてしまうから普段こうした書類を作ってる人ほど重視しない、ということなのでしょうね。郵送だろうが窓口持参だろうが、これらの費用は請求できますので執行費用に盛り込んでも不正ではありませんが。

3.もう一つ。債務名義に執行文の付与を受けるときの手数料300円を執行費用として記載する見本は多々ありますが、この申立書送付と受領で580円の記載がある書式がなぜかほとんどありません。

 この580円を落とすのはちょっと悔しいよな、と請求債権元本が100万円を超える事案であっても思ってしまうんですが…どう思われますか?


ところで、ときどき検索エンジンに『旅行書士』というキーワードを入れて検索をかけてみると某巨大掲示板のスレッドがヒットしてくることがありますが、僕自身はいままでこの巨大掲示板になにか書き込みをしたことはありません。今後もたぶんないと思います。

 先日、某巨大掲示板でのある書き込みについて、それが僕がなされたものかと問うている書き込みを発見してしまったので、このブログを見ているであろうその人に念のため申し添えます。だってわざわざ匿名の言論を展開する必要ないんで(苦笑)

今夜日付が、変わったら…

 今日の経過をもって、ある地方裁判所で終結した労働訴訟が一件『確定』します。

 確定と言っても判決をもらったわけではありません。通常訴訟として係属していたものを裁判所の判断で自庁調停に付され、調停としての期日を一回も開くことなく『調停に代わる決定』が出されたのです。この決定正本を送達されてから2週間の異議申立期間が、まず相手方会社で先週経過しました。次いで僕のお客さまである申立人について本日経過すれば、この決定が晴れて確定することになるのです。

 元をたどればこの『訴訟』、請求額の関係上簡易裁判所に係属するはずだったものがあっさり裁量移送されて地方裁判所にやってきたもの。簡裁は簡裁で、地裁は地裁で、結構な『裁量』を発揮して今回の結果にたどり着きました。労働訴訟で自庁調停を見たのは、よく考えたら平成13年に僕自身が原告になって起こした訴訟で経験して以来のことで、開業してからは初めてです。

 お客さまがこの決定の内容をどう受け止めているか、は後でゆっくりお聞きしたいと思っていますが、思い入れを含めないで分析した場合にはその内容、非常に興味深いものがあります。

 決定主文で、『未払い賃金及び(労働基準法第114条の規定による)附加金等として、●万円を支払う』と書いてあるのです。

 さらに決定が出た日を基準にして、当初訴状に記載していた請求額元本と遅延損害金の合計額を計算すると、確かに決定で支払うものとされた金額より少なく、結構な割合で附加金の請求が認められていると評価せざるを得ません。

 つまり、名目的にも実質的にも決定で附加金を取ってしまった事例ということになります。確かに労基法第114条では附加金の支払いについて、『裁判所は(中略)命ずることができる』とあるだけで訴訟でなければならないとは言っていません。ただ、調停や調停に代わる決定というのは誰かに何か命じる構造を取っているのかと考えると…それはちょっと違う気もします。あくまで通常訴訟から移ってきた自庁調停であることを前提に、『原告が附加金の支払いを請求しており、裁判所としては判決でその一部の支払いを認める可能性が高いから、裁判所から被告に対して、附加金請求部分を含むことを了解したうえで請求額元本よりずっと多いお金を払えと言って反応をみることにした(ただし、あくまで調停だから当事者が蹴ったら訴訟に戻るだけ。命じてはいない)』と解するのが素直なのかもしれません。

 それでも附加金が含まれていることが裁判所側からの書面で明らかになっている、ということで当事務所設立以来2例目の附加金奪取事例になるはずです(ただいま23時06分。あくまで24時の到来を待つ必要がありますが!)

 しかしながら、世の安直な相談者たちには苦言を呈したいと思います。これだけ情報が広まってなお、内容証明で附加金を請求したいがどうするのか、などという間抜けな問い合わせが当事務所にもまだやってくるのです。

 そういう話しがしたいなら、日曜21時からのドラマに出てきたような敷居も低けりゃコンプライアンス意識も低い●●書士の事務所にでも行ってみたら?ということで片っ端からお引き取り願っている(というよりこのレベルの相談者は、いちいち依頼を回避するまでもなく内容証明で附加金は取れませんと伝えた時点で音信不通になってくれます…さようなら♪)わけですが、今回の終結をみたお客さまにしても当初の調停から実に1年半のたたかいを経てようやくこういう結果にたどり着いたのです。附加金を取るのは実は難しいのだ、という正しい知識がなぜ広まらないのかよくわからないのですが、この分だと今後も広まらないような気がします。むしろこの分野で仕事を集めたい弁護士や司法書士の事務所が、『割増賃金の未払いには附加金が請求できます』などという甘~いセールストークの広告を地下鉄車内に打ちまくる未来のほうが先に来てしまいそうで、少々憂鬱ではあります。

  •  附加金が取れれば勝ちというわけでもないし、
  •  附加金が取れなければ負けというわけでもない。
  •  内容証明で附加金を請求しようという発想には同意しないけど、
  •  あえて取れない附加金請求を訴状に載せて戦いを挑むときもある。

 …で、その結果?そりゃお客さま次第、ってもんでしょう。だって僕自体、昔やった自分自身の労働訴訟の結果がまだ総括できてない(失笑)

 まぁ、いずれお客さまのなかでこの決定に対する評価が定まる日がくるならば…これは是非聞いてみたいものですね。

さようなら、労働図書資料室

さようなら、労働図書資料室
8時発のアーバンライナーに乗る前に、ひとつ用事を済ませます。
鶴舞にある勤労会館の労働図書資料室の時間外用ポストに、本を返さなければなりません。

遅れたら厄介なことになると思います。なぜなら、この小さくて優秀な、労働社会保険関係の専門図書館は今日で貸し出しを取りやめるからです。書庫にある蔵書の大部分は他の図書館に移管されるようですが、これで中部地方から労働専門の図書館の灯が消えることになりました。

思えば開業当初から、この『いつでも空いていて、欲しい分野の本が揃っている』夢のような図書館にどれだけ知識を与えられてきたでしょう。自分の事務所に書籍を増やさなくても労働問題専門の事務所が作れたのは労働図書資料室あってこそだったのです。僕が幸運だったのは、一通りの経験を積むまでこの図書館の存続期間に恵まれたことでしょうか。

春は別れの季節、に心ならずもなってしまいました。
今日の近鉄名古屋線上空は卒業式日和の晴天です。打ち合わせの設定は4件。うち3件は、新しいご依頼のお客さまとの打ち合わせです。

アーバンライナーは窓側のラスト1席をぎりぎりで予約できました。寂しいような嬉しいような、春の旅になりそうです。

最後に、友紀さんと福岡の信徒さんは共に九州からですね。コメントどうもありがとうございました。そういえば、福岡の信徒さんの事案で証拠提出したステキな弁護士さんの著書は、労働図書資料室から借り出したものだったはずです。今後はああいう反撃を企てるために、国会図書館まで行かないといけませんが…

まあ、いいか。それが好きなときに出来る程度には、この事務所も安定してきましたからね(笑)
そのかわりというべきでしょうか、某巨大掲示板でときどき当ブログの紹介をする書き込みが出てきて少々気になっています。今のところ好意的なものが多いのはありがたいことなんですが…

できれば春は、出会いの季節にしたいものですね。いいお客さまとの。

今日で開業6 周年!なんですが…

今日で開業6<br />
 周年!なんですが…
日付が変わって零時半。朝から出発の東京出張の準備がなんとか終わって一息ついたところに、補助者さまからメールが入りました。なんだなんだ?

あわてて本文を確認したら、

ー6周年ですねー

…忘れてました(笑)
3月22日は司法書士としての登録を受けた日なのです。なんとか六年、生き延びました!

ただ客観的状況はこれを祝う余裕を与えてくれません。月曜日は東京で尋問演習、火曜日は地裁で傍聴、水曜日は名古屋で研修の講師、木曜日は事務所で作業、金曜日は大阪・神戸で打ち合わせ4件…

トゥリャトゥリャトゥリャトゥリャリャ〜♪

…などと歌って現実逃避してみたい気もします。

さてさてやってきたのはガラ空きの足柄サービスエリア上り線。今日の知多シーガル2号は所定より、1時間20分ほど遅れています。まさに六周年にふさわしい展開。
車内で会社側証人への反対尋問計画を立案中なので遅れたからどうということはありませんが、これ以上だらだら走られると必要より攻撃的な尋問計画を作ってしまいそうです。

研修資料ができました…が

 僕の補助者さまがいくつか持っている長所の一つに、他の人が書いた文章に対する感受性が高いことが挙げられます。
採用時には気づかなかった(苦笑)彼女のこの長所に結構助けられているのですが、同業者さんのウェブサイトやブログを分析させると結構辛辣だったりもします…僕と面識のある同業者のみなさま、気をつけてくださいね。

 さて来週実施する、司法書士会他支部の研修に供する資料ができました。本文19ページ+別紙12枚で時間は2時間、時間調整する(できなければ端折る!)ための部分が入ってこのボリュームです。これを補助者さまに校正に出しました。すると?

 

 ………

 

 ………

 

 妙な静けさが、となりの補助者さま執務室から漂ってきます。

 

 ………

 

 ………

 

 待てよ?これは!

 

 内容を味わって読んでませんか?

 あくまで誤字脱字句読点の正否を中心に、日本語の文章としての体裁をチェックしてくださいね、とお願いする僕を例によってあっさりいなして書類を読み続ける彼女。さらに数分間が、静かに経過します。

 ややあって補助者さま、なんだかおいしそうな顔をして感想を告げてきました。

 -いつもの文章と違いますね-

 当ブログやウェブサイトの文章と違って楽しくな~い♪というのです…なんて贅沢な(苦笑)

 そりゃ確かに、おっしゃるとおり楽しめたほうが頭に入るとは思うのです。それを志向してコンテンツを書いてることも確かです。ですが僕の技量は年金問題を楽しく講義するところまで至ってません!というより、研修や勉強会をどれか一分野でも『楽しく』維持できる司法書士が愛知県内にどれだけおりますことやら。

 ご指摘のとおり今回の研修教材は、あくまでも世間一般の司法書士さんを対象としてお行儀よくお行儀よく粛々と研修を行うために作成したものでして、1mmも遠慮のないオーダーを課すクライアントを1mmの遠慮もなく迎え撃って作成したものではありませんし、受講者からみて講師が脅威だと認識されるようなものでは全然ないはずなんです(笑)。ただ、そのお行儀よい自主規制をあっさり読み取られるのもちょっと複雑な心境があります。

 結局校正依頼をかけたその原稿、なぜか補助者さまがおいしそうな顔をしておうちに持って帰ってしまったのですが、特に修正箇所はないようです。あ~あ。

 


 ところで先ほど、来週当事者尋問がある労働訴訟の敵側担当者の陳述書がお客さまから送られてきました。訴訟代理人が辞任後新たな弁護士が着いた最初の書面ということで、少しはおいしくいただけるかと期待して分析にかかったのですが…

 無意味な書面に思えてしまい、少々困っています。

薄氷の欠席判決

薄氷の欠席判決
外は泣き出しそうな空模様。でも傍聴席に陣取る僕はお天気ほど気分は悪くありませんでした…その瞬間までは。

順当に欠席判決が貰えるもんだと油断しきって出かけたその期日。裁判官はいつも通りに少額訴訟の制度をお客さまに教示したあと、傍聴席に向けて決定的な一言を口にします。

「要件事実の記載が落ちてるんですが」

ええええええっ?

にわかに遠ざかる勝利。開業以来一度も言われたことのないこの一言に、訴状をめくる指が震えます。全面敗訴の判決喰らったほうがまだましな一言です!

しかし落ちついて聞けば、僕が訴状で取った論理構成を蹴った高裁の裁判例があるのを気にしている様子。僕の面子を優先するならそれとは事案が違うと主張するべきかもしれませんが、この訴訟はお話を難しくするよりさっさとお金の匂いがする方へ突っ走るのが僕へのミッションのはず。ならば…

無言で書類をめくります。
半分は意図して、半分は対応能力の限界で。

このご依頼で一番危うい立場に立たされた数秒間が経過します。期待した通りに、天の声は降ってきました。書類中それとは意図して書いてない一箇所を捕まえてかなり強引な釈明権を行使し、なんだかんだで主張を補完してしまったのです。あとはそのまま、めでたく判決言い渡しとなりました。

腰が抜けてないか確認しながら席を立とうとした僕にラウンドテーブルの正面から、なおも一声降ってきます。

「奏効しましたか?」

今度の声は、少々笑みを含んでいたかもしれません。
この訴訟の提起に先立つ仮差押申立では僕が訴訟代理人になり、彼と裁判官面接を済ませていたのです。費用倒れにならないかと問われた際に、仮差押が奏効しなければ本案訴訟は起こしません、とはっきり答えたことを覚えておいでなのでしょうか。その簡裁でその年に債権仮差押の代理をした司法書士は僕だけだ、とも聞いています。

「直ちに本執行に移ります!ありがとうございました!」

最敬礼して法廷を後にします。厳しいような優しいような裁判官のおかげで、桜の花の咲くころにはいい結果にたどり着くことができそうです。

東京発17時41分発の沼津行き普通列車は、茅ヶ崎を過ぎるとグリーン車なら空席が目立ってきます。そろそろ晩御飯のお弁当を開けるとしましょうか。

出張荷物が軽くなりそう

 当事務所のLANはルータを介して、1.5MのADSLでブロードバンドにつながっています。

 ええ、1.5Mです。

 まぁ昨年まで電話がダイヤル回線だったものを、勇をふるってプッシュ回線にしたところなのでこの事務所へのIT革命(←これ、イットかくめいって読むんでしょ?)は数年以上遅れてやってくるものなんでしょう。

 そのか細いADSL回線が、ここ2時間ほど必死でデータを送っています。今夜から補助者さま宅のPCと当事務所のLANとの間に、VPNを構築する実験を行っているのです。設定時に多少の混乱があった(数分間に3回リンクが切れ、グローバルIPアドレスが3回変更された)ほかは、どうやら作業に支障がなさそうです。ただ、VPNの運用試験はその性格上、自分のLANの外から入ってこないと実施できないため実は10分以上連続してVPNを使って作業したことは僕も無かったりして…まぁいいんです!実際に作業できてるんだから!

 さて、これでVPN経由で事務所のPCをリモートデスクトップで使えるようになったので、明日の出張は僕もPDAだけ持って出ることにしましょう。基本的には欠席判決になるはずの訴訟を見届けにいくだけですし、いざとなったら訴訟代理人になってしまうことも可能です。

 ところで今回の諸設定と運用を補助者さまにお教えしたところ、よそのPCからこっそり入ってきて遠隔地のPCを使いこなすというところにいたく感銘を受けられたようで

どろぼうみたい♪』

という素敵なコメントをいただきました。そ、そんなぁ(泣)

今月後半の出張がきまりました

 この事務所、忙しいのではないかと誤解される人がいますが基本的にはヒマヒマであります。債務整理バブルの泡をちょっぴり舐めていられた一昨年の一時期を除いて、訴訟代理であれ裁判書類作成であれ、継続的に関与しながら同時に進行させる訴訟が5件を越えることなどありません。現時点で担当しているのは労働訴訟の裁判書類作成ばかり5件なんですが、その5件がそろって『2月には口頭弁論期日が設定されず、3月に設定される』という展開になっていました。2月初旬の時点では3件が3月にあるとわかってすでに戦々恐々としていたところ、そこからいろんないきがかりでさらに2件が加わったのです。

 で、現況。

 まず2件は期日が終わりました。これらは2件とも傍聴せずに済む状況にあったのです。これらはいずれも関西地方。

 来週はもう2件で、1件が関東・もう1件が県内です(県内の事案が珍しいんですが…)。さらに再来週は関東で1件。最後の1件は当事者尋問なんですが、なぜか会社側代理人が辞任したため期日が延びたためすでに予行演習が終わっています。

 来週はこのうち1件の期日を傍聴に、関東地方にでかける予定です。

 さらに再来週は、お客さまと打ち合わせに大阪-三ノ宮まで行ってくることにしました。それぞれ当事務所ウェブサイトの掲示板に書いてあるとおり出張経路はシンプルに、用事をつないで往復するだけの行程です。ただし経由地での出張相談は可能ですので関東-関西方面のみなさまには利用をご検討ください。

 もう一件、再来週関東の裁判所で行われる予定の当事者尋問については傍聴に行くつもりなのですが、前後の日程の調整が微妙なためまだ掲示板には予定を出しておりません。

 とりあえず今月は、あと三回どこかに行ける、と。もちろん僕の認識としてはこれで、忙しくないつもりです(笑)

 どうやら残りの期日がクリアできる目処も立った(提出せねばならない書類はもう出した)ため、あと残っている今月の試練は再来週に予定されている他支部での年金の研修の講師です。司法書士さんに対して年金の話しを、しかも彼らにとって興味をそそるようなかたちでやってみる、というのは結構難しいものがあります。このご依頼をいただいた時には昨年僕が所属している支部でやった研修と同じようにやってくれればよい、というオーダーでしたが、資料にもう少し手を加えたいな、と思って…

 あっさりと泥沼にはまりました。さらには研修ご担当の司法書士さんのところに資料を納品する期限を18日の朝と宣言してしまったため、ことによると来週は未完の資料を抱えて8月31日の小学生のような気分(自由研究できてない、みたいな悲壮感)で東海道を東上することになりかねません。

 ことによると来週以降、仕事はないんだけど依頼受付停止、という事態もあるような気がします。困りました…

包囲網、狭まるか?

 今晩は久しぶりにテレビに見入りました。NHKの『クローズアップ現代』が過払い金ビジネスを扱うことになったのです。もちろん、控えめに言って懐疑的、はっきり言って批判的な観点から。

 昨年簡裁代理権を取って以来、債務整理は1件しか扱っておらず事実上この分野から撤退したためいたって気楽に眺めている過払いビジネス問題、これまでいくつかの雑誌から散発的に批判的記事がでてきたのがどこまで盛り上がるか注目していたところ、ついにここまで来たか、という気分ですね。

 この調子でお金ダイスキな同業者さん達への包囲網が狭まっていくのか、これはなかなか興味深い状況です。しかしながら番組中で最も印象に残ったのは、ヤミで過払い金返還請求をおこなっていた(訴状を作っていたらしい)元消費者金融従業員氏が

『40%の報酬を取っていた』

というくだり。

えーとちなみに当事務所では所定20%。第3準備書面まで書いて殴り合っても東京地裁に債権差押命令出しに行っても、やっぱり20%(呆然)

つまり、何も知らない人を相手にするならそのくらいのお金を払ってしまう人もいるんですね。もっとも、減額報酬10%+過払い金部分の回収について25%程度なら請求する(で、強制執行なんてしない)同業者さんは結構いるようですので、彼らの立場に立ってしまえばあながち暴利ともいえないような…と思ったりもします。

もっとも、過払いバブルの次は残業代バブルだと考える奴がいるようで、僕はそちらが気になります。昔からまじめにやってる奴がとばっちりを被る構図、というのは債務整理の世界でもあったわけで、もし残業代バブルが発生したときにこの事務所がどうなるかは結構難しいものがありますからね。

ただ、実際のバブルの発生よりバブルを煽って儲けようとする人間のほうが先に出てきているということはむしろバブル化に否定的な根拠の一つではあります。過払い金返還請求対策のセミナーが貸金業界で流行ったという話しは聞きませんし、反論も支払能力も記録の備置状況も千差万別な会社たちを相手にして類型的な処理ができるかと言ったらそうではないし。強いて可能になる条件を考えるならば、適当なイメージCMを打ちまくって本職が関与しない無料相談で顧客と案件と相手先企業をとってもシビアに選別し、ちょっとでも難しそうなら片っ端から法テラス、という(恥ずべき)やり方を大規模に実行できる、そしてたまーに気が向いたら地裁で労働審判なんかができる大規模法律事務所だけが残業代バブルの恩恵に浴するだろう、と考えます。

しかしこうしてみると、バブルに踊る人、バブルを煽る人、引っかかってお金を取られる人、どれにもならずに済ませるのはなかなかに難しい世の中であるようです。しょうがないから知力を高めて対応するしかない、ということで否応なしに勉強はしなければならないようですよ。病院職員さん、コメントありがとうございました…まぁFPの知識は労働者に対しても多重債務者に対しても、まじめに取り組もうとする場合はかなり有用なものになりうると考えています。別に資格マニアではないので必要な資格を狙って取りに行ってるだけですから受験勉強をする前にすでに知識があることも多く、実際のところ自分のモチベーションがなにゆえ維持されているのかは自分でもよくわかりません。

ただ、当事務所の補助者さまも僕に同じようなことを聞くんですよ…僕は対応に窮して困ってるんですが、彼女は病院職員さんのコメントに喜んでましたね(笑)

最後に、今晩のクローズアップ現代より深く厳しく緻密に過払いビジネスに切り込んだ本が昨年末に出ています。大きな本屋さんなら置いてあることが多いため、これは立ち読みでざっと目を通しておいて欲しいですね…過払い金の返還請求というものが、社会経済的には必ずしも結構なことではないのではないか、と考え込んでしまうものがあります。少なくとも、そうなってしまうかもしれない、という可能性の自覚が欲しい…とか思いながら。

よりによってといいましょうか、本日今年初の完済後の過払い金返還請求のご依頼を受けてしまったところです(爆)

関心と得点のみごとなリンク

去年のいまごろでしたでしょうか。司法書士として簡易裁判所における代理権を取るために必要な特別研修の日程をいよいよ終了するというときに、講師の弁護士さんがおっしゃいました。

『皆さんはこの試験(6月に実施される考査)が終わったら、もう一生試験勉強しなくて済むわけですから…』

う~ん、残念!昨年の簡裁代理の考査終了後、さらに今年1月にファイナンシャルプランニング技能検定2級の試験を受けてきたところです。ああ、いつまで続く受験人生(涙)

その一部合格証書が、昨日やってきました。午後の実技試験は欠席にて不戦敗、しかし午前中受けた学科の試験の成績がなかなか楽しいことになっています。

分野は5つに分かれています。まず生命保険・損害保険・社会保険などを中心とする『ライフプラン・リスク』が、配点20点に対し得点20点(おお!)

次いで高得点なのが、金融商品の知識を中心とする『金融資産運用』配点10点に対し9点。結構結構。

もっとも得点が低かったのは『不動産』配点10点に対して7点。

さらに『相続・事業承継』が配点10点に対して8点。

ところで僕の職業って司法書士だったっけ…まぁいいや(遠い目)

とりあえず、関心が高く無理なく高得点を狙える部分と実際に配点が高い部分がリンクしているのは助かります。この試験はいちど学科に受かると2年間は実技だけ合格できれば完全に合格の扱いになるので、再来年冬の試験までに実技に受かれば晴れて社労士兼司法書士兼FPのできあがり、になるはずです。

さて、FPも2級の取得が現実的になってきたところで、1級をとるべきかどうか少々考えてしまいます。実際に相談するぶんには2級(および社労士と司法書士)で十分だと思いますが、ウェブサイトに掲出しておく看板として1級が欲しいな、などと不純なことを考えてみたり。

取り立てが好きなんですが何か?

 今日も今日とて仕事です。新しいご依頼をいただきました。

 今回のご依頼は労働紛争ではなく、世間一般の司法書士さんが普通に扱う分野です。しかしながらお客さまは当事務所にたどり着くまでに、複数の司法書士の事務所に受託を回避されている、とのこと。経緯を聞いて納得しました。

 そりゃそうだ。

 そいつらは債務整理の依頼しか興味ない(爆笑)

 …つまり儲かる仕事を追求してるから名駅付近の大きなビルに事務所もてたりテレビにCM出せたりするんですよ、と身も蓋もない説明をしておいたところであります。まぁその果てにたどり着いた事務所がここだ、ということが幸運か不運かは数ヶ月後に確定するでありましょう(もちろん前者にしたいと思っていますが)

 ただそのお客さま、少々気になることをおっしゃいました。

 当初この事務所では、そのお客さまの依頼を受けないのではないか、と思われたとのこと。

 聞けばなるほど、個人が依頼人とはいえ資産を持ってる人だけが依頼人になりうる今回の仕事、労働者側を標榜する当事務所のありようにそぐわない、と心配されてもしかたないかもしれません。

 そんなことありません、少なくとも名駅付近の大きなビル(←くどい?)に入ってる某事務所より受託業務の幅は広いはずです、と説明しました。それに当事務所の専門業務たる給料未払いと今回の仕事は『個人の依頼を受けて、大きな会社ではない何者かに金銭の支払いを請求し、知略を尽くして目的を達成する』という点においては共通なので、どちらかというと心情的には快適にできる仕事です。

 つまり…誰かからお金を取り立てる仕事が好きだ、ということになるんですが…

 これって声を大にして言うとどうなのかな、とも思います。もちろんこれも社風ならぬ所風の一つですから、名駅付近の大きなビルで債務整理に邁進する事務所がこの世に存在してもいいのと同じ理由によって、当事務所みたいな事務所も存在してもいいのだろう、と考えています。

 残念ながら初動で誤った情報を提供しかけた我がウェブサイトですが、どうやら僕を気に入られたらしい今回のお客さま、こうもおっしゃいました。

「(僕の事務所は)他の人に紹介してはいけない

と(爆笑)

ええ、その通りです!よくわかっていらっしゃる。

最近ではお客さま方に、「当事務所を紹介するのではなく、当事務所のウェブサイトを紹介したうえで依頼可否を検討させるように」と指示を出しています。

これだと、案件にかかわらず筋の通らないことを言ってくる人の来訪がほぼ阻止できるし代理権がなくたって平然と本人訴訟が選べる人しか来ない…けれど、事業としては一向に儲からないんですがね。

まぁ、いいです。名駅付近の大きなビルに事務所を移す予定は、いまのところ無いんで。

春の出張、はじめます

春の出張、はじめます
国会通りに、春の風。

知多シーガル2号は25分遅れで、霞ヶ関に到着しました。ここから東京簡裁・地裁で開廷表をチェックし、桜田門まで歩いて有楽町線に乗り、永田町で降り国会図書館で書籍三点雑誌三点の請求をしてから六階の食堂でランチを食べ終わるまでで…

一時間。

今日は日帰りの日程を組んだため、かなり忙しく動き回る必要があるのです。昨年から、自腹での出張は外国為替証拠金取引の利益で行うことにしておりまして、昨晩の運用成績は青春18きっぷで東京日帰りを試みねばならなくなるるほど悲惨ではなかったものの、バス往復に宿泊費をつけた二回分にはぎりぎり満たない程度にとどまったため、久しぶりの東京日帰りにしてみました。

さて、たまに自腹で出歩いていろんなものをみて回ると、ときどき面白いことに気づきます。

まず東京簡裁。
今日だけで、労働関係の訴訟が6件入っていました。
これまで確認した最大値は3件なので、この変化が継続するなら東京に事務所を移して…とはいいませんが今後も注意してみていきましょう。

もうひとつ東京簡裁。
貸金業者を原告とする、和解金請求訴訟がぽつぽつと出現してきているのですね。債務整理がご専門の諸先生方には周知の事実なのでしょうが、昨年まではほとんど気づかなかった事件名です。これってつまり、任意整理後の滞納者が被告、ということなんでしょうね。

つぎに東京地裁。こんな事件名がありました。

ー任意貢献契約無効確認請求ー

おそらくは貢献と後見を間違ったもの、と思います。ただ、そうであってもちょっと閲覧してみたいとは思います。


国会図書館では例によって、書籍雑誌取り混ぜて9点ほどを後日複写の手配を取って、引き揚げることにしました。ワーカーズコープに発生しうる労働紛争に取り組むための資料です。これらをみていると、それこそ就労者の『任意の貢献』を無制限に強要したり貧困ビジネスと合体させたり、まあいろんなことはできそうですね。もちろん、敬意を表すべき素晴らしい活動も多々あるるだろうことはわかりましたが、玉と石がまじってるのは営利企業も同様なわけで。

ところで、各資料で微笑ましかったのは日本におけるワーカーズコープの起源。
これを1980年代初頭の神奈川県内とするか戦後の失対事業から始まった●●事業団や労働者の自主管理に求めるか、で結構な対立または論者相互の無視があるようです。後者の流れを組む連中を敵に回したのが僕がワーカーズコープに注目するきっかけになったわけですが、この点になにか探究の余地があるようです。

これもまた、必要な知識(のはず)

 自営業者の春の大イベント、確定申告。

 今期は、還付金の発生と相成りました(情けない…)

 同時に、この本を読み終わりました。

もちろん両者の同時終了には、
なーんの関係もありません(遠い目)

 あまりにもタイトル通りの内容は、元国税調査官という筆者による裏金の作り方。そして、使い方の数々です。実に参考になりました(ですから確定申告の終了とはなーんの関係もありませんって!)

 もちろん摘発と対策を競いつつ日進月歩する裏金業界(笑)のことですから、これはあくまですでにネタバレしたもの=基礎講座という位置づけと考えるべきだとは思います。労働紛争という分野に関わると、時としてやりたい放題の経営者の姿を経理担当者が持ち込んだ決算書から垣間見ることができるのですが、経営者ばかりか労働者による裏金作りのありようをこれでもかとばかりに並べられて、もう笑うしかないという感じです。

 もちろんこの知識、さらにブラッシュアップして活用しようという性格のものではないことは当たり前です。でも知っておいて損はないし楽しく読める本でありました。基本的なことをお行儀よく教える技能や書籍は世の中に当然必要ですが、こうした『その分野で実際に仕事をしていないとわからない』ことをちゃんと教えてくれる本が好きです。もちろん僕にもそうした経験の蓄積はあり、それを1mmの遠慮もなく出すと内容が人には言えないような勉強会に仕上がってしまうんですけどね。

 さて、今月も講師のご依頼が降ってきました。となりの支部から、年金の研修をやってくれ、というオーダーです…昨年夏に僕が所属している支部で実施した研修を見ていたということを明らかにした上でのご依頼でしたので、何か間違った情報が伝わって僕を講師に選んでしまったというものではないとは思います。

 ただ、今回はあくまでも『年金』の研修のご依頼です。労働紛争ではございません。そして幸か不幸か当ブログを読んでるとは、電話を掛けてきた司法書士さんおっしゃいませんでした。

 どうやら、少々厚めの猫の皮をかぶってお行儀よ~くして行ったほうがよさそうです。

来年度の事業目標を考えたなら

 これはいいな、と思ったことがあります。先週末に司法書士さんの事務所にお伺いしたおりの、宴席のこと。そちらの先生が、今年力を入れて取り組む分野を●●●●と宣言されたのです。おお、それはすごい。

 僕もなにか決めてみましょう。さて何がいいだろう?最近当ブログに少しずつ検索が増えているキーワードは

 ワーカーズコープ 問題

 これだ(笑)


 実のところ笑ってる場合ではありません。労働者の協同労働、およびその受け皿となる事業体としてのワーカーズコープは労働者をして小口の出資者とすることで、労働者自身が経営者であると主張する事業形態なのですが、労働者や労働契約の内容を既成のそれとは違うと決めつけることで、現実を大きく理想と乖離させる=労働法の保護を及ばない立場に労働者をおとしめることが可能です。今年にはいっていよいよ協同労働を標榜する事業体に法人格を与える法律が国会に提出される状況となり、かつてワーカーズコープの一つを敵に回して裁判書類作成にあたった僕としてはこのような事業者の台頭には警戒を強めなければいけないと考えています。

 ただこの手の団体、低賃金やらサービス残業、労働者一人対管理者数人の査問、執拗な出資要請等々労働問題から無縁でないわりに、ぱっと見るぶんには結構格好がよく、時には労働組合や自称人権派な訴訟代理人と結託していたりしているため、しばらくは孤独な長い戦いが続くと考えています。今年の、というよりこれは、向こう数年間の優先目標の一つというべきですね。

 まずは新たな法案を研究し、ワーカーズコープの実情を広く調査し、問題点をまとめてウェブサイトを公開し、情報と相談を募り、必要があるものは粛々と法的措置をとる、という流れになるでしょうか。さしあたっては国会図書館にでかけて、この分野の書籍を集めてみましょう。いまから一年で、まず専用のコンテンツができれば上出来だと思います。

 ところで今日から、『こちら給料未払い相談室』のコンテンツを増築・公開することになりました。手続き類型別に給料未払い問題を解決する方法について紹介していたこのコンテンツに、あらたにいくつかの手続きの説明を加筆したのです。これでだいたい、このコンテンツもできあがりかなと思っています。来年今頃に『こちらワーカーズコープ相談室』(仮称)というコンテンツが、僕のウェブサイトにあればいいんですがね。

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