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香ばしいにおいの理由

 これは先日の記事『ハードディスクがありません。』の後日談です…と言ってしまえば、そのタイトルからPC自作経験がある方にはすでに落ちが見えてしまったかも?

 さて、突如ハードディスクの認識を絶ちたる精鋭サーバマシン『早鯖84号』、迎え撃つは自称旅行書士すずきしんたろう、零細事務所の円滑な書類処理環境=ハイ・ローミックスの維持を賭け、両者の激突の結果や如何に?

 …と、昔なつかし活動弁士風にいうと(←プロジェクトX風に、とか、本当は怖い家庭の医学風に、などもありまして、面接相談時にときおりお楽しみいただいておりますがそれはさておき)そんな感じのあらすじを経て、昨晩。

 様々の試行錯誤をへて、とりあえず筐体の中を拝んでみないとどうもならん、と判断し、電源コードを引っこ抜いて、約2年ぶりに側面パネルを外してみました。そのときです。


かすかながら樹脂由来の、まるで遠くの火事を思わせる香りにふれたのは。


 ↑ものの本で見たワインのテイスティング風に言うとそんな感じ、になるんでしょうか?

 さて、しかしながら基板および各ケーブルには外傷がありません。電源投入にともなって始まる諸動作にも問題はなく、当初安直に考えた、「なんらか理由があってハードディスクへの電力供給がとまった」という可能性も消えました。しかも。

 ひとしきりコネクタをさわり直してパネルをネジ止めし、ディスプレイにケーブルをつないで電源投入したら…何事もなかったかのようにWindowsの画面が。

 数時間電源を入れっぱなしにしておいても複数回電源投入切断を反復しても無問題。かくして、すずき事務所PC環境夏の陣は人間様の完勝に終わったか…にみえました、が。

 そこはそれ。わたくしも社会保険労務士でございます。ハインリッヒの法則ぐらいは知ってます。

 たった1回の焼損臭検知でも、それが300回繰り返されるうちに29回の焼損事故につながるかもしれません。

 その29回の焼損事故は、あるいは1回の火災死亡事案につながっているかもしれません。

 社会保険労務士たる私は決意したのです。これは、ヒヤリハット事例だ、すぐに対処せねばと。
(↑あ、かなり冗談入ってますんでよろしく。以下同様です)

 せっかく留めた筐体側面パネルをはずして、再度検査。電源付近からにおいが漂ってきたのでその辺を重点的に、必要に応じて指差確認しますが異常なし。各種コネクタについて『奥までささっている』ことの確認…OK!

 通電してみて電源から各ケーブルに触れて、加熱の有無を探ります…
電源 よし! ケーブル よし!(確認喚呼)

 筐体各部のケーブル・部品・ほこり・サビ・金属クズの接触等異常なものがないか…
上よし! 右 よし! 左 よし! 下 よし! オ~ル よし!(←という確認喚呼が某大手建設会社にはありましたが、これって今でもあるのかしら?)

 機能にも外観にも異常は見受けられません。調査を打ち切るか?

 その時すでに、焼損と腐食は回路を少しずつ むしばんでいたのです…

 という例の調子のナレーションが、タイミングよく頭をよぎります。

 だいたいこういう予感めいたものに限って必中してブログのネタになると相場がきまっており、ハインリッヒの法則に従う限りいずれは発火事案→労働者死傷病報告を要する重大事案へと坂道を転がり落ちて行くにきまってます(ってそりゃアンタの妄想だよ)。

 押してもダメなら、ひいてみな。

 とばかりに今度は、外せる部品とコネクタ・ネジを一度全部外してみることに決めました。そして破局は、常にいきなりやってきます。

 電源からマザーボードにつながる、ATX20ピンのコネクタだけが抜けません

 現象面として異常なのは、コネクタの左側は抜ける気満々なのに右側のどこかがまるで接着剤で固定したように動かないのです。

 この電源は僕が取り替えたものなので、コネクタを抜き差ししたことはあります。当然接着した記憶も無し。不可思議です。ここになにかあります。

 とりあえず本件事案の解決には強制力をもちいることに決定。和解より判決、任意の弁済より強制執行よ、とばかりに、樹脂製コネクタのオスとメスの隙間にドライバーを突っ込んでこじります。

 バキ!

 いかにも文字サイズ最大指定にふさわしい破壊音。コネクタは抜けました…が?

 20ピンあるうちの1本が、基板側コネクタに残ったままです!なんだこれは!

 樹脂被覆+金属製の導通部で構成されていて単にまっすぐ挿入されるだけのコネクタ部品が『折損する』。力がかかっておれたわけではなく、引っ張ったから切れた、と解釈すべきなんですが、そもそも人間様がちょっくらちょいと引っ張ったからどうなろうという強度ではないはずです。基板をよく見ます。

 原因発見!そのピンだけが焦げてます(呆然)

 わかったけれど、直せない(ペイしない)。原因はわかったが手術はできない、ということでこの基板は廃棄、と3秒で決定。今度は破壊OKで、遠慮無く周囲のコネクタを押しつぶしひん曲げながら、基板側に残ったコネクタピンを取り出します。抜けにくい抜歯作業をする歯医者さん、というのはこんな気持ちなのかしら。

 苦闘20分。コネクタピンは変わり果てた姿で回収されました。観察の結果わかったこと。

  •  コネクタピン金属部のうち、基板の先端部は異常がない。
  •  コネクタピン金属部のうち、先端から0.5mm~3mmまでの間が、樹脂が焦げて溶けたものでコートされている。この部分の金属部は特にもろくなっている。
  •  コネクタを被覆していた樹脂は全般に茶褐色に変色・あるいは融解・焼損しているが、先端部に異常がないこと、先端から1mm~3mmの間の損傷が激しく、手の指で容易に砕くことができる。

 以上のことから、基板上の異常ではなくなんらかの過電流がこのコネクタピンにのみ流れ、コネクタを焼損し溶着し、そのにおいが筐体内に残った。コネクタが抜けなかったのは溶着のため、コネクタ焼損とハードディスク異常の関連は不明、基板と電源はそれぞれ廃棄処分、という結果を得て本件事故処理は終了と相成りましたとさ。どっとはらい。

 ・・・で終わっては、残されたCPU+メモリ+HDDが宙に浮いてしまうので、こいつを収める中古基板を物色中です。早ければ1~2週間で、早鯖84号改の運用をはじめることができるでしょう。


 ところでこのブログ、最近使えるようになったアクセス解析によれば結構いろんな人がみているようです。僕のお客さまが監視用途に使っている(ちゃっと仕事してるのか・どこをほっつき歩いてるのか・等々の把握)のは推測通りでしたが、高速バスだのコンピュータだのと言ったキーワードにつられて来る人、司法書士・社会保険労務士・本人訴訟など法律系の人も当然いらっしゃる。

 今日の記事はMacをお使いのお客さま(この間いただいたハムですが、大変おいしゅうございました。ありがとうございました)にはかなり意味不明なものに仕上がっているはずですし、司法書士の受験生さんから見ても同様なはずです。社会保険労務士分野に近い方にはそこそこ(妄想満載で)楽しめる味付けにはなったかと。

 ある分野のはなしを、その分野への予備知識がない人に話して楽しんでもらう、これはなかなか難しいのです。相談をやっていると毎度毎度痛感させられます。

 だからと言って、いつも冗談や妄想やハインリッヒの法則にばかり頼っているわけではありませんよ。と未来のお客さまには申し上げておきましょう。

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