『たいしたことのない裁判』ですと?
打ち合わせ実施中に、依頼人からそんな言葉を聞きました。ご自分の案件について、
「先生にとってはたいしたことのない裁判かもしれませんが」とのことで。
そんな贅沢な裁判はこの事務所には無い!と、この際はっきり言い渡す必要があるかもしれません。
そもそも、このお言葉が出てきたのは22時過ぎなのですが、では大したことがない裁判の打ち合わせ、などというものがもし仮にこの世にあるなら、それをわざわざ相手の都合に合わせて深夜に実施してやるほどヒマじゃない、というのがわからないんでしょうか…?もちろん、このようにお安く見積もられたからといって以後の書類のクオリティを落とすほど悪人にもなりきれませんのでこれまで通り仕事はしますが、さて果たして世の法律関連職能において『大したことのない裁判』の依頼、なんてあるのかしらん?と、少し考えてしまいます。たとえば
- 破産までの引き延ばしだけができればそれでいい、通常訴訟の被告会社側とか?
・・・あ、確かにこれはあり得るかも。というより、これだ(失笑)
反対当事者側から見ていてあきらかに手抜きとわかる訴訟活動、というのは、僕の経験ではそうした事案がある程度です。能力が低いのかいい加減にやってるのかわからない、というのはいくらでもあるのですが、それらは単に能力の低い専門家が一生懸命やってるだけなのかもしれないし。少なくとも、冒頭の発言をした依頼人は破産予定の債務者ではないのでこの訴訟、大したことがないどころか大げさにいえば司法制度への信頼がかかっているとさえ言える事案だ、と認識しています。
その辺の問題意識の共有ができないところが、あるいは本件事案の敗因になる日がいつか来るかもしれません。弁護士を代理人に選任して勝つ気満々でかかってきた会社側が、それこそどーんとばかりにひっくり返る、というのをたまに見るのですが、相手側は本人訴訟であるらしい本件事案では、あるいはこちら側の陣営がそうやって転覆するのかも。油断してると勝てるものも負けますよ、とは伝えてありますが、どれだけわかってもらえたかどうか。
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