調査は誰が?何のために?
ネットカード株式会社(本店:東京都墨田区)に対する過払い金返還で手こずっているのか、ときどきこうしたキーワードで当ブログを訪れる方がいらっしゃいます。僕の事務所では今年初めに判決を取った事案が一件あり、同社の銀行預金口座に対して債権差押命令申立を行っています。
残念ながらこの債権差押命令については、他のご熱心な同業者さん(債権者&代理人は関東から関西までさまざま。頑張ってる人は頑張ってるんだと納得しました。)3件の差押えと競合となり、銀行側は供託を行ってこれの配当を待つ状況となっています。さらに言うと、僕のお客さまが今回請求債権とした金額と他3件の請求債権額合計はおおむね1:8程度になっているため、銀行口座にたまたまあった何十万円かの預金のうち、多くても9分の1程度が分配される見込みです。
つまり、同社に対しては和解しても強制執行してもかなり不本意な結果が出ることは否定できません。
さて、この会社に対して東京商工リサーチのtsr-van2で検索をかけてみたところ、今年4月1日付けで新しい調査が入ったことがわかりました。それ以前の調査のデータに記載されていた銀行のほかに、なぜか中部地方の地銀と四国地方の地銀の東京支店が取引銀行に追加されています…被差押対策での取引口座分散ではないはず、ですが。
ところでこの東京商工リサーチの調査、新規に発注すれば3~5万円程度のお金がかかります。数十万円程度の過払い金の回収で支出できる調査費用ではないので、別に明確な意思を持った誰かがなにかやってると推定するのがよいはずです。
当ブログの2月6日付けの記事で、今春2発目の債権者破産申立をくらった●●コーポレーションに1月7日付けで調査が入った旨記事にしました。あのときには、そのあとほんとうに債権者破産になだれ込むとは思ってもみなかったんですが…
ここから先についてはなんらの憶測も申し述べることはできませんが、ともかく注意深く観察したいと思います。
なお、司法書士・弁護士を選任せずにネットカードに対する過払い金(不当利得)返還請求で勝訴判決の取得に至った人がいずれ検索で来るでしょうから申し上げますと、この会社は判決をとっても向こうからお金を払ってくることは期待できず、銀行預金口座を差し押さえても他の差押えと競合するため請求債権額のごく一部しか分配を得られない、という状況にあります。なお銀行預金口座については東京商工リサーチ・帝国データバンク等の調査を閲覧できるサービス(@niftyの企業情報検索など)を利用すれば、銀行名と支店名(つまり、差押申立に必要なデータ)をいちおう入手できます。複数あるどの口座に残高があるかは当然わかりませんから、差押の成否ははっきり言えば運次第となりますので、ご承知おきください。
いま、誰にでもできるやりかたで(つまり、普通の人にもできるやりかたで)この現状を何とかする研究を行っているのですが、これをはっきりさせるには次回の東京出張を待たねばいけません。いい結果が出れば公開します。
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