『立会』ということばをご存じですか
久しぶりに、個人のお客さまがあらたに住宅を取得するときの、所有権移転・担保権設定および売り主さん側で現存する抵当権抹消のご依頼をいただきました。
僕が出した見積もりはつつがなく採用となったのですが、次のようになっています。
条件として
- 売り主1名、買い主1名
- 目的物件の所在地は名古屋市で、土地1筆建物1個
- 売り主は現時点で上記不動産に抵当権を1件設定しており、これを抹消する
- 買い主は上記不動産の購入と同時に、抵当権を1件設定する
という、典型的な『抹消→移転→設定』と世の司法書士さんたちが言う案件。
ですが当事務所では●ヶ月ぶり(失笑)
さてこれで、司法書士の報酬としてはいくらかかるかというと
まず売り主さんには
- 抵当権抹消登記申請書類作成 7000円
- 同申請代理 3000円
合計1万円
買い主さんには
- 所有権移転登記申請書類作成 22000円
- 抵当権設定登記申請書類作成 22000円
- 同申請代理 3000円
- 立会出席 15000円
- 減税証明書取得代行 3000円
合計65000円
~こんな感じにしてあります。お客様から見ると、あと必要なのは実費たる登録免許税+αのみ、ということになります。さて司法書士の見積もり、というのは様式も内訳も、そして見積もりを出す出さないということさえ(いや本当に)別に決まってないのが実情でして、当事務所の見積もりが標準的、というわけではありません。
このうち『立会出席』で15000円というのは、何なのよ、というのが今日の話なのですが、これを一言で言うと
司法書士を指定日時に指定場所(たいていは金融機関)に差し向けて
売り主さんと買い主さんに会ってそれぞれ本人であり、取引するご意志がちゃんとあり、必要な書類がそろっていて登記申請に障害がないかをその場で確認する作業のことです。
~考えようによってはこの作業、早いときには30分弱で終わってしまうので時給換算で見るとちょっとな、と思われるかもしれませんが、それはまぁ責任のお値段、ということで。司法書士さんによっては、これは所有権移転登記に含んでいることもあります。別に立会の報酬を分離して明示せよとは誰も言っていないので、そうした見積もりでもかまいません。
最近いろんなお客さまと話をしていて、こうしたことに興味を持っていらっしゃる方がちらほらみえるので今日は久しぶりに実例を挙げてみました。
なお、公式見解として
-この見積もりは余所と比べて特に高くも安くもないと考えています-
と申し上げておきます…よ。実際どうなのかはさておいて。
しかし!
一つ失敗しました。今回、不動産の所在が名古屋市内ということで決済への立会も名古屋市内だと思っていたら…見積もり出すだけ出したあとで、お客さまに聞いたら出頭先金融機関所在地が
●●郡ですとー?
チャラリ~♪ 鼻から牛乳~
嘉門達夫の『鼻から牛乳』そのままにBGMが聞こえてくる、そんな瞬間です。司法書士業務でも結構よくある瞬間です(苦笑)
まぁ『なんとかその場はごまかして』というわけではありませんが、今回のお客さまは僕の古い悪い友達のご紹介ということですので別段増額請求もしない、というラインに落ち着いています。
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