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訴訟費用の話をしましょう -全面勝訴したあなたへ-

 さて素敵な補助者さまの誘惑(?)により少々道を踏み外しかけてここ数日過ごしてまいりましたが、ひさしぶりにまじめな話にもどりましょう。

 実は先月末に北関東某県簡裁で一件、欠席判決を取ったのがありまして、今週末で判決正本の送達から二週間経過します。つまり判決が確定します。このお客さまと話しをするついでに、皆さんにも話しをしてみましょう。おそらくこれは、あとでウェブサイトのコンテンツに取り込みます。

 なお、この記事は2部構成をとります。今日はその1です。

 さて、ここで閲覧者ご一同さまのうち、民事訴訟法にさわったことがない皆様に聞いてみましょう。

 『裁判にかかる費用』って、いったいどれだけのもんなんでしょうね?

 また、一般的にいわれているところの『裁判の費用は負けた方が負担する』というのは一体どういう意味なんでしょう?

 落ち着いて考えるとよくわからなくなってきます。実は民訴法がわかっていてもわからなくなってくる面があるのです。


 一般に『(民事の)裁判はお金がかかる』という考え方について、これは給料未払いの請求や貸金返還請求訴訟にかぎれば、実は単に訴訟代理人の動員にお金がかかるだけ、ということには注意する必要があります。彼ら職業代理人たちに言わせればあれはあれで順当なお値段設定なのですが、だからといって世間一般の(月給20万円台~30万円台の)会社員さんたちが、たとえば2年分2千万円の割増賃金支払い請求訴訟を起こすときに着手金100万(これ実例です)ポンと出せるか、と言ったら、そりゃ無理でしょう。おそらくは清水の舞台から飛び降りないと出せないお金、であるはずです。

 ところが、たとえば請求額2000万円、被告は会社として1社だけ、だれか個人を訴えるようなことはせず被告はこれだけだとすると…

 訴訟を起こすときに必要な『実費』は、実は9万円弱、です。内訳は

  1. 収入印紙代 80000円
  2. 郵便切手代 約7000円
  3. 登記事項証明書取得費用 1000円

 はい、これだけ。いまここでは請求額2千万の訴訟を起こす際の初期費用を見ましたが、この例では弁護士への初期費用対裁判所への初期費用が、約11対1になりました。

つまり普通の人が『訴訟を起こすのにかかる費用』だと思いこんでいるものに代理人への費用が含まれている場合(残念ながら、たいていの場合)は、その圧倒的大部分が代理人への費用だ、ということがわかります。ところが代理人に払う費用、というのはほとんどの場合、相手方に請求することはできません。給料未払い事案ではまず無理です。当然ながら当事務所で書類作成のみを依頼された場合でも、同様に書類作成料金を会社に請求することはできません。

 ところで当事務所において、請求額比例で料金を設定した最大の事案が今週裁判所に提出されるところなのですが、この請求額は670万円、ここで僕が書類作成前の料金として受け取った金額は、22万7千円です。

 もともと当事務所の料金設定としては、書類作成前の料金として下限3%-上限6%ということで、この金額は当時の予想の3.5%になっています。これは、延べ35ヶ月分の勤怠データを入力せねばならなかったのと、提訴すればいったんは激しく衝突する恐れが高いことから、下限から0.5%だけ増額請求したもの。これで、あとは結論がでるまで請求を行いません。ですから仮に請求額2千万円の給料未払い、という依頼を仮に受けてしまった場合は、僕でも下限3%、つまり60万円…とるかとらないか微妙なところですが、これを上回って請求することはないでしょう。

 話がそれました。当事務所で書類を作って670万円の請求をするときには、司法書士に払う料金の一部(残りは判決なり和解なりが出たときに請求)として、22万7千円、これに切手代等の実費は、この請求額で訴訟の場合だと46000円程度。つまり、さきほど請求額2千万を例にとって代理人を使った場合に11対1だった、手続き担当者に払うお金対裁判所に払う実費、の比率は5対1程度になってきます。

 つまり、実費の存在が無視できなくなってきます。代理人を使うときには、代理人に払うお金の1割にも満たなかった実費が、当事務所を使うときには、司法書士に払うお金の2割強のお金を実費に払うことになるので。

 さて、では司法書士や弁護士に払うお金、は、訴訟に勝っても相手に請求できない、なら相手には何を請求できるのでしょう?

 一応の正解としては、上記で挙げた実費プラスアルファ、ということが出来ます。プラスアルファ、には、例えば僕のお客さまの事案では『日当・訴状提出費用』が入ってきます。

 でも。実は僕も周りの司法書士さんたちが『訴訟費用を相手に請求した』という話を聞きません。他のウェブサイトを頑張ってさがしても、やった記録に尋ねあたりません。

 理由は僕にもよくわからないんですが、どうやら判決取れてもなーんとなく無視されている、らしいのです。あとは、和解で終わった時には訴訟費用を相手に求めることができないか、それをなーんとなく組み込んで解決金を設定する、と言う形で、やっぱりなーんとなくこの問題を解決したようなかんじ、になっている、と。

 実は僕の事務所でも、この申立てはいままでやったことがないのですよ。今回が初めてです。

 ・・・と言っても別に、訴訟費用額確定の申立書は訴状よりは簡単に作れる書類ですので、お客さまにはいったん安心してもらって、明日に続きます。では!


2015.04.18 追記

訴訟費用と訴訟訴訟額確定処分の申立書作成については本人訴訟を完遂された方を中心に関心を持つ方があり、当ブログのいくつかの記事がお役に立っているようです。

東京~大阪間の裁判所を対象に、このたび訴訟費用額確定処分申立書作成だけを受託するサービスをはじめました。

訴訟費用額確定処分申立書作成のページ

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