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連敗記録をごらんください

 昨年もあったのですが、労働紛争の解決支援を主たる業務とする当事務所はただいま夏枯れの時期に入っています。お盆という超閑散期を中心に、だいたい九月中旬ぐらいまではあまり依頼がはいりません。

 今日はその夏枯れを一層促進させるかもしれない話です。

 さて先頃ようやく、当ウェブサイトの『労働裁判事務統計』を7月31日付けのデータで更新しました。これまでの事案の概要をデータベースに入れて集計をとるようにしたのですが、いくつか集計方法を変えています。中でも

 負けてるように読みとりやすく変更しました。

 今年に入って、主として割増賃金支払い請求を中心に民事調停・商事調停を申し立てた三件の事案が、ことごとく不成立となっています。

 そして調停不成立の場合は申立手数料の差額を払って訴訟を起こすことができますし、調停ではこっちの主張の当否がどうあれお馬鹿な会社側が「カネは絶対払わない」とゴネ続ければ不成立で終わる脆弱性を持つので僕の技量が低いから負けた、と言われても困る面があり、これを負けた負けたと言うのも鬱陶しい面があるのですが…

 少し考え方を変えてみました。これを読んで負けたと思うお方ならば、まぁ後々おつきあいが辛いことは見えきってるんでいっそ負けたと言ってみてはどうだろう、と。ですので今回、統計中『実現した成果』の項では調停不成立の結果を、申立で回収できた金額ゼロ、と扱っています。

 そして、この不成立事案三件のうち二件はただいま通常訴訟係属中、一件はそのまま依頼終了ということで、残り二件の結果はまたいずれ、集計して公開できることがあるでしょう。あるいは、今度は『調停不成立になった事案の行く末』を分離して統計を取るのもいいかもしれません。

 どうせ不成立になるのが見えているならあえて調停を経由する意味ないのではないの?と思われる人もいるかもしれませんが、実はそうでもありません。大規模庁ならそれなりにまともな調停委員にあたることが期待できるため、調停がすすむ過程で訴訟になった場合の展開を予想できることもありますし、裁判手続初体験のお客さまに「とにかく裁判所に入って自分でなにかやってくる」事に慣れる、という点ではいきなり法廷に入ってもらうよりよほど良いと思います。

 ですので今後もおそらく連敗記録、というより不成立記録を山積みにすることを覚悟しつつ、お客さまのご希望と実情に応じて調停申立から入ってみることにしようかと。これから先の司法書士人生で、いったいどれだけ『負け』られるのか想像もつきませんが。

 ちなみに調停でなく訴訟においては、回収額皆無の事案は相手方会社の破産による1件のみ、和解での回収額の最低は訴状記載の請求額の43%というのがありますが、これは本来取りたい金額の4倍ほどの請求をぶつけて大譲歩した『ふり』をした、というものですので、僕とお客さまの認識では気持ちよく勝たせてもらった事案なのです。

 あとは、割増賃金を自分で計算されてくるお客さまはよくいらっしゃいますけれど大抵の人は不正解、だいたいの場合僕はその計算より何割か増やして請求をぶつけ、なにがしか譲歩したように見せかけてお客さまが当初とりたかった金額だけはきっちりふんだくる、という展開は割と好きなんですが、このへんを全部ひっくるめて公開すると…

 見てくれが悪いですねぇ(嘆息)

 まぁ、『あなたのお悩み即解決!無料相談好評受付中!』などと適当なセールストークとともに満面の笑顔の写真を晒して安易な顧客を誘致するような、よくあるウェブサイトにはしたくないのでこのまま行ってみます。

  それに、たとえば全面勝訴したってそれがお客さまにとっていいことか、はまったくその限りではなく、初体験であまり気持ちよく勝ってもらってもその人の以後の人生に悪影響が生じたりする、ということは実際にあります。まあそういった、

  •  勝訴判決とっちまったよ…いいのかほんとに?
  •  請求額の4割の和解で大勝利!おめでとう!

 という事案が混ざっての、『すずきしんたろう事務所労働裁判事務統計』です。行間をよく読んでお楽しみください。

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