出張中止!-決算変更届の意外な使い道-
なんとなーくネタがないな…更新サボって寝ちゃおうかな…と思いながら、明後日実施の関西・木曜日夜発の関東出張に備えて準備をしていた夜更け。関西地方某県のウェブサイトの表示に、文字通り虚を突かれました。
-建設業許可申請書等の閲覧休止について-
見ればまさに出張実施日に、目的の書類が閲覧できない、ですと!
あやうく無駄足を踏むところでした。土日休みのくせにさらに平日一日業務を休む、というのがなんとも解せない制度なんですが、そう決まってる以上どうしようもありません。しょうがないので29日の出張を中止して、他の日に変更することにします。まぁ、当日役所で呆然とするよりは事前に気づけてよっぽどよかったのですがね。
さてこの閲覧制度、僕は本来の目的とはぜーんぜん違った意味合いで使っています。本来ならこれは、建設業者の財務状況やら受注実績、管理責任者や技術者の経歴や資格云々を確認するために公衆の閲覧に供される(つまり、誰でも見られる!)ものです。実は見られる書類のなかで
- 建設業許可申請書(許可を取る際に提出するもの)
のほかに、
- 決算変更届(決算期から4ヶ月以内に、工事実績や財務諸表を提出するもの)
があります。この決算変更届には損益計算書が添付されており、それを見れば社長に支払われる役員給与がわかります。
…つまり。なんらか理由があって建設業の社長の所得が知りたい場合には、この閲覧制度を悪用利用してそれなりの目星をつける(役員一名の会社なら、文字通り確定させる)ことができるわけで。
で、僕はそれを養育費に関する調停申し立ての際の調査に使ったことがあります。元の配偶者がたまたま許可をとった建設業の社長で、現時点での所得が(つまり、それを反映して決まる養育費の額が)知りたい、でも本人は口にするはずがない、調べろ!ということでいろいろ探していたらこの制度にたどり着いたのです。いったん知ってしまえばこれほど素敵なしくみもめずらしい=毎年毎年収入筒抜けでわかってしまう、しかも閲覧で手数料500円ふんだくる●務局と違って、はるかに情報量が多いのに手数料無料です。まったく法●局とはえらい違い。
ただ、一点問題がありました。
最初はこの調査を、●●商工リサーチ(●●には日本の首都の地名が入ります)に発注してやらせてみたのですが、損益計算書は要旨しか調べてこなかったのです!つまり役員報酬も事務員の給与も一緒くたにして販売及び一般管理費の総額だけを書き写して来た、と!
しょうがないから電車で三時間かかるその町に僕があとで見に行って決算変更届の詳しい記載事項がわかった、という次第。建設業者の元配偶者を相手取る養育費請求事案、というのが今後どれだけあるかは知りませんが、苦労しただけあって一つ貴重な経験を積んだ…と言えるのでしょうか?
さーて、そろそろ最新の決算変更届が出てるころなんだけどな~
楽しみだな~(って何が?)
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