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今回ばかりは経営側-または、弱者救済 してません!?-

ついに一線を越えた、と言いましょうか、先頃ある会社から、裁判所に出すための、『割増賃金の計算』のご依頼を受けました。

依頼としては快諾してますし、僕の書類のおかげで労働側が申し立てた調停は見事不調となったとのこと。大変結構です。ざまーみろ労働者、と言ってもいい。

すずきよ、ついに日和ったか?

と古風なコトバをおっしゃらずに(これっていにしえの全共闘時代の用語ですか?)。

この労働者、実は犯罪者なのです。ものの例えではなく、文字通り刑法犯です。この調停、双方に訴訟代理人弁護士が付いており、労働側があまりにも無体な請求をかけてきているのに対して専門家による説得的な賃金計算をおこなって反撃する必要があったのです。

これを受けてその社長さんがウェブサイトをいろいろと探し回り、経営者いじめの手練手管を公開している当事務所に(間違って?)たどり着いたと(笑)

ただ、会って話を聞いてみれば事情は上記のとおり汲むべきものがあったので、創業以来の自主規制を解除して…しかもどうせやるなら、ということで経営側全面支援に向かって動き出します。「なるべく経営側が支払う賃金が少なくなるよう計算して欲しい」という経営側弁護士(今回は味方の=友軍弁護士さん、ということになります)の意を受けてその通りに計算を行った結果、敵側労働者は金を払えと言ってるのに対して経営側は既に支払った割増賃金の一部を返せ、というものになってしまいました。さすがにそこまでやってよかったかな、という思いもあったのですが、僕の計算書類は無事に友軍弁護士さんの採用するところとなりました。いつも労働側にはやってることですが、例によってご注文のほかに、おまけの書類も付けています。

そして今日。結果的にこの計算書&付属書類が決め手になって、経営側は裁判官も調停委員も敵に回すことなく…というより、「労働側おかしなことやってんな」的雰囲気を作り出して調停不調にこぎ着けたのはまずまずご同慶の至り。どうせ今労働側についてる弁護士さんが、今後の訴訟で大したことはしませんよ、とその社長に告げて事案終結となりました。

だって…社労士の資格を持ってるみなさん、いいですか?

労働側は一週間に二回、法定休日労働が発生してると言ってきてるんですよ?それも毎週!

それ自体驚異だぜ、お前労基法35条知ってんのかコラ、としか言いようがない世界なのですが、かなり業歴が長いセンセイでこれだ、となると…弁護士五万人時代にあっても小規模労働訴訟の世界は司法書士+社労士のダブルライセンス保持者にとって、わりと明るい気はします。ただ、弁護士でこのレベルだ、というところからハテ司法書士はどうか、と問われるとどうだろうね、とも。

ところで今回、どうやら調停委員の一人が僕が知ってる●●士さんだったご様子。知ってるどころか、6年前に僕自身の労働訴訟が地裁で自庁調停に付されたときの調停委員、のはずです。さてそうすると、この大先生が僕の書類をどう評価したか、はちょっと興味があります。今回は僕が作成したことは、向こうは気づいていませんから。

…で、その社長さんに調停委員のコメントを聞くと「ノーワーク・ノーペイの原則にのっとって賃金控除をしているのは理解できるが、調停という場ではどうか、と言われました」と。

「つまり、間違ってはいないがやりすぎだ、ってことですね?」と確認すれば、そうだとおっしゃる。大変結構な回答です。まぁ調停委員の大先生はこんなブログを見てるはずはないので、かつての調停当事者がいま社労士に化けて作ってきた書類を見てる、なんてことは伏せておきましょう。うっかり誰かに伝わって、『ホラ社労士はいまでもこんなに簡裁で活躍しています!(だから簡裁代理権ください云々)』などと声高に言われるのも愉快ではありません。

さて、あとは調停不調後2週間以内に、労働側は訴訟を提起するという選択肢があります。そうなったらなったで僕は今回はひきつづき経営側を間接的に支援するのですが、そうでないことを祈りたい…ですね。有り体に言って、本件では労働側の完敗を望んでいます。


な~んて言ってたら、ご依頼を検討中の労働者の皆さんが恐れをなしそうな気がしますね。せっかく初めてのお客さまのコメントをいただいたところなのに。まぁ本件事案はあくまでも、違法行為とリンクして賃金支払い請求調停が申し立てられているために労働側をきっちり揉み潰す必要がある、だからあえて経営側についた、というだけのこととご了解いただきたいです。さすがに僕も犯罪者を支援することはもってのほかだし、できれば悪い奴には一泡吹かせたい、と思っているので。

そうしたからみもありまして、当事務所では『弱者救済』という立場をぜーんぜん取ってません。

そうしたものをご期待なら、ごめんなさいね、ばばっちさん、と申し上げねばならないでしょうか。あらためて、コメントありがとうございました。

ただ僕の立場としては、玉石混淆のウェブサイトのなかから当事務所を探し出し、無料相談お断り+面談できなきゃ受託不可、と言ってるところをあえて依頼しよう、というだけの力を持ってる人は、すでにして弱者たり得ない、と思ってますし、それに当事務所のように『それが必要なら会社を破産に追い込みますが…それが何か?』という立場を取って支援に回った場合、その支援対象労働者が弱者ってのはなんぼなんでもおかしかろうよ、と思うのですよ。これでコンスタントに労働訴訟に負ける、とか、請求額の数分の一しか取れない、とか言うならまだしも、そんなに非力でもないし。

あとはなにより、弱者のフリして救済(と言う名の様々な便宜供与)を求めて来る手合いも、『私は弱者を助けます!給料未払い許しません!無料相談実施中!』なんて景気のいいキャッチコピーで労働者をひっかけて実は大したことをしない●●士・●●●士も、それぞれ大嫌いなので、この事務所には、弱者救済というミッションはございません。と言うことになっています。

それでもよければご依頼お待ちしています。と申し上げておきましょう。ここは誰かを救済するところではなく、誰かと一緒にたたかうところ、ですからね。

さて、明日はさいたま地裁で、今年最後の労働訴訟の傍聴です。ちょうどいい具合に武蔵野市で相続登記のための戸籍謄本を取る用事ができました。

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