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今年手にした三つのアイテム

 今年は一番難易度の高い労働事案が今年最後にやってきました。会社の破綻に伴って未払いの賃金・休業手当・解雇予告手当が発生しているが社長との連絡は途絶。この会社から最後の売掛債権をかっさらえ、というこのミッション、僕の事務所に来るまでに某テラスの相談担当者があっさりと匙を投げてくれています。いい意味でも悪い意味でもやっぱり弁護士である某テラスの相談担当者、少額で権利関係・事実関係が錯綜した労働事案ではわりとあっさり相談から手を引いてくれます。ちなみにこの破綻会社にも社会保険労務士がいたようで、いい意味でも悪い意味でもやっぱり社労士に過ぎないこの人、離職票一つ満足に作成しないばかりか僕のお客さまにあからさまに泣き寝入りを奨めたのだとか。

 これら積極的消極的妨害を乗り越えて僕のところにやってきた問い合わせに対して、こちらも一番安全な選択肢としては事実上の泣き寝入り=未払給料の立替払い事業の適用を受け、それでおわり、という形を一応提示しています。

 でも。手持ちの書類から、解雇予告手当だけは一般先取特権の実行で直ちに回収できるのではないかと考えました。会社側にはすでに弁護士がついて債務整理の受任通知を放っており、複数の債権者は同じく弁護士を立てて仮差押の実行を図っており、破産開始決定が出れば仮差押や本案訴訟はすべて無駄になる以上、実施可能な部分だけでも直ちに債権差押命令を経て債権回収につなげるべきだ…との判断のもと、作戦行動を開始します。

 ちなみに前回一般先取特権を利用して債権差押命令を申し立てたのは大阪で三年前の春のこと。今回のご依頼はさらに遠い関東地方、しかも裁判所の御用納めが月末に迫っていて、もし12月28日までに債権差押命令が発令されなければ年末年始のまる一週間無駄になり、仮に発令されるとしても同じ会社を巡って仮差押やら動産先取特権の実行申立がすでにあり、いわば弁護士さんたちがパン食い競争(あるいは椅子取りゲーム)をしているところに労働者を引率して割り込まねばならない、という状況になっています。特に今回は、動産先取特権の物上代位を使って債権差押命令を企てた弁護士さんがおり、特別の先取特権が一般先取特権に優越する以上この人とうかつに競合したら蹴散らされかねません。

 ありきたりな少年漫画のように年々難易度が上がっていく展開にはいつになっても慣れることがありませんで、12月の後半は全力でこの案件への対応に当たり、結果としてはなんとか12月28日当日に債権差押命令の発令をみることができました。東京地裁では申立から中二日で一般先取特権での債権差押命令の発令を得ることができると、もう10年以上前の雑誌記事には載っており、僕の申立も結果的には中二日で処理されています。

 この過程で役に立った三つのモノがあります。見ればいずれも今年新しく使い始めています。まず一番貢献度が高かったのは

1.外国為替証拠金取引

 →何でそれ?というご意見が多々ありましょうが、今年初めから元本約200万円で始めたこの投機的取引で、今年は7桁を超える収益を出しており経済的には創業以来の大余裕を僕にもたらしてくれています。

 残念ながら僕も聖人君子ではないし雲や霞を食って生きてるわけでもないので、こうした余裕がなければ難易度が高く請求金額が大きくない遠方の案件を気持ちよく受託し全力で(つまり、他の依頼をストップして)進めることはできません。この外国為替証拠金取引、最初は『自腹での出張の交通費を補えればいいな』くらいの気持ちで始めたところ、9月以降は安定的に本業での利益を上回る実績を示しています。とりあえず今月からは元本を少し積み増して250万円と決め、運用で増えた分だけ引き出すようにしており、今後は一月当たり10%程度のリターンが得られればいいと考えています。来年以降の実績がどうなるか楽しみです。

 ただ、こうして財産を分離して基金を作り(すずき事務所経営安定化基金と呼んでいます)、その運用で経営を安定化させる、という発想は第三セクターの鉄道ではジリ貧へのお約束になってるようで…

 まぁ、これがしくじったらそのときはそのときですよ。

2.第三世代携帯電話

 FOMA、ってやつですね。第三世代という言い方自体しない(第三世代が普通だから)ようで、普通の人に第三世代携帯と言ってもだいたい通じません。主としてデータ通信の速度の向上に第二世代と第三世代の違いを見いだせるのですが、なにより来春でSoftBankの第二世代携帯電話のサービスが終わる、ということで同社第二世代携帯の、しかもプリペイドのサービスを使っていた僕は問答無用で第三世代への移行を迫られることになりました。プリペイドなら月1500円払っておけば十分だったので通常のサービスに移るかかなり迷い、いったんSoftBankの安い白ロムを買って試した結果を踏まえてDocomoのSH-06Aを先月末から使い始めたところです。

 これが今回の事案で文字通りの大活躍を見せてくれました。相手の社長の家が最寄りの駅から2.5kmの片田舎にあり、現地と最寄り駅との移動にはタクシーか徒歩!という状況下でこの機種が搭載しているGPSが実用的な測位精度とソフトウェアを持っていることがわかったのです。これで、まったく知らないところの現地調査でも事前にまず図書館に行ってどうこう、という過程を省略あるいは簡略化できるようになりました。その他、バスの予約・電車の時刻・(裁判所に提出可能な画質での)写真撮影・PDF閲覧といった、これまでなら他の機材や手段がないとできなかった旅行書士としての細かい作業ができるようになったのが素晴らしい。

 そしてなにより、バスやフェリーで移動中でも外国為替証拠金取引の注文が出せる(笑)以前からPHSのシステムを使うb-mobileでPCから移動体通信ができるようにはなっていたものの、高速移動中にはほぼデータが受け取れないし陸から少し離れると圏外になるため出張での移動中は取引をあきらめるしかなかったのが、大きく改善されました。そのかわり、定額でのデータ通信料がほぼ上限に固定されることになりそうです。もちろん、それを払って余裕でおつりがくる利益を上げることができるのですが。

3.簡易裁判所代理権

 上記二者にくらべれば事務所の経営状況好転にさしたる影響力はないのですが(使い方がヘタなだけ?)、代理人でござい、と名乗って敵対当事者に何かができるというのは確かに便利です。

 今回の事案でまず直撃をくらったのは冒頭出てきた社労士さん。僕のお客さまに素敵なクリスマスを迎えていただくためにこいつを少々脅す必要があり、内容証明など使うまでもなくファクス一通で所期の効果を得ることができました。このほか本件では債権仮差押命令申立も僕が代理したのですが、裁判官面接で

裁判官:被保全権利と保全の必要性はわかりました…で、

どうして名古屋の方が?

という発問がまず最初にありました(笑)このほか数問のお尋ねはいずれも、申請の適否それ自体にはほぼ無関係。

聞けばこの仮差押命令申立を行った東京高裁管内某簡裁、仮差押の申立自体が年間30件弱ということもあって担当書記官さんによれば

「司法書士さんが代理での申立自体、今年初めて見ました」

とのこと。僕の簡裁代理権はいまのところ、主として遠隔地の裁判所で騒動を巻き起こすのに使っています、と言わなければいけません。

とはいえせっかく手に入れたモノですから、来年はこれらを一層よりよく使って楽しく仕事をしたいですね。幸か不幸か未解決のままで越年されるお客さまには、来年も引き続きお付き合いください。あなた自身が来年をよい年にするために。

そして現在当事務所への依頼を検討中の方々には、当事務所経営安定化基金の運用が今後も好調であることをなにかのついでに祈ってください…
ある日突然僕が『明日から出張は新幹線グリーン車利用、日当は1日8万円、訴訟代理の着手金は最低10万円払え』などと世間並みなふざけたことを言い出す未来が、永遠にこないように(苦笑)

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コメント

はじめまして。

ネットをウロウロしてたら、たどり着きました(笑)。

以前、総務の仕事をしていたのですが、知らない知識がたくさんあって本当に勉強になりました。

なんというか、微妙な毒舌(スミマセン)と生々しい実例がマッチしていて、久しぶりに、ちゃんと記事を最後まで読めました。

また、寄らせていただきますね。

ではでは。

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