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2009年4月

5月の出張予定

 今年は1月のファイナンシャル・プランニング技能士3級にはじまって6月の簡裁代理権取得のための考査、9月受験予定のファイナンシャル・プランニング技能士2級と、ここしばらくやっていなかった受験勉強と受験をまとめてこなさなければならないことになりました。無事に勝ち抜いてしまえば来年には請求額140万円までの訴訟が代理できるファイナンシャルプランナー司法書士ができあがるはずですが、この一連の勉強のために最近ブログへの投稿が減ってきています。

 そうしたこともあって今年は9月まで、右肩下がりの普通預金残高を横目でにらみながら新しいご依頼も減らしぎみにしております。ここ数日で県外からのお問い合わせがいくつか入っているのに対しては、これまでならその人の都合に合わせて出張を設定していたのですが、これをこちらの既存の出張日程に合わせてもらうよう提案をしています。

 いいことなのか悪いことなのか、これで半分以上のお客さまはあっさりとほかの相談機関を選びます。会ったこともなければお金を払ってもいない人間が遠方からやってきて自分の都合で動く、と認識している人が結構多いことに少々首をかしげてしまいますが、ご依頼の量の調整としてはこれくらい許していただきたいな、と思っています。もちろん当事務所に来ていただける方・交通費を出していただける方についてはご依頼に応じています。

 さてさて来月の出張は、上旬に東京へ、まだ未定ですが中旬ごろに姫路までが決まりになりました。東京についてはゴールデンウィークの谷間である5月7・8日で、いつも通りに第一ホテル両国の予約をとったところです。姫路については日程をまだ決めていませんが、何かほかの予定と組み合わせることになるだろうな、とぼんやり考えています。

 これまでならこうした日程未定の出張について、ある程度積極的に全く新しいお客さまの意向も聞いて決めていたのですが、その分調整が煩雑になっていました。しばらくの間は、少しだけ不親切になってみようと思います…まぁ日程さえ合えば東京だろうが大阪だろうが交通費の請求がかからない、という状態は維持されてますので、ほかの事務所とは比較すること自体まちがってる(失笑)んですが。


今日の明るい話題。

 労働訴訟で、簡易裁判所から地方裁判所へ裁量移送される事案が発生しました。今年第一件目です。

 -そのどこが明るいんだコラ-

 …と代理権に思い入れのあるセンセイ方から突っ込まれそうですが、こっちが何も言わなくても精密な審理を要するものと簡裁判事が見切ってくれることはそれ自体よいことです。少なくともこの事案では、どんぶり勘定で和解になだれ込まれるよりずっといい。

 これまで裁量移送された訴訟では常に被告側に地方裁判所でも訴訟代理ができる人が付いていたので特に心配がなかったんですが、この『請求額140万円以下の労働訴訟でも全力で殴りかかったら地裁に飛ばされる』可能性について、業界団体が出してる本としては唯一体系的に労働紛争について記述した本である下記の書物に、ほとんど記載がないのがすごく気になります。たぶん、あんまり裁量移送の決定をくらったことがないかそれを喜ばしいとは思わないお立場の方が書いたんだとは推定しますが…いずれにせよこの本、もし購入を迷ってるならやめといたほうがいいです。自分が持ってる資格や立場さえ無視してしまえば、ほかにいい本はたくさんありますし、まして最初の一冊としてはいささか中途半端で結果的にお金の無駄になりかねません。

最近いろんな司法書士さん達とお話をすることが少しずつ増えていろいろ考えさせられるのですが、やっぱり自分が司法書士(あるいは、自称法律家)であることから自由な人ってあんまりいないもんだな、と少し物憂い気分になりながら…FPの勉強にいそしんでいます。

↑この本をおすすめする趣旨ではありません

答弁書がこない -それは焦らしのテクニック?-

いつも思うのです。司法研修所または法科大学院で

 しめきりはまもろうね

って受講生どもにきっちりたたき込んでおいてくれないもんか、と。あるいはそれが実現される日が、この国における司法制度改革の最終の到達点なのかもしれません。

 実によくあることなんですが、来週火曜日が第一回口頭弁論期日の訴訟において被告側からの答弁書の提出がまだありません。裁判所から被告に送られる期日呼出状兼答弁書催告状には、答弁書は期日一週間前までに裁判所へ提出するよう明記されているものの、素人玄人に関わらずこれを遵守されるお方の割合は、半分より少し多い程度です。もちろんこれは、期日間際になってようやく専門業者に相談に及ぶ依頼人達にも大きな原因があります。

 が、しかし!

今回のお相手にはすでに裁判外で●●士が代理人に就任しています。よって会社への訴状到着と同時にそいつのところにかけこんだと考えねばなりません。そうすると。

 現時点における彼らの沈黙の理由が説明できません。ああ。

 しょうがないからこっちは悶々と到着を待つしかなく、あとは期日の前日に裁判所に確認することとそれでも未着の場合には紙ッペラ一枚の内容のないような答弁書が出てきて認否は1か月後に先送りだよ、とお客さまに(いつもどおり)申し上げるしかなくなります。お客さま方はとても納得いかない顔をされるのですが、さすがにこうしたことは裁判所のホームページにも書いてない。もちろんこれから出てくる答弁書がもし本格的なものであっても、とにかく第一回期日に無理矢理降ってくる和解勧試さえ振り切ってしまえばきっちり反撃できます。とにかく訴訟とはそういうもんだ、とお客さまに言っている自分がこの業界に染まってきている気がして、ちょっとイヤだったりもします。

 さてさて少々ブログをお休みしておりました。今週はどこにも出張の機会がなかったのですが、その代わりに司法書士会支部の新旧評議員および支部長さま方の集まりに出る、という貴重な体験をしてきたところです。

 実は今期から2年間、支部の(すでに対応する法務局出張所が消えている)鳴海ブロック評議員とやらにならなければならないことになったのです。まぁ要するに下っ端・兵隊・使いっ走り・その他大勢(以下略)といった役回りらしいのですが、

 そうでなければクーリングオフしてよろしゅうございますか

と前任者さまに聞いたら笑って却下されました。もちろん選挙でなるはずのものなので、ほかに候補がでなければという条件付きでの内定なんですがね。ただ、先月までの特別研修でチューターをお勤めになられた大先生が副支部長に、さらにそのお師匠さまが支部長にという体制であるらしくとっても居心地がよさそうですよ(遠い目)

 この支部長候補の大先生と午前一時過ぎまでお酒をご一緒していろいろお話したところ、なかなかに特徴的なお方のようで僕を評して曰く

  •  あんたは…イイ
  •  馬鹿ーっ!

 要約すれば以上のありがたいお言葉をそれぞれ複数回賜りました。いずれも原文通りであります。この酒席において話したことは、僕にとってはいつものしごとの話し、だったんですがねぇ。ともあれ、今後僕はこれまでより多くのひとの思惑の対象となるようです。もちろん任期の二年、この事務所を存続させなければならないというのが最大のプレッシャーなんですが。

並べて・束ねて・付番して(代書やさんのDocuWorks その6)

 昨日の記事にさっそく友紀さんからコメントが入りました。曰く『そんなにかたく考えるな』と。

 あっはっは(笑)

 どうもありがとうございます。あまりにも当を得た言葉って笑って受け入れるしかないもんですね。参りました…

 さてさて女子高生さんに軽~く一本とられてしまう微妙な司法書士が愛知県名古屋市からお送りしております『旅行書士雑記帳』。今日は久しぶりに『代書やさんのDocuWorks その5』のつづきです。例によってアフィリエイトへのリンクを貼っておきますが、ヤフオクであれば一つまえのバージョンがこれより安く手に入ります。

 前々から考えておりました今回以降の記事では、DocuWorksを使って訴状を作っていこうと思っています。事件袋を一掃する計画は徐々に進んでスキャン枚数は8000枚を超えた!んですがDocuWorksの持ってる芸は文書の保管に限られませんから。

 たとえば(当事務所ではここ3ヶ月ほどやってない)過払い金返還請求訴訟を考えてみましょう。裁判所に提出する訴状一式をどうやって作っておいででしょうか。一般的には

  1. 取引履歴を取り寄せて入力して過払い金を計算・または業者に外注して作表。表計算ソフトを使用し、3部印刷
  2. 確定した過払い金額を請求の趣旨をはじめとする何カ所かに入れ込んで訴状作成。ワープロソフトを使用し、3部印刷
  3. 取引履歴はコピー機で三枚ずつコピーして赤いゴム印で『甲第 号証』と押して番号は手書きし、ページを正しく並べてホチキスで綴じる
  4. 1.と2.を手作業で組み合わせてホチキスで綴じて、できあがり

 専用の業務支援ソフトを使わなければ、ざっとこんな感じでしょうか。ただこれですと、ある訴状ができあがった時点でワープロソフトのファイルと表計算のソフトとコンピュータに収容されてさえいない証拠書類の固まりが存在することになります。

 そこで、DocuWorksについている『DocuWorks Printer』を使ってみます。これはDocuWorksをインストールすると一緒にインストールされるプリンタドライバで、上記の表計算ソフトやワープロソフトでの印刷時に出力先のプリンタをいつもお使いのプリンタではなくこちらにすると、DocuWorksが立ち上がってそのなかにDocuWorks文書の形で収容されることになります。出力時にDocuWorksの特定のフォルダを開いている場合にはそのフォルダに入りますので、進行中の事件については一事件に一フォルダを用意しておいて、

  1.  スキャナで取り込んでDocuWorks文書にした取引履歴等証拠書類
  2.  DocuWorks PrinterでDocuWorks文書にした訴状(ワープロソフトで作った文書)や計算書(表計算ソフトで作った文書)

 これらを同居させると、事件に関する書類はすべて一つのソフトで閲覧できることになって過去の事件を探索するようなときにも便利です。また、違うソフトで作った文書をいったんDocuWorks文書にすることで、文書に対する並べ替え・文書の分割や結合・連番や文字の記入ができるようになります。

 まずワープロソフトからDocuWorks文書にした訴状と表計算ソフトからDocuWorks文書にした計算書を束ねて、訴状→計算書の一続きの文書にしてしまいます。この束ねたDocuWorks文書をいつもお使いのプリンタで3部印刷すれば、ワープロと表計算からそれぞれ出力した文書を人力で並べ替える作業が省けます。

 なんだそれだけかよ、と思われるかもしれませんが…

 複数の業者に対する請求を主観的併合させて、複数の計算表を添付した訴状をたくさん出力したい場合に、これで結構楽になります。

つぎに証拠書類。これにつける甲号証の番号にゴム印+手書き、というのはもう全業界的お約束になっているかのようです。しかし、当事務所にはこのゴム印がありません!

つまりお金がないの、という冷静な考察を避けて話しを進めます。

 一社のみに対する過払い金返還請求で、添付する証拠は甲第1号証のみ、というものであればゴム印に手書きでも十分ですね。しかし1か月ごとの利用明細を70ヶ月ぶん送ってくる信販会社とか、僕のいつもの仕事なら時効消滅前2年分24枚のタイムカードとか、連番を膨大につけることになったらコピーゴム印手書き、だと結構な時間と労力がかかるはずです。こうしたときにDocuWorksを使います。

 スキャナで取り込んだ10枚の文書に、甲第1号証から甲第10号証まで連番をつけたいとします。スキャンした文書を開いた状態で、『文書』→『見出し・ページ番号の設定』を選択し、『ページ番号』のタブをクリックします。

書式の欄に

  1. 甲第#号証と入力し(#は半角で)
  2. 位置は上
  3. 位置揃えは右揃え

『フォント』のボタンでは

  1. フォント名をMSゴシック
  2. サイズを14~16ポイント
  3. 色は赤
  4. 背景と重なる可能性があれば必要により背景色を白(こうすると、甲号証と書いてある部分だけ元の画像が見えなくなります)

これで、#とした部分に連番が入ります。つまり書式の欄に甲第1号証の#と入力すれば、甲第1号証の1以降の連番が入るわけです。これで、甲第70号証だろうが100号証だろうが別表1-1だろうが連番なら平然とつけられます。

 こうして連番をつけたDocuWorks文書をプリンタで印刷することは当然できますが、このDocuWorks文書をプリンタではなくさらにDocuWorks Printerに出力することもできます。見かけ上はまったく同じ文書ができあがりますが、連番をつけた部分はもう編集できなくなります。記録として保存するため安易に改変できないようにするにはこうしておくのがよいでしょうし、連番を多重につけるために使うこともあります。

 具体的には労働者A、B二名についてそれぞれ10ヶ月分の割増賃金を請求する際に、各月の勤怠実績を表にまとめて労働者Aについて別表1-1~10、労働者Bについて別表2-1~10とする場合。

上記二つの別表の連番をつけたあとでDocuWorks Printerに出力して、二つの文書を束ねます。さらにこれを訴状と一緒に束ねて、訴状から別表2-10(つまり、訴状の綴りの最終ページ)まで通しでページ番号をつけることができます。この文書には、別表につけた連番とページ番号としての連番が混在するわけです。複数業者への過払い金返還請求を主観的併合でおこなうときにも、各取引履歴の計算書と訴状の綴り全体としてのページ数という連番が必要になることもあるかもしれませんね。こうしてDocuWorks文書をさらにDocuWorks Printerに出力できるのはなんだか変な感じもしますが、馴染むといろいろな使い方が考えつきます。プリンタへの出力をおこなってからページの配列を整えるのになんらか人手を要しているタイプの事務所なら、DocuWorks導入でだいぶ幸せになれると思いますよ。

訴状、北の国へ

 名古屋から出すエクスパック500が翌日到着しない、北の国。人口よりも乳牛の数がおおいその町に小さな裁判所があります。

 釧路地裁管内の裁判所に、少額訴訟を起こすことになりました。もちろん労働事案です。

 例によって労働基準法第114条の附加金の請求が訴訟物の価額に算入されるのか、さらに予納郵券の組み合わせを裁判所に尋ねます。予納郵券については『券種の組み合わせは問わないが、とにかく1050円×4組』という…いままでに聞いたこともないような柔軟な回答が帰ってきます。50円切手84枚納付したら嫌われるんでしょうか(冗談です)

 附加金については、少し戸惑った気配が伝わってきます。しばし保留の間があいて、調査のうえ折り返すとのこと。15時前に電話を入れていたのに16時を回っても返事が来ません…どうしよう?

 夕方までに集配郵便局に差し出せなければ到着がさらに一日遅れます。ままよ、とばかりに訴訟物の価額と貼用印紙額欄をそれぞれ空欄で出力し、三部そろえてエクスパックの封筒を閉じた3分後に市外局番01●●の電話!

 見てるのか?どこから見てるのか?と苦笑しながら電話に出れば、まぁ許せる返事が返ってきました。曰く、『附加金は訴訟物の価額に入りません』と。その独立簡裁だけの見解がこんなに遅いはずはないので、おそらくは釧路地裁管内はそうなんだろうな、と推測します。請求額20万円弱、さらに同額の附加金請求をつけたその訴状に必要な印紙代は、2000円となりました。

 さぁこれで筆者が知る限り、附加金を訴訟物の価額に入れるのは名古屋地裁管内各裁判所と大阪地裁堺支部(平成19年時点。大阪地裁本庁は不算入)だけという状況です。このほか福岡・奈良・横浜・東京・さいたま各地裁では附加金は訴訟物の価額に入りませんので、名古屋地裁管内だけがちょっと特殊ということになります。


このことは、たとえば100万円の時間外労働割増賃金未払い事案において司法書士が代理して訴訟を起こす場合、名古屋では附加金請求ができない(訴訟物の価額200万円となり、晴れて地裁労働部デビューになってしまう。当事務所ではめでたいことと認識されるが代理権を生かしたい諸先生には致命的となる)のに対し、東京や大阪なら大丈夫、ということになります。司法書士の簡裁代理権を論じるうえでもっとも恐ろしい不平等の一つであるはずですが、本県においてそうしたトピックスに接したことはないということは…まさかだーれも困ってないってことなんでしょうか? 

閑話休題。


 かくして当事務所における最遠距離依頼人of The Year(苦笑)の座をほぼ確実なものとされたこのお客さま、書類作成開始にあたっては当事務所規程どおりに請求額の4%、債権回収完了時に回収額の7~14%の料金をいただく契約になっています。

 つまり附加金請求が通らなければ、僕がもらえるお金は最大で3万5千円。

 ところで。

 実はまだ、少額訴訟で当事者尋問をやった事案をみたことがありません。そもそも少額訴訟として依頼を受けることがほとんどないことと、被告側が嫌がらせ的に通常訴訟へ移行の申述をしてくるのが理由です。

 しかし。

 見たことがない現象が発生したときには交通費自腹で見に行く、という服務規程があるこの事務所で、もしこの事案がそのまま当事者尋問になだれ込むようなら…?調べによれば

  • 名古屋から苫小牧まではフェリーで往復22500円(B寝台使用時)。
  • 苫小牧-札幌-釧路は高速バスを用いると往復12540円。

 よって釧路までなら35040円。すでにこの時点で赤字確定なんですが、目的の裁判所へはさらにバスで(笑 以下略)。でもこれ万一被告が出頭して少額訴訟のまま審理されるということなら、行ってみようと思っています。行きたいような行きたくないような…複雑な心境です。

 さてさて昨年度最遠距離依頼人にしておそらく最年少読者の一人である南の国の友紀さんからコメントをいただきました。ありがとうございます。ところで、少し見ないあいだに友紀さんは、『本をたくさん読む人』の文章に書き味が近づいているように思えました。僕としてはコメントの内容よりもその変化のほうが嬉しいと思っています。

 ただ、この事務所では債務整理のお客さまをなりふりかまわずかき集めることもそうした事務所から依頼の紹介を受けることも、今はもうしていないんです。我が国における近代的裁判制度の歴史からすればほとんど赤ん坊に近い司法書士による簡裁代理権制度は、導入後まったく偶然に過払いバブルに遭遇したおかげでいささか歪んだ成長をとげつつあるのかもしれません。この数年間は本当なら弁護士相手にひるまず訴訟代理をやって経験を蓄積すべきところを、手っ取り早い金儲けに走る方法を知ってしまったのではないか、という恐れを抱いて業界の現状を眺めています。

 その歪みが破断する寸前がいまのテレビコマーシャルや車内広告の氾濫なのではないかと見ています。お住まいの県でも東京や大阪の司法書士・弁護士事務所のテレビコマーシャルがいくつか流れていましたね。ただ困ったことにはそうした事務所の広告やウェブサイトはどうしても、この事務所のそれより目に入りやすく見栄えもよい(爆笑)

 たとえばウェブサイト構築のテクニックとして、『依頼人に(なかば無理矢理に)業務への感想や担当者への感謝を手書きで書かせて収集し、公開する』という手法があります。おちついて画像をみているとわかる(書式が統一されていたり、正直なお客さまが『書いてと言われたので書いた』などとしているものもある!)のですが、困っていれば、あるいは自殺寸前なら、そうした子供だましならぬ大人だましの手練手管を真っ当なウェブサイトと区別しろと言う方が無理です。

 そして、広告やウェブサイトで集めたい楽して儲かる依頼=大手金融業者相手の多額な過払い案件、は着実に減っているから楽して儲けたい嗜好の人達はより一層営業活動を強化しより洗練された(だまし方として、かもね)方向に向かって競争していくことになります。こうなると、どうあっても儲からなくなる限界まで競争参加者はみんなでエスカレートしていくことになりますから、ここしばらくの間はとにかく商売熱心な事務所の集客能力だけが、その事務所のサービスの品質とは全然関係なく拡大を続けると見ています。そうした事務所のいくつかは、友紀さんの言葉を悪い意味で使えば『正義の味方的に』みえてしまうでしょう。

 誰が正義の味方なのか、は何が正義なのか、を考えないと語れないし、それはこの商売を続ければ続けるほどわからなくなってくる、ということで実は使いたくないし言われたくはない(別に気を悪くしているわけではありませんよ)言葉なんです。

 たとえば多重債務者に家を貸している人がいるとして、多重債務者が破産すれば未払い家賃債権が吹っ飛ぶ、ということがあります。

  •  ではこの多重債務者を破産させるのは、世の債務整理依頼誘致型安直ウェブサイトや下のわかりやすい題名の本が声高に主張するように債務者の当然の権利なんでしょうか?
  •  家賃を滞納されている家主さんが実は年金生活者で、この収入が重要な生活の糧のひとつだとしたら?

この本をおすすめする趣旨ではありません

 僕だったらもし家主側から依頼を受けたら、労働事案と変わらない知恵と労力を投じてこの多重債務者を追い込みます。ではこれは正義に反するのかどうか?

 考えていけばいくほど難しいんですね。でも考えることは止めたくないと思っていますし、多重債務者救済をうたいながら営利事業に邁進するくらいなら年金相談とファイナンシャルプランニングに専念したほうがまだ胸を張って生きて行けそうです。そうしたことも、一度失敗して営利事業型の事務所とくっつく寸前まで行かないとわからなかったのだから、我ながら困ったものです。もっと悪いのは債務者側でも債権者側でもまともな仕事ができないヘタレな奴でして、上記の事例のもとになった現実の事案では家賃債務者は破産せず商工ローン業者に過払い金返還請求訴訟を起こしていたのですが、その訴状を作成し原告を指導していた司法書士はなかなか●●な奴でして、口頭弁論ごとに被告代理人弁護士から和解金を数十万円単位で値切られていく様を青ざめながら傍聴していたことを思い出します。でもそのセンセイ、ウェブサイトを見るかぎりでは正義の味方的でしたよ。

 そうした現状下においてさしあたっては『誰もが裁判手続きを、費用的にも品質的にも適切なかたちで利用できる世の中を目指すこと』あたりまでは万人が認識を共有できる正義だろう、と思っていますので…つい着手金1万円未満で訴状作ったりしてしまうんですが、経験になるからといって自腹でどこへでも傍聴に行ってしまう、などということをしてしまうと経営上は打撃なわけで、僕に対する賃金債権をお持ちの補助者さまからすればちょっと心配になってしまうかもしれません。よってこうした出張を、正義とは言わないまでも強い正当性を主張しながら実施することはできません。そうした経営上は間抜けな儲からない行為を日常的に行うことはたぶん、正しいこととは言えないはずです。目の前にいるお客さまの様子と自分の懐具合と六法全書と…あとは敵対当事者がどれだけ気に入らない奴か、を悶々と考慮しながら何をどれだけやるかを決めている、それをときには正義の味方と言う人もいれば上から目線で見る奴もある、というところでしょうか。

 ただ、このコメントを見た僕の事務所の素敵な補助者さまの言によれば、友紀さんは素敵なお客さまだそうですよ。僕もこれには同意します。

 何が正しくて何がそうでないのか、を僕が考え続けるにあたって補助者さまは実に貴重な存在なんですが、友紀さんもなにかいい考えがでたら教えてくださいよ。もちろんお客さまをご紹介いただくのもいいんですがね(笑)

大阪で見た興味深いもの

 昨晩、奈良県宇陀市内で山火事が発生していたことは読者のほとんどの方がご存じないと思います。たまたま現場と時間が、昨日20時大阪難波発のアーバンライナーを非常停止させるにぴったりなものだったらしく、全面展望のよい先頭車両からは火災現場が見えたとか。

 おかげで大阪からは、所定より50分ほど遅れて帰ってくることになりました。やってる仕事は見方によっては借金体質な敵対者をさらに追い込む面がありますが、だからと言って依頼人にかわって天罰を受ける代理権はないはずなんですがね。

 さてさて、どこかに出かけた先の公共交通機関で、債務整理の広告を探すのがすっかり癖になってしまいました。大阪市営地下鉄は素晴らしい状況になっています。

4扉車の、扉と扉のあいだ(扉が4箇所あるので、扉の間は3箇所)だけで債務整理の広告が4枚出ています。この区画にのみ集中したのだとしても、一両では8枚以上出ているようです。

無遠慮に比べてしまうと、これが京阪電車なら一両に1枚か2枚。

東急電鉄なら一両に1枚か、ゼロ。阪急もそのくらい。

東武・阪神は、一両に3~5枚。東急や阪急から見れば多い方だと思います。地域格差と言っては身も蓋もないけれど、並走したり相互乗り入れしたりしてるとつい比べてしまいます。

ちなみに名古屋市営地下鉄は一両2~4枚でしょうか。福岡市営もほぼ同じ。

明らかに大阪市営地下鉄の、あの債務整理の広告の多さは顕著です。それも、ここ1~2ヶ月で新しく広告戦線に参戦した司法書士事務所がある感じ。扉と扉の間の壁面の広告は、

債務整理-英会話-おまとめローン-債務整理

みたいになってます。あきらかに同時に視野に入る位置に同一の業種の広告を入れてしまっていて、これでは広告効果も減殺されやしないかと思ってしまいますが、結局そうでもしないと(つまり、ひたすら広告を増やさないと)依頼が取れなくなってきた、ということなのかもしれません。

なんとなく、バブル崩壊直前の競争あるいは狂騒を見ている気がします。この事務所のウェブサイトに出してある広告にはときおり弁護士法人A(先月名古屋に事務所(彼らは支店と言いますね)を新設された、あの法人です)のPPC広告もありますが、この宣伝文句に新しいものが出てきました。曰く『過払い金が返還されなかった場合には着手金を返金する』というもの。一見すれば良心的。しかし。

 裏読みすれば、依頼件数はきっと膨大なあの事務所でも、そろそろ過払い金奪取に失敗する可能性に備えておく必要を感じているから、そうした表現になったのではないか、と考えてしまいます。

 難波に行ったときにはなるべく向こうのジュンク堂に寄って法律関係と投資関係の書棚の配置をチェックします。上記の認識で見たからかもしれませんが、債務整理関連の素人向けの本がいささか書棚で場所を狭めてきた気がします。

 さらに楽しいのは投資関係の書棚です。みるからに単純な現物株投資を得く本(『タコでもできる株式投資』とか、そうした軽いタイトルと内容の本)が目立っていたのは昨年春あたりまでで、このあたりから夏にかけて書棚における勢力を減らしてきてリーマンショック発生、その後、その場所の本は去年までの『主婦が株式で10万円を1000万円に増やした必勝法』から『フリーターでもできるFXで5万円を2億円にする黄金律』といった方へ、つまりFX・CFDといった差金決済取引を安易にすすめる本が本棚で異常に増えています。

 するとそろそろこっちも…間抜けなゴミ投資家が軒並み吹っ飛ぶような大事件が勃発するのかもしれません。投資をすすめる素人誘惑本が書棚にあふれるようになったら相場もそろそろ手じまいを考えることにしています。もちろん差金決済取引では売りから入ることは可能ですので単に相場が大変動しただけでは、誰かが大損するぶん反対のポジションを持ってる誰かが大儲けできるだけ。

 さてそうすると、差金決済取引をしている投資家が打撃を受けるような相場の動きってなんだろう?

 いろいろ考えてみたら、強烈な乱高下を演じて結局もとの価格水準に戻ってくれば、ストップロスや強制ロスカットでたくさんけが人が出そうです。まさかね、とは思いながらも、あの本棚とあの広告は、饗宴のおわりを告げているような気がしてなりません。とりあえず先週、手持ちの株で利益がでているものをあらかた処分して、あとは塩漬けするもの(失笑)と株主優待がもらえればよいものだけにしてあります。

葛藤もあれば欲望もある

葛藤もあれば欲望もある
もちろんそのほかいろんなものも持っていたり託されたりしておりまして…

現在、伊勢中川駅北側の短絡線にいます。向こうに見える伊勢志摩ライナーの通過を待って、難波へ向かうところ。

携えるのはある裁判書類。作戦上の要請から実費交通費完全後払いで特急料金免除のご依頼です。

おかげで昨日は、本当に困った状態の当事務所を補助者さまに見せることになってしまいました。彼女の労働時間が8時間にだいぶ近づいて、そういえば三六協定結んでなかったな、などと場違いに焦ってみたり。

順当に積算すれば特急料金抜きでも●万円以上請求可能な仕事をその十分の一以下の設定で、しかも特急扱いでやってしまう情景をリアルタイムに人に見せたら、そりゃ心配されるよな、とも思います。『司法書士なんか、なんの力もないで』と言い放った相手には大分やる気を貰いましたが(笑)それだけでは、まして正義感だけではないことも確かです。

電話を録音するには

 労働相談をしていると月に一度は、会社側に内容証明などによる催告をするまえに電話での会話内容を録音しておきましょう、と助言することがあります。

 しかしながら、そうしたお客さまの大部分は電話での会話を録音する方法をご存じありません。その都度説明するのも面倒なので、というよりこうした手法について知りたい方もたくさんおられるだろうと思って、説明をしてみます。なお、労働紛争の現場でいつどのように何を録音するのか、は訴訟戦略にかかわる問題なので、ここでは触れません。

1.必要なもの

1-1.電話(あたりまえですね)

 固定電話でも携帯電話でもかまいません。電話機それ自体に録音機能を持っている場合にはなにも考えずにそれを使います。もちろん、以後の説明は一切読む必要がありません。

 録音機能の次に必要なのは発着信の履歴を画面に出せることです。必要があればその画面の表示を写真に撮っておき、その番号との間で会話をしたことを記録します。

1-2.録音機材またはそれに代わるもの

 これまたあたりまえですね。相談者ごとに所持している・または動員できる装備が異なりますので場合分けして説明していきます。

2.録音機材について

2-1.ICレコーダまたはテープレコーダなど、マイク入力端子を持った録音機器(パソコンを除く)を用いる場合

 テレホンピックアップを購入してレコーダのマイク入力端子に接続して録音することになります。テレホンピックアップは、電話での音声または電気信号を拾ってマイク入力端子への信号として持ってくる装置で、次の二種類に分かれます。価格は二千円弱~四千円で、ホームセンターで売っていることが多いです。

2-1-1.マイクとして音声を録音するもの

 イヤホンのような形をしており、録音者の耳に挿してつかいます。この状態で受話器を耳に近づければ、受話器からの音声をマイクがとらえます。録音者の声もマイクでとらえます。固定電話であれば側音(録音者が送話器に話した声が、電話の構造上受話器に漏れてくる音)を受話器から拾ってもいます。下に示した品がその例です。受話器から音が出ればよいので電話を選ばないのが長所です。しかし、マイク部分と受話器がぶつかれば雑音となり、遠ざかれば音量が下がります。音質の確保に際しては、取り扱いに注意が必要です。

2-1-2.固定電話の配線に割り込んで電気信号を取り込むもの

 これは、部屋のモジュラージャックから受話器までの間で配線を分岐させる器具をつないで、電気信号の状態でマイク入力端子へ会話の内容を取り込むものです。よって固定電話を運用することが必須であるという短所がありますが、マイクによって集音するものではないので録音者の技量に関わらず雑音が入ったり音質が悪化する余地が全くないという長所を持ちます。ある場所の電話を常に録音できるようにする用途に向くと言えるでしょう。

 正確には配線のどこに割り込ませるかによって、以下の二つに分かれます。

 ・電話機-(テレホンピックアップ)-受話器

 ・モジュラージャック-(テレホンピックアップ)-電話機

 テレホンピックアップのところで配線を分岐させ、配線の一本をレコーダのマイク端子につなぐ形になります。

これらの各機材を買い足して、レコーダに音声を取り込むことになります。

2-2.マイク入力端子がないがマイクを内蔵している各種録音機器・パソコンに接続されたマイクを流用してパソコンで録音する場合

 専用の機材を買わずに実現できる可能性が最も高いのですが、音声をいったん汎用のマイクで拾わせる必要があるため、音質に注意が必要です。録音者の声はそのまま録音機材のマイクで取り込めますが、通話の相手の声をマイクで拾えるようにするには電話機にスピーカーホンの機能がついている必要があります。固定電話ではわりと一般的(民営化前のNTTが出していた安いプッシュホンにも装備されていた機能です)なので、固定電話がある人はまずそちらの説明書を当たってみましょう。ハンズフリー機能と言っていることもあります。

 これで、録音者の声も通話の相手の声も録音機材のマイクに届きます。スピーカーホンにはならないがボイスレコーダの機能を有する携帯電話は多いので、

  1. 固定(または携帯)電話一台をスピーカーホンとして使い
  2. 携帯電話一台をボイスレコーダとして使う

このようにすることで、特に機材を買い足さずに電話を録音することができます。ご家族や知り合いの持っている電話の機能を積極的に聞いて回って、よさそうなのを借り上げてください。よく探せば、家にスピーカーホンの機能を持つ固定電話が二台・携帯電話が一台・パソコンが二台あるなどというどこかの●●書士みたいな便利な知人に巡り会えるかも…しれません、よ?

3.録音機材がない、と思えるとき

 発想を柔軟に持ってよく探せば何かがでてくることがありますので、かんたんに諦めてはいけません。携帯電話がボイスレコーダの機能を持っていることがあるのはその一例で、これで助かった人は結構います。

 実家にお住まいの方なら、昔のラジカセが死蔵されていることもあるでしょうし、部屋にオーディオコンポがあってマイク入力端子がある、という人もいるでしょう。ただしこれらの場合にはカセットテープに録音されることになるので、訴訟の証拠に使うなら録音後速やかに複製するなりパソコンに取り込んでCDに焼くなりして、音質の劣化を防ぐ必要があります。

 次に有望なのはパソコンです。よほどのことがないかぎり市販のパソコンにはサウンドボードとマイク入力端子が装備されているため、パソコン用のマイクを買い電話機にスピーカーホン機能があれば録音可能になります。なお、上で紹介したソニーの製品は構造上パソコンに接続して使用可能なので、これを導入するのもよいかもしれません。

4.パソコンでの録音に用いるソフト

 Windowsには標準でボイスレコーダというソフトが付属してはいますが長時間の録音に耐えるものではありません。フリーウェアでこうした機能を持つものとして

 超録(フリーウェア版の連続録音時間は90分)

 audacity

 があげられます。いずれも、録音レベルの確認・調整ができたり波形が表示されるといった、ボイスレコーダより優れた録音機としてパソコンを利用するための機能を持っています。

 僕は通常、audacityを使っています。録音した成果に対する編集機能が豊富なためです。

5.録音成果の取り込みおよび反訳準備

 上記各機材で録音がすんだら、まず複製をとっておく必要があります。最終的に訴訟で提出するかどうかはさておいて、パソコンに取り込んでおくと複製・反訳が容易になり便利です。なお、録音成果を訴訟に提出する際にはカセットテープと音楽CDのいずれかが一般的に可能です。これは事前に、担当の裁判所書記官に確認しておいてください。音楽CDならCD-Rを積んだパソコンで作成できるので、この点からも録音成果はいったんパソコンにとりこむべきです。

 録音時間が長時間にわたるときには、反訳書の作成についてテープ起こしを支援するソフトを使います。

 Okoshiyasu2

 僕はこちらのソフトを使っています。好みのショートカットキーを定義して、音声ファイルの再生・停止・一定秒数の巻き戻し(3秒だけ戻る、など。これは結構使います)、再生速度の変更などができます。反訳書については、僕は表計算ソフトを使って録音した時間・発言者・発言内容をどんどん入力していくかたちをとっています。それで裁判所から別段の注文なりクレームがついたことはありません。ただし、立証活動上重要な箇所にはマーカーでチェックするなり文字の色を変えるなりしておくことと、適切な立証趣旨を記載した証拠説明書を添付するべきです。

…裁判所が反訳書のどこに注目するか知りたいため、わざとそうした作業をしない、というやり方があることも否定はしませんが、あまりおすすめしません。

6.おわりに

 以上によって録音からパソコンへの取り込みが終わったとしても、それで安心してはいけません。

 実は録音成果の反訳というのは、それはもう恐ろしく時間がかかるのです。自動車工場でのライン作業と一緒で、見学しているのと実際にやってみるのとでは難易度が致命的に違うと考えなければいけません。(まぁ、僕は三菱自動車の期間工を三ヶ月やっただけなのであまり殺人的なライン作業に従事してはいませんでしたが)

 おおざっぱな傾向として覚悟して欲しいのは、

  1. 理想的な音源で
  2. 標準語をゆっくりと話す普通の会話で

 最初は、録音時間の約10倍程度の時間がワープロ化した反訳書の作成に必要だと考えたほうがよいでしょう。ためしに5分やってみるとわかります。雑音だらけの飲食店で関西弁で押し問答、という会話を反訳したこともありますが、このときにはさすがに依頼人も含めてみんな●●になっちまえ、と本気で思ったものです(ごめんなさい)

 理想的な音源とある程度の打鍵速度を持っている人であれば、慣れれば録音時間の5~7倍程度の時間で反訳できることになります。いずれにせよ、30分程度の会話を反訳し終えるにはかなりの準備と根気が必要です。また、会話の内容を忘れないうちに反訳してしまうことも必要で、特殊な用語や人名などは他人が反訳すればわからないし、当事者でも何を言ってるのか忘れてしまうことがあります。業者に外注する、というのはお金がふんだんに使える人およびそうした人を顧客にする事務所のみに許された選択肢です。録音時間1分当たり、安くて200円弱、訴訟提出用で300円台の料金を取るのが一般的です。

 ちなみに当事務所では、上記関西弁反訳書の作成以後、反訳書の作成だけは別建てで料金をいただくことにしています。録音時間1時間あたり1万円としていますが、この事務所の料金体系では高い方に見えるかもしれません。しかし反訳書作成としては安い方だと思っています。

ただし!この作業だけは!

お金もらっても、イヤなんです(号泣)

重量半分速度1.5倍 お値段は…

 新しい中古のキカイを導入しました。6年前から使っていたA3判対応のフラットベッドスキャナを更新することにしたのです。

 更新前まで使っていたEPSONのES-6000Hはドキュメントフィーダ付きでヤフオクでの落札価格が当時10万円。今回例によってヤフオクで落札したES-7000Hはドキュメントフィーダはないものの、LAN対応のボードを装備して、たったの2万円です。出品者さんがなんらかの錯誤に陥って即決価格の設定をなした可能性もありますが(笑)右から左へ転売して1万数千円の差益を得るよりはうちの事務所で向こう数年、おとなしく働いてもらうことにしました。

 昨日導入と設定を終えた当事務所ひさびさの大型新人はなかなかの働きぶりを示しています。いちばん利用頻度が高いA4判グレースケール300dpiでDocuWorksへ文書を取り込む際には、ES-6000Hでは24.8秒かかっていたのがES-7000Hでは14.9秒まで短縮してきました。ドキュメントフィーダがなくなったこともあって、重さは30kg弱から13kgほどに減少。これで移動の際に腰を抜かす心配をしなくてすみます。A3判の文書を連続で取り込むことはほとんど無いため、別に高速なA4判対応シートフィードスキャナを持っていればドキュメントフィーダを装備していなくてもよい、と思ったのです。

 が、しかし。

 零細企業の常でしょうか。はたまたマーフィーの法則でしょうか。従前のスキャナを片付けたその日から、A3でスキャンすべき紙がわらわらとでてきました。

 事務所にたまった創業以来の事件袋を電子化して一掃する作業が佳境を迎えており、それらの中にお客さまが資料をコピーする際にA3判で渡してくれたのが…文字通りわらわらと出てきたのです。なるほどA3でもA4でもコンビニのコピー代は10円ですねぇ。

 う、うらみようがない(汗)

 今回の事件袋電子化計画では延べ数千枚の単票を片っ端からスキャンしていくことになっています。kodakのA4シートフィードスキャナが一枚3秒弱で片っ端から読み込んでくれるおかげでなんとか実施できる計画になったのですが、それでもあと何日かは補助者さまにがんばってもらう必要がありそうです。

 さて首尾よくOCR化を終わって全書類を収容できれば、全文検索可能な裁判事務ライブラリーができるはず、です。労働紛争における訴訟代理人の言い訳だけで単行本一冊にはなっていそう。そのほか是正勧告書から法人の民事再生申立書、果ては勾留状にいたるまで溜まりに溜まった書類たちを、あとはどうやって活用したものか。またゆっくり考えるとしましょう。

 今回つかったのは、DocuWorksの前のバージョンです。終了した事件のファイルはすべて一フォルダに展開してOCR化することで、全文検索を可能にしようと考えています。

粉飾を垣間見る仕事

 昨日までの出張ではかばんが重くなるのを我慢して二冊のハードカバーを持って行きました。図書館でテーマの似た本をまとめて借りたもので、今回のお題は粉飾

 労働紛争に労働側から関与しても経営陣がなんらかおかしなことをやっている実情に接することはよくあって、ときには会計帳簿や破産・民事再生申立書一式の閲覧や謄写を目にすることもあります。そこに時々出てくる不可思議な数値や事実のいくつか、は確かに粉飾の痕跡というべきものなのでしょう。日々の仕事に直結させられる分野ではないのですが、それでも上記二冊の内容には圧倒されるものがあります。

 まず左の一冊。我が国司法制度少なくとも検察やら裁判官と言った集団に素朴な信頼感を抱いちゃってる人を絶望させるのに十分な内容の手記です。著者は、ある店頭公開会社において粉飾決算に加担した嫌疑をかけられている公認会計士です。この会社と間抜けな経営陣への関与から検察による拷問まがいの事情聴取、逮捕を経て第一審での弁護団の不甲斐なさ、控訴審での著者自らの証拠収集活動と緻密な反撃までがまさに経験者にしか語れない筆致で描かれており、内容の真偽はともかく読者をして一気に読ませる絶品のドキュメンタリー、というより警世の書です。著者が言う『一人でも多くの人が司法の現実に触れ、国民による監視の必要性を感じていただける』(まえがき)ようになることは僕も無条件に賛同するところです。しかしその『司法の現実』に安易な信頼はやっぱり有害であることを痛感させられました。

 右の一冊は第三者の視点から、ライブドアをはじめとするいくつかの企業の勃興と消滅、その過程での粉飾を扱った作品です。公開会社あるいは株式公開を目指すベンチャー企業がいかに怪しい人間の誘惑に屈して崩壊していくのか、そうした可能性がいかに身近なのか、に気づいて慄然とさせられる(創業者利益を得たい間抜け経営者が率いる零細ベンチャー、というのは労働相談における頻出テーマです!)、淡々と描写されているわりにはインパクトのある一冊で、これも一気に読ませてくれます。

 なお、上記二冊はいずれも名古屋市立図書館に所蔵があります。おそらくは相互貸借できる範囲に所蔵している図書館があると思われますので、べつに購入をおすすめする趣旨ではありません。

そうだ、鞍馬、行こう(遠い目)

そうだ、鞍馬、行こう(遠い目)
計画的なものか衝動的なものかはさておいて、ちょっとした寄り道をしてきました。

大阪から名古屋までは青春18きっぷのラスト1回を使います。そのまま帰るのがもったいない気がして京都駅のコインロッカーに荷物を預け市バスの乗り場を見渡したら、平日とは思えない人の波。

行列ができるなんとやら、は嫌いなので座れそうな206系統で北大路向かい、乗車中にどこへ行こうか考えます。とにかく人のいないところ…という(春の京都では無理難題に等しい)条件で。

で、このバスを百万遍で降り出町柳から叡山電車に乗ってみようと思いたったのです。

この写真を取ったあと、さらに貴船神社まで山道を歩き、今日は通算で3時間ほど歩くことになりました。

名残の花見もして、すっかり充電できた気分です。

橋日和 島日和

橋日和 島日和
山口県北西部の角島から本州をみた写真です。

小倉から関門トンネルで本州に入り、赤間神宮−日本海側の国道191号線を北上して角島へ着いたのは昼過ぎです。18時40分に小倉に戻る必要があり、ゆっくり昼ご飯を食べるかもう少し動くか迷ったのですが、お天気がよいため先に進みます。
日本海岸を東に進路を変えて仙崎へ。青海島を一周する観光船に乗ることができました。
帰りは速度優先で中国道にのり、壇ノ浦で関門橋を見ながら最後の休憩を入れて、18時25分に戻ってきました。カーナビに所要時間を予測する機能がついているおかげで、積極的に動きやすくなって助かります。

公共交通機関では行けないところに行けるのはやはり車あってのこと。角島大橋には数年前の開通当初から行ってみたいと思っており、やっぱりきれいなところでした。

さて、今回の出張中に新たな労働訴訟の書類作成を二つ始めることになりました。

一件は九州、もう一件は当事務所初の、北海道です。

本日の要調査物件

本日の要調査物件
天神のバスセンターから裁判所までは歩くと30分くらいかかります。途中にランチのお店が実にたくさんあるため、地下鉄一駅ぶんをわざと歩いています。赤坂駅から裁判所へ行く途中に、不思議なお店を見つけました。

黄色い看板のその店はハンバーガーショップのようにみえますが、
鯖寿司を売っています。
明太子の看板が出ています。

…別の新しいお店でラーメンを食べていたため、ここは次回以降来たときに行ってみることにします。
一度博多に来るたびに複数のお店を候補に加えるため、いつまでたってもいけないお店が蓄積されていきます。
まぁ、博多だからOKです。
新たなご依頼を受けることになりましたから。

さて、屋台が出始めた中洲を横目にバスで小倉へ戻ります。明日はレンタカーで山口県に行ってみるつもりです。久しぶりに一日仕事無しにします!

読書しながら船に乗る仕事

読書しながら船に乗る仕事
ヘタレな支配人が、期日一日前に準備書面を出してきました。
裁判所が定めた期日からは二週間遅れています。


いつもなら、静かに怒りながら反撃準備に没頭するところなんですが…

別にいいです。もう。
もちろん手抜きを始めたわけではなく、労働訴訟で敵側を十分叩いた時に見られる現象=従前の主張の無意味な繰り返し、が2ページ出てきているだけだからです。

というわけで今日は(テーブルを使ってPCや書類が広げられる)近鉄特急ではなく青春18きっぷで大阪までやってきました。今回の出張では本を読んで過ごします。

などと言える状態にたどり着くには、半年を超える決して短くも楽でもない戦いがあったわけで、その辺お間違えないように。やすやすと勝たせてはもらえないのです。

出張に持って行く本

先々週は大阪~和歌山、先週は東京~土浦、さて今週はいよいよ

九州まで行ってきます。

そろそろあっちこっち行くのも疲れるんじゃないか、とおっしゃる方もいますが、僕の場合は移動しないと体調不良になるので特に心配なさらないようにしてください。

先週の関東出張では文庫本を二冊持って出たら行きのバスの中で読み切ってしまったのですが、出張時に持って出る本の選択にはいつも迷います。荷物を重たくしたくはないのでハードカバーの大きな本はあまり持てません。

そこそこ読みごたえがあり、なおかつそろそろ読んでおきたい二冊を候補にあげてみます。左の一冊は先月の研修で参考図書として紹介いただいた司法書士の簡易裁判所代理業務に関する本。どうも買っておかないと危険な気配がただよって来ていたので思わず研修終了後に購入しました。右の一冊は、事実認定の考え方という割には事案ごとに丁寧に要件事実への当てはめをおこなってくれているので、6月にやってくる簡易裁判所代理権取得のための考査に備えつつある僕にはいいかな、と思っています。

でも本当はそんなこと全然考えずに、普段の裁判書類作成に際して裁判所の事実認定って何に注目してるのか、を知りたくて研修前に買ってあっただけなんですが…通読する機会がなくて(笑)

明日からの出張は例によって名門大洋フェリーを使います。往復とも船なので時間はふんだんにあるのですが、今回の出張ではできるだけ呑気に本を読んで過ごすつもりです。3泊4日の出張ですが着替えは一日分しか持たないこともあってまだ何冊か本を持って出る余裕があります。

猿でもできるかはさておいて

賛成はできないが一読には値する本を、昨日つくばセンターで見つけました。

ただし、あくまでも新本の購入対象としてはおすすめしません。十分流通している中古で購入するか、できるだけ図書館あるいは立ち読みで済ませるべきだと考えます。

さてさて今日とりあげるのは、いろんな街でテレビCMを見かける大型法律事務所の経営者の本。論旨は三点に要約できます。

  1. 我が国の弁護士業界には大きな問題があり
  2. 事務所の生産性が低いなかで膨大な市場が未開拓だから
  3. 事務所のシステム化を進めて依頼をたくさん集めれば儲かるよ

以上♪

と言ってしまえばそれまでで、だからこそ新本での購入には不適なんですが、やっぱり巨大事務所を構築するだけのお方だけあって文章がなかなか読ませてくれます。

それと、この著者何かに苛立ってる気配が伝わってくるような気がするんですが、何に、なのかまでは読み取れません。この人を賞賛する立場ならば旧態依然たる業界秩序に云々、とか言えるだろうし、そうでない立場なら自分の周りの積極的消極的敵対者たちに包囲され続けていることへの苛立ち、ということになるのかもしれません。

 さて、僕はこの本を「賛成はできかねるが来るべき未来の一つ」として読みました。マニュアル化の徹底とパラリーガルの活用で一弁護士あたりの受託可能件数が飛躍的に上昇する可能性があることと、それによる損益分岐点の低下から彼の著書にいう『ゴミ事件』=100万円以下の低額請求事件、でも受任可能なシステムとしての法律事務所が構築でき、それによっていままで紛争解決手段としての弁護士の利用が選べなかった紛争類型が巨大な市場として開けてくる、という点はたしかに一面の真実だ、とは思うのですが…

 待てよ?

 この論理(というより、営業方針)を徹底させると結局法律関係業者間での

 単価の叩き合い

 で終わります。依頼人または補助者が必要事項をすべて入力すれば破産申立書一式が5万円で作れて採算が取れる、とか、裁判事務には関われないはずの●●書士だってシステムの構築さえできればそうしたサービスを…こんどは3万円で提供するようになったり。そんな世界になりそうです。あまり楽しくはなさそうな世界です。

 さらにいえば定型的でない業務はやっぱり見捨てられる→この人の説くところでは、低額の請求の事案はあくまで事業経営として成り立つ場合にのみ取り扱いの対象になるに過ぎない(もちろん、定型的業務を大規模に処理して生まれる余裕は少額で複雑な事案の受託に道を開く可能性を生みますが、この著書をいくら読んでもそうは書いてません)し、なにより著者が主張するサービスの提供主体を依頼人側からみると

やってることはどこでも同じだがとにかく安い(だけの)事務所

としてしか認識されないような気がします。このやり方でホームロイヤーとしての信頼を勝ち取れるのかは…謎です。ただ、資本力と人員が十二分にある状態ならこの本に書いてある論理で市場を席巻することは十二分に可能であり、その点ではやっぱり研究と対策の対象にはしなければならない一冊、だと思います。

なお、この本で純粋に納得というか賛成できるのは第一章です。司法統計より被告代理人に遭遇する比率がいささか高い簡裁での賃金請求事件において、彼ら代理人の振る舞いにはちょっとだけ気になるところがあったのですが…なるほどやっぱり同業者からみてもそう言える面があるのね、と(笑)

なにが書いてあるのかは、立ち読みでもしてみてください。法律関係者への依頼をしたことがない人なら、笑えますから。

『給料不払い 許しません』?

『給料不払い 許しません』?
と、呑気に言ってくれる営業用ウェブサイトを見るたび、少しイラッとします。
名古屋から400km離れたここまで、調査にやってきました。のらくらな元社長による給料未払い事案への対処のためです。
さてさて、心情的側面を全く無視していうなら、企業経営において従業員への給料を踏み倒すことなど歩行者が赤信号を無視するのと同じくらいかんたんです。『許しません』などと気楽に口にする連中の業務範囲が内容証明やらせいぜい労基署への手続きまで、なんてのは無視すればよいとして、選択肢に裁判手続きまで含めても…労働者が期待するハッピーエンドなんかない。

それを隠して景気いい言葉で依頼を誘致することには、僕は興味ありません。

この事務所と他との違いは、少しだけ諦めが悪いところです。それをウェブサイト向けの営業トークで語れないのは…

それは、単に嗜好の問題ですね。困ったな。

住宅街の『裁判所』

住宅街の『裁判所』
どうして東京も大阪も、裁判所本庁から恐ろしく離れた閑静な住宅街に執行部だけ分離するんでしょう?

しかもこの二物件、揃いも揃ってバス物件。強いて駅から歩くと結構な時間がかかります。

…などと言う前に、せっかく使いやすい場所にある名古屋地裁執行部を利用した回数がそんなに多くない現状をなんとかしたいです(汗)

そんな思いもありまして、たまに訪れる度に自分が幸福なんだか不幸なんだか考えさせられてしまいます。

ともあれ今回提出にきた貸金業者に対する債権差押命令申立書は無事に受理されました。
宿泊先もようやく、常磐線の佐貫に決まりました。上野からここまではぎりぎりで50kmを切っており、料金が50kmで変わる特急列車や普通列車のグリーン車で行くにはちょうどよいのです。

少しはやいのですが、今日の仕事はおしまいです。

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