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見てみたい、●●官の胸のうち?

自分が人からどう見られているか、は結構気になるものです。

僕が社会保険労務士・司法書士として仕事で関わる大事な立場の人であるにも関わらず、滅多なことでは話しが聞けない人の本を、今日は紹介します。

 左側の本の著者は元労働基準監督官、右側は裁判官です。

さて労働基準監督官は給料未払い事案の比較的初期段階で関わる方。労働基準監督署に相談ではなく労基法104条の申告(違法状態を告げて、是正を求めること)をし、それが比較的難しいか真剣なものと認識されたときにようやっと机の向こうから現れてくれる、という役回りです。本書では、おそらくは数年昔の労基署の実情を中心に労働基準監督官が何に目をつけどう動きたいのかが読みやすく書いてあります。

 ただし、この本自体は購入というより図書館利用または本屋さんでの立ち読みを推奨します。わざわざ購入して備え置くほど重要ではありませんが、社会保険労務士や労働問題に関わりたい司法書士が労基署内部の事情を知るにはよいでしょう。各所にあるコラムを拾い読みするだけでも結構興味深いことが書いてあります。名古屋市立図書館には所蔵がありますが、三重県内各図書館にはありません。残念!

 もう一冊は、催眠記憶術の本に次ぐ超おすすめ物件です。催眠記憶術の次、ってどうよ、という突っ込みはなさらないように。少なくともこの本は、司法書士事務所で本職の書棚においてあっても補助者さん達から怪しいまなざしで見られずにすみます。もとはこの本、数年前の判例タイムズに連載されていたのを発見し、あまりの楽しさに毎号コピーしてとっておいたのがハードカバーになったものです。定価は6800円なのですが、なぜかamazonのリンクでは倍以上の値段がついています。八重洲ブックセンターでは定価販売になっていますのでこちらからの購入をおすすめしますが、在庫僅少との表示が出ています。ただ、下記に述べるこの本の特殊な性格からしてこんないい本が絶版になるようなら司法制度改革もヘッタクレもねぇだろうよ、と僕は思っています。

 さてこの本、著者のことばを借りるなら『現実の、リアルな民事訴訟実務と制度のエッセンス』『従来の民事訴訟理論と実務のはざまにあって未だ十分に論じられていないけれども、それに対する体系的な知識を有するならば、実務家がその仕事の質をいくぶんなりとも向上させることができるのではないかと思われる、そのような法律家の技術、あるいは実務に臨んでの姿勢、心構え、訴訟観、考え方の枠組み』(同書1~2頁)を記録にとどめようとして書かれたもので、それが裁判官から、つまり裁判所から原告席や被告席に座ってる弁護士や司法書士や本人達を眺める立場で書かれており、他に例がありません。極めて真剣に書かれた本書ですが、時として身も蓋もない表現がでてきて失笑することもあります。結構楽しんで読め、考えさせられる章は

  • 法律家と市民のものの見方(視点)の相違
  • 弁護士の受任の自由、また、受任しないほうがよい事案(?)について
  • 事件の進行管理と書面提出の督促
  • 当事者本人の話をどのように聞くか?
  • 効果的な書証の提出
  • 弁護士集団のわかりにくさ-建前と本音
  • 本人訴訟-理想と現実

このあたりでしょうか。特に最後の一章は、オレ裁判自分でやったことがあるんだと息巻いたりネットで集めた知識だけで突っ走ったりする素人さん達にぜひ一読しておいてもらいたいもの…ですが、まぁ無理でしょうね。ただ、真剣に本人訴訟をお考えで時間に余裕があるならば、どこかの図書館から本書を借りだして本人訴訟が裁判官からどう見られているかを確認しておくのは素晴らしいことです。本書680ページ以降の30ページで述べられている筆者の本人訴訟観には結構容赦ないものがあり、地裁をうろちょろする僕の足場は実は結構危ういことを痛感させられます。職業として訴訟にかかわる人でないなら、この部分だけ立ち読みするのもよいでしょう。

 さて、明日から三日間は研修がありません。

 明朝7時17分知立発の知多シーガル2号で東京に行ってきます。このご依頼があったおかげで、今月ほかになんにもご依頼がなくても生きていけることになり、ありがたい限りです。久しぶりに明日は両国泊まりです。

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