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一本つけたい 秋の夜

 今日はわりとご機嫌です。年金生活者の権利をまもって多重債務者に一撃くらわした成果を、勝利と称してよいならば。

 ともあれ当事務所ではこれはまぎれもない『勝ち』になるので、事件で勝つか入金があるかでないと許していない『家での飲酒』が今夜は解禁になっています。南に開けた窓からは、赤いお月様がきれいです。

 事案の経過を見るには、『小規模個人再生(あるいは個人再生)』という手続きについて説明しないといけません。

 ただし!ここでは多重債務者向けではなく、多重債務者にお金を貸してしまった方々に向けての説明でいってみましょう。

 まず、金に詰まった奴は実にいろーんなとこから金を引っ張って回ります(ってこの口調だと、真っ当な債務整理に邁進しておいでの弁護士さんや司法書士さんには嫌われるでしょうね。ケッ)。

 ハイ。そんな奴から見ればあなたのお財布も、その金ヅルの一つです。こいつらがいよいよ吹っ飛ぶ最後の悪あがきとして借りるときもあれば、無利子で借りられるところから順次高利な世界に落ちていくお方もいらっしゃいます。この段階で僕が関与できた場合、いろんな手を使って債権回収あるいは担保権設定うんぬんの助言をします。今回も、総債権額の約1割強のハンコ代はせしめていますよ。

 このファイナンス活動・・・と言ったらあまりにも聞こえの良すぎる、借りては返す自転車操業あるいは借りては突っ込む浪費行動の終わりに、債務のいわゆる法的整理を選んでくれる人がいる、これは皆さんご存じですね。メジャーなのは『破産』いわゆる自己破産です。正確には破産から免責という流れを経るのですが、これをやられると個人が個人に貸した貸金で担保も保証も取ってない債権は、よほどのことがないかぎり踏み倒されます。ご愁傷様。

 ただね。およそ個人間の金銭貸借にかかる債権が債務者の破産によって踏み倒された後、ほんとうに『アッケラカのカー』状態になる元破産者(借りたひと)対元破産債権者(貸したひと)間に、感情的しこりが半永久的に残る点について、世の多重債務者救済に邁進しておいでの弁護士司法書士さんはどうお考えか、彼らの声は聞こえてはきません。少なくとも、ぼくがそちら側から声を発することは、今後もないでしょう。

 さて破産が究極の踏み倒し(あくまで零細債権者側からもの言ってますんで)であるのに対して、あまり影響がないのは特定調停です。基本的に債権者が利息制限法を越える金利で貸していないかぎり、貸し付け元本をカットしてくることはありませんから。申立そのものにも含めない、ということさえよくあります。

 破産と特定調停の中間から、若干破産より…という味付けでお持ちの貸金債権を強烈に削ってくる(あ、ですからあくまで零細債権者側からもの言ってますんで)のが今回の個人再生手続のうち、小規模個人再生手続というもの。これは破産とちがって全額踏み倒しを狙いません。とは申せ債権額の5分の1~10分の1しか返さず、それとて事情がかわれば途中で踏み倒しにできるというもの。債権者側からみれば100万貸して10~20万しか帰ってこないという点では、惨劇という点で破産といっしょです。

 その個人再生を巡って行われた小さな戦いの結果を、今日お客さまが持ってきてくれました。

 お客さまは債権者。当事務所創業以来のお客さまです。ある人に延べ5回550万円の貸し付けを行っていたのですが敵は(と、あえて言いましょう)弁護士を選任して個人再生手続に突入しました。これが6月。

 こいつの気に入らない点は、貸し付けのうち公正証書を組んでいた350万円だけを届け出て、他の200万強を無視してきたところにあります。しかも!

 なぜかその350万円のうち、約250万円だけが今後返済すべき債権だとのこと。もちろんそんな事実は薬にしたくても存在せず、こうなるともう、多重債務者とはいいながらその実は労働訴訟に出てくる魑魅魍魎事業主と変わりありません。こういう奴を見ると、やる気が出てきます。

 さて制度上、こうした場合の迎撃として可能なのが『再生債権評価の申立て』です。僕は債権者の依頼を受けて…というより債権者に対抗行動をとるようすすめて、本来届け出るべき債権が550万である旨の申し立てを行いました。これが約2ヶ月前。ちなみに実費は3万円弱を要しましたが、当事務所の料金は『とってません』申立書の4枚や5枚、取引の長いお客さまへのサービスの範囲内です。

 結果。この再生債権は敵さんご主張の約250万円でもなく、当方主張の約550万円でもなく、約360万までが再生債権として認められることになりました。

 当方の敗因は、契約書がしっかり作れていない債権が2件190万円分あったこと。ただ、どさくさまぎれに債権を無視されることは、一部防げたことになりました。反面多重債務者からみれば、裁判所にはうまいこと250万強だけ届けておけば人のいい年金生活者を泣き寝入りさせることができると思っていたもくろみが一部くじけたことになります。

 ざまーみろと言いたいです。そもそも手続き開始決定直後にハードシップ免責(再生計画が通ったあとに分割で返済する債務の、中途での踏み倒し!)の可能性を債権者に対して口にするような不謹慎な奴に、債権踏み倒されるのをだまって見ていることなどさせるわけにはいきません!

 ところで結局こいつは、破産すると生命保険募集人の資格を失うから個人再生に流れただけなのですが、

 そもそもこんな奴が売って歩く変額年金保険ってなんなのよ&破綻した多重債務者が立案するファイナンシャルプランに意味あんの?…と問いたい今日この頃。すごいよねア●コジャ●ン、って感じです。CM見るたび苦笑い。

 今回思ったこと。

 あるいは多重債務対策より、一種の『多重債務対策』=つまり、法的整理に入る多重債務者がどさくさ紛れにおこなう個人債権者に対する不正行為の阻止ならびに法的整理前にいかに有利な立場を作っておく・出来れば回収するか、を零細個人債権者側から企画立案実行するする仕事の方が、今後は可能性が広がっていく気がします。私は司法書士の債務整理は、グレーゾーンの金利がなくなり弁護士が大量生産されるご時世になればさしたる価値を失ってもみ潰される(本職ではない事務員を大量に突っ込んで事務処理できるため、現在東京で起きている受任価格の暴落が主要都市に波及し、いずれ費用面での優位性を失う)と見ていますので。

 それなら少なくともこちらのほうが、よほど筋のいい(長くつきあっていけ、仕事としておかしなものを持ってこず、長期的にはそこそこ儲けさせてくれる・なによりお中元とお歳暮にエビスビールを持ってきてくれる!)お客さまに出会えるきっかけになりますからね、と、自慢して終わりましょうか。

 個人でお金貸してるひとも『債権者』。給料未払いのひとも『債権者』。その反対側の多重債務者救済だの会社設立開業支援だののほうがそりゃ儲かるんでしょうが、そっちは他人にやらせときますよ。ふん!

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コメント

ども。

過激ですねぇ。「たかがブログ、されどブログ」との言葉を捧げます。管理人さんは司法書士であることを名乗ってブログを開設されていますから、もう少しトーンを落とした方が良いかとおもいますが。

管理人さんは個人再生手続きの書類作成を行った経験がないのでしょうか?
その弁護士は「当たり前」のことを行ったのみです。どこがおかしいのか私にはわかりません。

ハードシップの要件は厳しいですよw。再生申立を行う際に「説明すべき点を説明した」だけだと思います。

「個人からの借り入れ」については疎明書類が整っていないと開始決定が出ないことが多いと思います。

東京の問題については、管理人さんがやられている分野についても共通しますよ。本人訴訟自体、「弁護士を選任した方が良い」と促す裁判官も多くいます。
東京地裁の本人申立破産のケースと類似の理由からです。

つまり、分野云々ではなくて、いかにレベルの高い書類を作成するかにかかっているといえるでしょう。

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