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今月最後の裁判書類

 6月もあと一週間となりました。6月28日夕方から7月1日午前中まで出張に出るので、今月しなければならない仕事は今週中に終わらないといけません。あと一つ準備書面と陳述書を作ったら、今月の書類をつくる仕事はおしまいです。

 しかし。こいつが少々面倒です。

 ダイヤモンドの鑑定とはどういうものか、を裁判所に対して説明せよ、というのが今回のミッションなのです。お客さまに対する事情聴取を複数回と県立図書館での資料収集を経て、なんとか読めそうなものができそうだ、との感触は得ています。

 警備会社の社長から業務委託契約で働くキャバクラ嬢までいろんな人の労働相談を受け、そのうちのいくつかを訴訟にし、さらにその不運ないくつかは当事者尋問の準備として陳述書の作成が必要になってきます。このときに厄介なのが、その人の働くありさまを裁判所に対して過不足無く適切に説明できるか、ということです。事案ごとに資料収集・事情聴取・はたまた現地調査にと陳述書一つ作るのもえらい騒ぎになってきます。そうした作業に疲れたときにふと思ってしまうのが

 僕ってなんでこんなことやってんだろう?

 特に相手側当事者の代理人が、いかにも手抜きな陳述書を出してきたときにはそう思わされます…こいつはお客が書いた書類をそのまま(ノーチェックで!)出してきてるよなぁ、と。

 もちろんそうした手抜き仕事が吹き飛ぶのを見られるという楽しみがあるのでほとんどの場合、努力はちゃんと報われる(ただし経済的にではない)のですが、一つの事案が終わるたびにいろんな雑学的知識が増えていくような気がします。

 ところで県立図書館をさまよってたときに、この本を見つけました。

ダイヤモンドの鑑定知識をめぐる三冊と厚生年金基金に関する二冊を借りて、枠が一冊分余ってたので思わず借りてしまったのですが、さて旅先のいろんな街でテレビやラジオのCMを流してるこの著者の大ローファームが一体なにを目指すのか、が書いてあります。以前もこの著者の本を紹介したとおりの内容でして

  1.  弁護士業界は生産性が低いから
  2.  分業とIT化で生産性をあげれば
  3.  収入は上がるし少額な事案でも対応できるようになる

 というもの。しかし、こんな一節があります。

『離婚問題のポイントは5つなのである。相手の話を延々と聞くのではなく、その5つのポイントにかかわる話しを弁護士のほうから主導して、聞き取りを行う。相手の愚痴などを長々聞く必要はないのである。』(眠れる二〇兆円マーケット 西田研志著 63ページ)

 オイちょっと待て(失笑)
この商売の恐ろしいところは、実に他愛もない、あるいはなんの関係もない対話から問題解決の糸口がでてくるところにあるはずです。彼の著書にしたがってこうした事情聴取業務をポイントを絞ったりウェブサイトのフォームを整備したりコールセンターのお姉さんたちに任せちゃったら…その先どうなるんでしょう?

 やっぱり僕は一件一件の仕事で丁寧に、依頼人の世界に近づく営みを続けたほうがよさそうです。先だってお客さまとの無駄話のなかから、数ヶ月前にはお客さまが気づいてなかった差押可能財産の存在に思い至って青ざめている代書やさんとしては、もう少し上記著者がいうところの無駄な世界の生活をエンジョイするとしましょう。

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