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出来高払い はじめました

 アメリカ合衆国での弁護士報酬の決め方に『完全成功報酬制』とよばれるものがあります。これは、実費を依頼人ではなく弁護士側がすべて払ってしまう代わりに、勝訴できた金額のかなりな割合(3割とかそれ以上などと言われます)を弁護士が報酬として受け取るというもの。依頼人からみれば、費用負担はなく「とにかくやってみる」という気持ちで弁護士を使うことができる、という利点はあります。

 ただこれは、安易に訴訟を起こすことに道を開くものですのでさすがに賛成できません。当事務所の新しいサービスの実施にあたり、こうした言葉をうっかり使うと、変なところから苦情や批判を受けかねません。

 さて、これまで少しずつこのブログで予告をかねて反応を見てまいりましたが、12月1日から一部の業務について、着手の際に報酬(料金でも着手金でも言い方はいろいろですが)を支払わなくてもよい扱いをはじめることにしました。もちろん実費はお客さまに払っていただくので、上記の完全成功報酬制とはちがいます。依頼の成果が実現したあとで、その一定割合のお金をもらうというところは似ています。ただ、こうした報酬設定も分野によっては珍しくありません。過払い金返還請求については、着手金を不要とする事務所はどこにでもあります。探すのに苦労はしません。

 もちろん、依頼が欲しいのはそこではありません。少額の給料未払い事案を受けることをまず考えています。成功報酬の料率としては、支払われた金額の25%としましたが、これは『10万円の請求でも平然と受けられる』料率のほぼ下限、という設定です。100万円の請求について25万円を取るのはごく普通の事務所ですが、20万円の請求に5万円しか取らない事務所はちょっと探すのが難しくなってくるはずです。10万円の請求を行う訴状一式作って必要なら債権差押命令申立書を書いて合計2万5千円、という設定ならまず希少動物の仲間入りができるはずです。この事務所では、そういう部分の請求に対応することを狙います。

 なぜ養育費の請求を扱うのか、というのはこの事務所が単に会社と戦うだけの事務所だと思って見てると不思議に思えるかもしれませんが、この事務所では毎年必ず誰かからの紹介で離婚・養育費の請求にかかる事案を受けているのです。この案件をめぐっては、正直言って親権を持ってる親が子供の権利を真摯に守ってるとは言い難い=養育費を自分の都合で『請求しない』ことができるとお考えの人もあり、あるいはひたすら責任逃れ(つまり、踏み倒し)に走るたわけ者たちに接することもあり、そうした現状とはまったく別に児童扶養手当の給付水準は養育費支払い義務がある(が、踏み倒しを画策中の)親の所得を一方的に勘案して削減されてしまう現状もあって、未婚独身という立場から見ても納得しがたいので…、とにかく何かはじめてみよう、と。

 債務整理・債務者の相続については上記二者と密接にリンクします。

ある借金をかかえた人をみて、『いったいなにゆえそんなに借金が増大したのか?』を考えたときに出てくる要素…つまり貧乏の素、とでもいうべきライフイベントはいくつか挙げられます。浪費は論外として、 

  • 交通事故や病気。
  • 子供の私学への進学。
  • 親の借金の発覚。
  • 事業の失敗または会社の倒産・給料不払い・失業。
  • そして、離婚・母子家庭化。

このへんはどうも、比較的ひとを多重債務者においやりやすい危険性をもっていて、できるかぎり債務整理と一体的な対応を要するのではないかと考えます。つまり給料未払いも養育費未払いも貧乏の素→多重債務の原因たり得ると。僕としては結果としての債務整理より、その原因のいくつかに対処する方向で動けないか、とまだあれこれ考えています。ともかくこの新しい取り扱いがどう育っていくか…あるいは育たないかを、向こう半年ほど観察してみるとしましょう。

 ~結果がでるまでに日本が不況を脱する、ということは、残念ながら考えないでもよさそうですから。

 

 

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