真夜中の、無意味な激闘
新しい労働訴訟のご依頼をいただきました。延べ40ヶ月ほどの賃金計算をやって別表を毎月分つくり勤怠記録を証拠として添付して原告被告裁判所ぶん作成して、という作業が、いずれやってきます。先月からのご依頼で来週には訴状を出荷しなければならないものも、ほぼ同規模の裁判書類を作らなければいけません。
新しいインクジェットプリンタの導入に失敗したこの事務所で一時大量出力の任に堪えうるのは中古で買ったページプリンタ(EPSON LP-8300CPD)なんですが、すでにメーカーの修理対応が打ち切られたこのプリンタ、給紙カセットからの給紙にことごとく失敗する支障を抱えています。併せてトナー切れを発生させていたのを昨日復旧したため、この給紙カセットの用紙詰まりを直してやろうと取り組み始めました。
が。しかし。
試行錯誤の結果、『給紙カセットから必ず二枚の紙を送り出す』という異常が一向に変化しないことに気づきます。
この時点で21時過ぎ。晩ご飯を食べるのを忘れていたため、補助者さまがおいていってくれた差し入れのドーナツをいただいて空腹を落ち着けます。さてどうしたものか?発生する現象は安定しています。つまり僕がやってきたことはその現象になんの影響も与えていない=僕がいじった場所以外のところで異常が発生しているはず。
もの言わぬプリンタと、しばし向き合うLDK。
- 必ず
- 二枚
- 紙を送る。
ということは?これまで僕は『紙をうまく送れない』のが支障なのだと考えていたのですが、給紙装置自体に問題はなくて『紙を送り過ぎる』のが問題なのか!
このことを明らかにするためには、給紙カセットに乗ったいちばん上の紙を送り出す給紙ローラが見えるように本体のカバーを開けてみる必要があります。さっそく本体内を覗きながら印刷動作をとってみると…
半月型の給紙ローラは普段は円弧状の部分を上に向けて静止しています。その下に、給紙カセットにセットされた紙の端が位置しています。給紙ローラが回転して円弧状の部分が下に行くとローラと紙が接触し、摩擦によってローラが紙を引きずりだして次の搬送ローラに送ります。それが。
この給紙ローラ、印刷のさいに必ず『4回』回ります。
しかし幅210mmのA4の用紙は、このローラ3回ぶんの回転で完全に送り出されてしまいます。
完全に紙を送り出したあとは二枚目の紙と給紙ローラーが接触するに決まってます。よって残り1回の回転で、給紙ローラは二枚目の紙を次の搬送ローラに送ってしまいます!
ここで、給紙ローラの次の搬送部で印刷開始を待っていた一枚目の紙の後ろに二枚目の紙が追突します。よって以後の搬送行程では、一枚目の紙と二枚目の紙はプリンタの各センサからみればひとつづきの長い紙と認識されます。
したがって一枚目の紙と二枚目の紙は、用紙詰まりのエラーを出さないままつながって出力され、プリンタの液晶表示には『ヨウシサイズ エラー』という表示が出てくる、と。
なーるほど、よくできたもんだねぇ
ってどうすりゃいいんだよ!(怒)
理想的には給紙ローラの回転回数を制御できればよいのですが、さすがにそんな方法は知りません(知りたいものだとは、思っています)条件を変えていろいろ試した結果、用紙の寸法や状況一切無関係でこの給紙ローラは『一枚の紙を送り出すために、必ず4回回転する』ことはわかりました。
ここで第一の解決策。
給紙ローラが4回転で搬送しきれない、B4判・A3判の紙のみを給紙カセットにセットすればよい♪
って作る書類の95%はA4なんだけど(失笑)
まぁ、あとはA4の紙を90度回転させてカセットにセットし、プリンタ側では用紙サイズの検知を無効化しアプリケーション側ではB4判の用紙設定にしたうえでA4判相当の領域だけつかってデータを作り、そのうえで印刷動作をかければ成功する、というのも考えました。これも成功することは確認したのですが、どうみても普通じゃないところが難点です。
これらのことについて、仮説の設定と検証が終わったのが午前3時30分。そういえば晩ご飯を結局とらずじまいでしたが、ちょうど前の日、お客さまから洋菓子をいただいていました。マドレーヌ一個が妙にお腹に染み渡ります。
さて、あとは考えられるのは、給紙ローラを破壊または変造または偽造(改造とか改良版の新製とか言えばいいのか?)して、4回転しても用紙を送り過ぎないようにする=半円形のものを同一半径で角度90度の扇形に置き換えることができれば、1回転あたりで用紙を送り出す能力も半減してちょうどよくなる、とか?樹脂で型をとるか円形の木材から切り出すかすれば、できなくはない…気がします。
ま、素直に手差しトレイ(普通紙150枚の搭載能力をもつ)だけ使ってればいいんですがね。今回の騒動で給紙経路に沿っていろんなところを分解掃除したりのぞき込んだりしたところ、どうやらこのプリンタは2001年に作られたものだとわかりました。
そういえば手差し給紙ユニットを取り外してさかさまにしたら、
劣化しきったゴムの残骸が4切れほど落ちてきた
のですが、これがどこに使われていたのか…
いまだに、不明です。
« 素朴に嬉しい、その一言 | トップページ | 電子印鑑はいかが?(代書やさんのDocuWorks その5) »
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 同業者も(自分もだけど)信じてはいけない、という話(2021.01.07)
- ちょっといいもの、買ってみた(添加剤、というより改質剤)(2021.01.04)
- 抗体検査キット試用報告(2021.01.01)
- 年末年始休暇の不存在確認に関する件(2020.12.31)
- 売り上げが1000円の日(2020.12.29)
コメント