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受けたいけれど受けない依頼

 今月妙に多かったのが、50万円未満の給料未払事案に関する問い合わせです。ところが、軒並み依頼拒否にせざるを得ませんでした。

 当事務所の送信フォームはある意味で相談者を『引っかける』設問をしのばせており、これらの送信者さま達はみなさん『引っかかった』のですが、それは

 とにかく回収額の10%以内に実費と料金を抑えろ

 というご意向を真っ正面に打ち出してこられるのです。

 そりゃ無理。

 ~という返事をオブラートにくるんで送ってあげれば間違いなく以後音信不通になるので、ある意味わかりやすいのですが、ちょっと考えてみてわからないのでしょうかね?

 たとえば30万円の未払賃金を全額回収できたとして、この方達の思惑にそうならば実費が皆無でも担当者への報酬は最大3万円。

 いまどき3万円で、どれほどのサービスが受けられるのかまじめに考えてものを言っているのかが、わからないのです。集合ポストにチラシが入っている便利屋さんだって一人一時間3150円請求してくるこのご時世で!

 とりあえず、ものの値段がわからない方とはちょっとおつきあいできないので、こうした場合ははっきりと依頼回避、というより当事務所報酬基準でも受託不可、を宣告してしまうのですが、これがもし実費込み2割まで許容してくれるならこっちも頑張って受託するんですがね。実はそういう誘導も一切しません。単に安いだけの業者、と思われるのが一番不愉快なので、当初のアプローチの時点で、特に報酬面で非現実的な意向を見せた方にはお帰りいただくことにしています。

 ただ、このパターンを貫徹すると客観的には妙な行動を示すことになりまして、当事務所では裁判書類書類作成開始時に最低3%+終了時に最低7%の料金をいただく関係上、実費こみ10%以内に総費用を抑える、というのは絶対にありえないことになりますから、

  •  1ヶ月分18万円の給料未払を回収するための訴状作成依頼について、実費+料金として回収額の2割まで支払って頂ける、と言う方からの受託は可。
  •  3ヶ月分54万円の給料未払いである場合、実費+料金で回収額の1割までとするご希望の場合受託不可。

 になります。当然ながら後者は前者のきっちり三倍手間がかかる、などということはないので、受けてしまえばペイするのですが…

 こと労働紛争に関する依頼については、僕から見た問題はその依頼でいくらもらえるか、ではなくて、いくら払えると考えてくださるお客さまを選ぶか、だということ。事案の難易度でも、もらえるお金の絶対額でもなく、そういった『送信フォームに紛れ込ませた地雷』を踏まなかった方々が、言ってみればいまおつきあいのある方だ、というわけです。

 ただ、もしあるならば見てみたいですよ。20万円の割増賃金支払請求訴訟の訴状を非の打ち所なくきっちり作って、報酬を1万2千円程度に押さえ込める、合法的な事務所。というより、もし出現したらあっという間に市場を席巻できること請け合いですな。僕はやりません…とかいいながら、回収額の10%を総費用とするなら受託不可で13%なら受託可能にしている自分がいたりもします。

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