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2006年7月

三年で 破産。

 いよいよ会社をつぶすことになりました。

 おお、すずきの事務所もついに逝ったか、と思わないように(苦笑)

 もちろんよその会社の話です。より正確に言うならば、僕が破産に追いやった、という話。

 さて、大阪所在のこの会社およびその社長に対しては、今年2月の受託以来のべ三名の労働者から併せて

  • 一般先取特権による、売り掛け債権の差押え(請求債権約185万に対して全額回収)
  • 一般先取特権による、銀行預金債権の差押え(請求債権約275万に対して175万回収)
  • 110万円の支払を命じる勝訴判決の取得
  • 売掛債権に対する、債権仮差押え
  • 社長が従業員として働いている会社への給料債権に対する、債権仮差押え

といった手続きで回収・追及をはかってきたところようやくお手上げになったらしく、破産手続きに入ると言ってきたようです。

 さて破産されたら給料は回収できないのではないか、という考え方もありましょうが、この会社に関しては『9月末までに破産させてしまったほうが、全労働者に対する回収給料の総額は最大化できる』理由があります。

 関心がある労働者さんならご存じの、未払い給料の立替払いの適用になる退職労働者が、上記三名のうち1名、さらに手続き外でもう1名いるからです。この2名の退職時期から計算したタイムリミットとして、

 9月までにこの会社を破壊して、かつ社長を追い込んでお手上げにさせること

 という選択肢も、持っておりました。この時点で社長の自宅すら競売にかかっており、単に社長がダメだからつぶれる会社だ、ということは明白だったので。もちろん奇跡的に立ち直って全額弁済してくれることも一応考慮はしましたが…7月に至って分割払いを滞らせてくれました。なら今月中に、知れている取引先&勤務先を債権仮差押えで絨毯爆撃しまえば、のこり2ヶ月でぶっ倒れるだろう、と。仕掛けてみたら案外速い反応でした。もう一月ぐらいじたばたするかとおもっていたのですが、たぶんこの社長には交渉能力が欠けているのでしょう。他人事みたいな感じで破産に入ることを通知してきました。

 コンテンツのネタとしては絶好のものを提供してくれたこの社長ですが、あちらさんにはまだ誤解があるようで、今回断行した仮差押えではべつに債権を確保できずともかまわない(あればハッピーですがね)、というしくみになっています。前述のとおり

 取引先に信用不安情報をばらまければ、それでOK

 ですから。よそより安く仕事するだけが取り柄であるうえに、取引先がわりと特殊な世界の零細ベンチャー企業なので、怪しいぞと噂をたてればみんなドン引きします。つまり、仮差押えにはそうした副作用もあって、今回は積極的にそれを狙って使った、少なくとも、計算に入れて申立時期を決定した、ということ。

これで給料立替払いが使えなければ、

破産だけはなにがなんでも避けろ

という方針にならざるを得ないのに対して、使えるならば

破産させてしまえ。どうせ潰れるならば速く

と、文字通り正反対の方針になります。なお今回零細企業なので、事実上の事業停止でも立替払いの対象になるところ、この社長すでに労基署にご出頭のうえお手上げの意思を伝えたということ(労働保険料も滞納してますのでね)で、僕のお客様が立替払いの適用を受けるのは確定です。

 かくして。現状で延べ2回の強制執行と3件の仮差押え、1件の勝訴判決と1件の債務弁済契約後の任意弁済若干、最後に未払い給料立替払いを使って、現時点では手取り給料の約70%弱(当事務所の料金・実費等手続き費用考慮後)を回収できた、ということになります。単純に債権額と回収額だけを比べると、59%。

 破産寸前で年収1年分の債務超過と社長の給料1年分以上の使途不明金があって、銀行預金はつねに残高数千円、売り掛け債権はあるのかないのかわからない、社長は謝罪ひとつ口にしない不良外人で、関係企業の経営者もスピンアウトしたのかリストラされたのか不明の無責任男だの日本語の契約書一つ満足に書けない怪しい御仁だの、しかも敵の所在地は大阪で当事務所は名古屋、とひとしきり無茶苦茶な条件を取りそろえてのこの成果、なので一応お客様にはご納得いただきたいのですが…だめかしら?

 だってこの案件、たとえば弁護士に委任して勝訴判決取って25~20%、その後強制執行してさらに数%~10%は確実にもってかれるんですからね。もちろん、手続き中に破産されたらもっと悲惨な結果になることは当然です。そこでは、彼らの着手金の高さがそのままコストロスになって効いてきます。

 うまい具合に一般先取特権での差押えに慣れた弁護士さんに会えればコスト面ではまだしもですが、どうもそれってあまり期待できない、ということは大阪地裁執行部における(ナ)号事件=債権及びその他の財産権を目的とする担保権の実行及び行使事件の番号をみれば推測できます。毎月20件程度としか思えない申立のすべてが給料債権担保のための一般先取特権実行というわけではなく、先取特権として比較的知れている動産売買の先取特権に基づく申立が相当数入っているはずだから。

 とか、言ったって。
そりゃお客さまからみれば悔しいし不本意に決まってます。メールなんかで気を遣って喜んでみせてもらえると、こちらも一層つらい。

 もちろん適当に引き延ばして破産されるよりよほどましなのですが、なら破産を避けていれば全額払ってもらえたんじゃないの、というファンタジーの存在可能性を突きつけられると、そりゃ可能性としては絶対ないとは申せません。お客さまの心情として、これだけの犯罪行為に関与した企業が破産という形できっちり消滅することになにがしかの価値を見いだしてもらえるか、それは彼らの内心の問題です。少なくともこの案件では、僕がお客様と気持ちよく勝利を共有することはできないでしょう。残念ながら、ね。

 さてさて、いろんな悩みや迷いはあるのですが、とにかく敵が破産に向かうことになった、これで『実績としての、最低の回収額』が確定しました。

 そう、ここからなにもしないならば、確定。

 ここから先は仕掛けて成功すればさらに上積みを目指せるので…

 僕としてはまだやるよ、破産と言われたからってそれで勝負を投げるつもりはないよ、と申し上げておきます。

 さしあたってはこの社長個人の破産申立に際して、免責不許可事由にあたると言ってみましょうか。いま手を見せられるのは、そのくらいですかね。

 世の司法書士さんの大多数は『破産を手伝うひと』。

 これに対してぼくは『破産においやるひと』。

 うーん。われながら妙な立場になったもんだ、と思います。それで労働者が助かるなら、今後もそうするよ、と、これだけは確信を持って言えます。

 さ、今回潰すことになった会社は、登記上の設立から3年ちょっと。

 僕の事務所は8月1日で、創立から3年立ちます。

 今年初頭によその事務所の3周年式典、というのにでましたが、これはこれで○○な、という感じ。まさに三者三様の三年ですが、そっちの事務所は鉄壁の財務基盤を確立しつつあるようですから、次の三年ではまず僕が脱落しないように注意しませんと。

ここは光と風の事務所です

ここは光と風の事務所です

ここは光と風の事務所です

 と、お客さまに言うと大体のひとは「ふへっ」とばかりにうつろな笑いをもらすのですが、名古屋市とはいえ地下鉄の終点駅から徒歩10分のこの事務所から見上げる空は青く広く、地上8階建ての7階・東南角部屋にあたるこの部屋はいつも風が吹き抜けて、夏は大変快適です。
 今日は南北方向の風が吹いているので、この風が収束する部屋=一番北側、玄関の脇の相談室へ移動して仕事中。窓から外をみれば、手の届きそうなところでトンボがひとり空中散歩を楽しんでいます。法務局本局だの裁判所だのがある都会ははるか向こうにかすんでいます。これでもう少しお天気がよければ木曽御岳がみえようか、という、いかにも浮世離れした代書人の事務所にふさわしい物件です。
 
 作業としては相変わらずの勤怠入力で、時速60枚強のペースで入力はできます。ただVDT作業ですのでいちおう厚生労働省のガイドラインに従って休憩をはさむ(笑)関係上、数時間にわたる作業での実質入力速度は2割減程度といったところでしょうか。いずれにせよ今週中に入力をおわり、計算を始めないといけません。
 今日明日は来客予定もなく、先週は妙に頻発した『いきなりかかってくる電話』も鳴りをひそめています。これは大変結構なことで、机上作業は淡々と進みます。先月までに依頼を受けた裁判書類はなんとか今月中に出荷を終えて気持ちよく創業三周年を迎えられそう。
 
 と、昨日とはうってかわって牧歌的なことを申し上げておりますが、これも先日放った仮差押えがどうやらヒットらしい、からでございます。現金なものだといえばそうですし、一つ一つのしごとに思い入れが強すぎるがゆえ、という言い方もできましょう。むかし当事者いま受託者とはいえ、平然と見ていられない事案ばかりなので。まずは今月の最重要事案が、一つの関門をクリアしたことを喜びながら、午後ものんきに作業をすすめましょう。

『無理せず頑張ってください』って

 ねぇお客さん、その指示がぁ、

 一番無理っ

 ・・・という話です(誰もわからんな。このメールをくれた本人以外)

 さて一口に、給料未払いの回収と申しましてもさまざまな事案がございます。会社の状況、労働者の意向、手持ちの証拠、ほかの人たちも助けるのかどうか、等々。そしてなにより、当事者でありお客様である労働者本人が、なにをしたいのか。何を以て目的達成とするのか。

 だから単に『給料未払い』だけで検索をかけてどうにかできる、なんて発想自体が暴虎馮河の類なのですが、それはさておき。

 こちらの都合として一番結構なのは『なにもしなくても・あるいは労基署への申告程度で払ってもらえる事案』か『とにかく訴訟やって勝ってしまえばあとはどうにでもなるだけの、財産持ってる会社相手の事案』。いずれも、コスト的にはペイします。

 そうでない案件に色々困らせられるのですが、破綻寸前のベンチャー企業の馬鹿社長が相手でしかもその馬鹿が日本国籍を有しない、という事案を一つ持っています。

 ここで国籍といいましたが、別になんらか差別につながる発想ではございません。正確には、日本人であれ在日○○人であれ労働者に給料払わないなら、そいつは経営者として失格のロクデナシだ、という点では同じ、ってこと。当事務所では被告として平等に扱います。ただし、後々の紛争処理の難しさを考えるなら、日本国籍をお持ちでないかたが代表者を勤めておられる零細企業においては、給料未払い発生時にはなによりさっさと逃げることを特におすすめします。

 さて、この連中相手のなにがイヤかって、あくまでも外国人なので住民票や戸籍謄本から身分関係や住所を追尾できないことなんです。つまりあくまで技術的な理由で、彼らを相手取った場合には難易度が一気にあがります。

 単に会社を叩くだけなら別段支障はありません。商業登記で捕まえられますからね。

 でも、腹黒い代書やさんが陰で気を利かせて…

 アレでナニな状況をうんぬんかんぬんしてなかばどさくさまぎれに社長個人としても連帯債務を負わせることに成功しました♪実印押させて個人の印鑑証明書持ってます♪

 なんて場合には、会社と同時にその馬鹿社長も遠慮無く強制執行の対象にできる、わけで。(具体的に何をしたらそれができるのか、は企業秘密です。あしからず)

 でもせっかくそうできたとしても、上記の技術的難点が立ちはだかります。

 しょうがないから社長個人に、未払い給料に関する債務承認弁済契約書に署名捺印させるときに『転居時の住所通知義務』を一項設けて、それをサボったとたんに期限の利益喪失、というような(まるでサラ金並みの)条項を入れても見たりしますが、問題としては期限の利益喪失後の仮差押えや本訴提起、その後の強制執行にあるわけで。

 それを脇から見ているお客様方は、僕はそんなに無理せず書類作って手続きやって…と思ってるのかも知れないけれど…

 実際にはもう、かなり無理してます。今後も無理しますよ。ええ。

 どちらかというとこの社長とその会社が吹っ飛ぶところを、僕個人としてもぜひ見たい、というかなーりゆがんだ情熱で辛うじて動いてます…がなにか問題でも?

 ともあれ。8月最初の出張はこの馬鹿社長に対していよいよ本案訴訟提起、そのために高速バスで某地に出かける案件になる予定です。タイミングが合えば、創業三周年の8月1日を旅先の裁判所で迎えることができましょう(少しだけ…イヤだ)

 ちなみに。高速バスで片道3時間強かかるそこへは、この案件ですでに5ヶ月間で12回、さらに他の用事と絡めて2回行っております。うち片道だけ新幹線をつかわせてもらえたのは3回(26分の3)、受け取った出張料金は累計0円!

 いくら労働事案では出張料金とらない旅行書士とは申せ、そりゃアンタこれだけやらされりゃ、依頼人を恨むか社長を恨むかしますよワタシでも。と言うことでお客様には笑顔で、手続き進行方針としては積極的かつ攻撃的に(こちらが示した回答期限に一日遅れたらサクッと仮差押えをぶつける、とか)進めてまいりますよ。これからも!

 ただ…

 来たる8月1日より、新規に受託する旅行書士業務については、それがたとえ労働事案であっても、出張料金を上限1日3000円だけ=つまりご飯代だけいただくようにしようかと思うのです(泣)

 って結局、業界標準から大きくはずれた無理無理な報酬体系で受託を続けることに変わりないような気もします。はぁ(溜息)

 せめて各県に一人や二人は出現して欲しいです。社労士なみの知識を持った、しかも労働側で、かつ値段の安い司法書士。そうなるまでは旅行書士の仕事をつづけないといけません。

 これが一番、無理な願いなのかもしれませんが、ね。今日は午後から警察署に行ってきます。別になにかやらかしたわけではございませんが、ネタにはなるでしょう。

今日も今日とて勤怠入力

 さて昨日のブログに対してさっそくコメントをいただいておりますが、さすがの冴子先生も労基法は専門分野じゃないとのことで、オペレータの嗜好とセンスに依存した使われ方しかできないのはExcelも三四郎もおなじようなもんだ、ということでしょうか。以前の勤め先ではExcelをワープロの代わりにしている=行送りという概念が全く欠落しているアホ課長代理、というのを見たことがありますから、下には下がいる、ってことですね。

 さて今日から、別の割増賃金請求訴訟の訴状に付ける別表の入力作業開始です。そのお客様にだけわかるように言うならば、

 一日で日報複数枚あるってのは反則でしょー(笑)

 って事案(笑ってますけど怒ってないですから、大丈夫です)。

 やっぱりこれまでの入力様式から、一ひねりする必要は出てきています。

 最初に考えたのが日報毎に『第一の勤務』『第二の勤務』…と横に並べて、一日の日報記載実働時間の合計をだして、労基法32条2項(1日8時間越え)をチェック、さらに同条1項(週40時間越え)のための累計を行うか、と思ったのですが表が妙に横長になりそうなので却下、縦に並べてどうにかしてみることに決めました。大丈夫!プロフェッショナルがどうにかしてみると言った場合には、たいていどうにかなってしまうもんです(遠い目)

 それに、僕は別表に証拠方法を付記するのが趣味なのですが、縦にひたすらならべれば日報ごとに証拠方法の付記欄が設けやすい気もしましたし。

 えぇところで、僕は旦那様でもなければお帰りなさいといわれて瞬時に『ただいま』と切り返す嗜好もない単なる鉄ちゃん(鉄道ファン)ですので、昨日のコメントをお読みの方には念のためお断りを。単に余所の事務所より遊びごころを重視した事務所運営をこころがけている、という程度、でございます。

 昨日のコメントの執筆者様におかれましては、その辺もご留意のうえ、社会保険労務士倫理綱領第一および第四の精神にのっとって、相互の信義に立脚した投稿を行って当ブログの品位保持へご協力いただきますよう求めます。

 ・・・あ、なんだか笑いが・・・ぐはっ。

三四郎で勤怠計算を

 むかーしむかしの、そのむかし。

 それはまだフロッピィディスクが5インチで、パソコン買ったらN88-日本語Basic(86)が標準でついてきた、そんな頃。

 両親に頼み込んで生涯最初のパソコンであるPC-9801DO(V30搭載機)を買ってもらった僕が、嬉々として始めたことがあります。それは、

 Basicでプリンタを直接制御して、ワープロのようにつかう

 こと。時代錯誤すぎて言ってることがわからない向きもあるでしょうが、当時はワープロソフトも馬鹿高く、その辺の高校生がちょっと買ってもらえるものではなかったのです。いまから16年前ですからプリンタも24ドットの熱転写なのですが、それでも昔も今も字が下手で、小学6年の時には担任教師に散々にいびられたのが今も忘れられない僕としては、『僕が望んだ文字が望んだ位置に活字で(笑)出力できる』夢のようなキカイ、だと思っていました。

 そのせいで、というべきでしょうか。いまでもちょっとした作業は簡単なプログラムを組んで行いたがる、という悪癖(作成時にひどく時間をむだにする)があり、かつ、VBAがなかったころからアプリケーション内に標準でマクロ言語を持っていたジャストシステムのアプリケーションを使い続けることになって今に至っています。

 ここでようやく標題に戻ります。当事務所では

 ExcelおよびWordを運用しておりません

 今後も導入しません(断言)

 ということで今まで数々のお客様に迷惑をおかけしながら(事前に断り無くExcelのデータを送りつけてきた相談希望者に、以後の依頼受託不可を宣告したこともあります)かたくなに一太郎&三四郎を使い続けて来ております。

 残念なのは、ことに三四郎を使いこなす人のコミュニティがあまり大きくないであろうこと。自然と、その一分野にすぎない『労働時間の計算』なんぞの情報がホイホイ手に入るはずもなく、結局のところ自力更正をうたいながら一人の世界にはまりこんでいくことになってしまいます。

 特にこの事務所の場合、『本人訴訟をやることを大前提として』=つまり、法的に正しくかつ普通人が読んでわかるように各人の労働時間に対して適切な意味づけをくわえていかなければなりません。

 たとえば労基法上の割増賃金支払い対象時間だけでも時間外・休日・深夜の3種類。時間外労働の時間は労基法32条1項(週40時間超過)と同条2項(一日8時間超過)を理由とするものに、さらに別れます。この辺で市販の簡単なソフトやフリーウェアは完全についてこれなくなります。

 さらに『契約所定外の労働』を取っても通常の賃金を支払えばよいもの(いわゆる法内残業)、割増賃金の支払いを要するもの、後者は週40時間超過か一日8時間超過かで記載を分けねばいけません。

 さらにさらにオソロシイ事案では労働者の出勤日や労働時間さえ特定しないまま時間外や休日労働割増賃金の請求を推定してでっち上げてしまうこともあり、『労働時間は誰かが把握できているもんさ♪』という牧歌的な大前提に立つ世間一般の労働時間計算用ソフトウェアはぜーんぶ、使用不可、になります。

 それらの作業を全部、当事務所では三四郎を駆使してやっております。当然ながら『あたらしいことをやる事案』ではヒイヒイ言いながら論理判断してフローチャートを書いてif関数を二重三重四重に組んで云々、という作業を強いられる、その代わりに首尾よく完成できれば以後の同様事案への対応がひどく楽になります。その辺は個々のお客様には黙っていることも多いですがね。

 今回やっているのもなかなか手強くて、手計算するなら=人間のアタマでは簡単に判断できるのですが、出勤と退勤に定時の概念がなく、それらは当然深夜や未明におよぶこともあり、当然ながら休憩時間も通常の時間にも深夜にもなり、暦日をこえる勤務はあったりなかったりするし、一回の勤務は2時間のときも18時間のときもある…

 そんな事案の割増賃金を、つまり割増賃金支給対象労働時間を厳密に分類し確定し作表し計算せよ、というのが今のしごと。なんとか目鼻がついたので呑気にブログなぞ書いておりますが、関数に依存するのとマクロで連続処理するのとどちらが良いのか、迷いがあるところです。

 無理に論理判断を関数でやろうとすると、関数を階層の深い入れ子構造にせざるを得なくなる=わけがわからなくなり流用がつらくなります。

 マクロを組むのはいいのですが、労働時間の入力後即時に計算結果が表示される形にはならなくなることと、入力する様式や位置が変わるたびにマクロ本文の修正を要するのがしんどいです。

 さて、どうしたものかしらん。

 ちなみにEcxelでは、どうやったら労基法所定の深夜労働時間を正確に抽出できるんでしょうね。三四郎ではワークシート2枚(入力用と論理判断・計算用)および最大で3重にif関数を入れ子にする必要があるやに思えますが…

 ちなみに条件としては

  1.  オペレータが入力するのは、出勤時刻と退勤時刻のみ。汎用性最重視。
  2.  定時の概念は存在しない。いつ出勤し退勤しても正確に計算しうること。
  3.  暦日を越えて勤務する場合があるが、24時間を超えて拘束されることはない。ただし、暦日を越えることを明示的に指定して入力することはしない。

 ま・さ・か、労基法所定の論理判断を完璧に行う関数が実装されていて、それを使うだけ、になっている、などということはないと思いますが、もしそうならいよいよExcel導入も考えてみませんと(無節操な)

 そんなことを考えているうちに、拘束時間が24時間を超える依頼がきてお手上げ、というのもあり、かも?

 ところで、もし三四郎ユーザーで本人訴訟のためにこうした計算用ワークシート(で、とにかく動き、裁判官の審査に堪えるもの)が欲しいという奇特な方がいらっしゃいましたら、いくらでもおゆずりしますよ。

何かが…おかしいぞ

 飛び込みの問い合わせ電話が毎日入ってくるなんて(爆)

 もともと当事務所の電話は『数日にいっぺんしか鳴らない』ようにできているはず=電話受付中の表示を出していても電話はかかってこないのがデフォルトの設定で、一日3回以上通話すると設備かオペレータかどちらかがおかしくなる(たいていは後者が壊れる)はず、なのですが、このところ毎日四回も五回も電話が僕を呼びつけて困ります。これでは書類の起案が進まない。

 ※実は訴状起案中は、電話の音を切ってあり、電話機のリレーの作動音で着信があることを察知して電話にでる、ようにしてあるのです。でないと本当に電話を破壊したくなることがありますので。

 さりとて頭からことわるわけにもいかず、受付表示をだしている以上でないわけにもいかず、電話取ったら取ったで皆さん妙にせっぱ詰まっておいでです。

 だから聞いてしまう→時間経過→料金請求不能→作業停滞→鬱→最初に戻る、の繰り返しが4日間ほど続いています。

 これはまずい、です。これでは新件受託も既存の作業の消化もおぼつかない。

 困ったときのなんとやら、でもう一回問い合わせ受付停止の札をかけて引きこもるのも悪くないのですが、そうすると引きこもったまま創業三周年(8月1日)を迎えることになってしまう…でも机の上には重さ2kgはあろうという作業日報が入力を待っている…と。ただいまこちらは、入力前の準備中。

 来週からはこいつの解読と入力と集計に明け暮れる(狂奔する、ともいう)ことになりますんで、電話でのんびり話している時間がありません。となったら?

 いっそ、実家へでも逃げるか?片手におみやげの紙袋、もう一方の紙袋に入力用の日報○百枚持って。ウェブサイトには、<バカンスのため依頼停止中>とか表示して。

 かなり真剣に、考えてしまいます。旅行書士というより逃避書士、になる、のは魅力的かも。

 そしてこう言ったら言ったでまた一層待ち行列が長くなるのは、一体なぜなんでしょう?

 あるいは逆をついて、多忙の絶頂にあっても『ああ、今日もヒマです』とかってブログに書けばかえってヒマになる、とか?

給料未払いだけ…ではないのよ

 この事務所の仕事は。と、どこかに明示しておかないといけないですか?

 考えさせられるきっかけになったのは、例によってめったに鳴らない事務所の電話です。ご丁寧に名前を告げられたお客さま、いきなり

 そちらでは…労働相談みたいなものしかやらないんですか?

 最近妙に労働紛争がらみの売り上げ比率が増大しており、それは経営上あまりよいことではない、と気にしているところにいきなり図星をつかれた形になって、思わず動揺が声に出ました。

 あ、あはは…(←裏声)べつに労働紛争だけやってるわけじゃぁありませんよ(←遠い目)

 ただ、件数としては労働紛争での裁判書類作成のほうがそれ以外の事案の裁判書類作成よりずっと多い、というだけ。この事務所でも一応、一般的な金銭トラブル解決のための裁判書類だって家事調停の書類だって作ります。積極的に宣伝してはいない、というだけのこと。

 でも。今年にはいってそんな問い合わせがパラパラっと入り出すようになっています。しかも受けたら受けたで、この事務所が持っている妙な機動力が生きてくることがあったりします。すでに労働紛争以外の裁判事務だけで、東京に2回調査・相談に行き、三重・大阪には各一回現地調査に出ていますから。原告と被告が離れたところに住んでおり、かつ相手方への迅速な調査が必要、というような場合には、なるほど旅行書士業務として受けてあげたほうがいい、気がします。

 これから相談が始まる事案も、そんなことになるようなならないような。企業を向こうに回す性質をもつようなので、導入したてのtsr-van2はさっそく実戦投入になりそうです。結構結構♪

 やはりこの分野=労働紛争以外の裁判事務・本人訴訟の支援も、もう少し『依頼受けますよ!』とはっきり打ち出した方がよさそうです。受ければ受けたでやりがいはあるし、なんと言っても旅行書士業務につながるならば(笑)

 さあ、今日から夏の青春18きっぷのシーズンです!

 大阪へ出張相談?

 栃木へ裁判傍聴?

 福岡へ現地調査?

 はは、交通費なんてそんな、心配するほどにはいただきません、って。

ナゼか夏に伸びるアクセス

 ここ1~2ヶ月で、妙に当ウェブサイトへのアクセス件数が伸びてきています。それまでの平均値の、およそ3割増しといったところ。年初を基準に見れば、2倍から7割増、ぐらいでしょうか。ただし、昨年同時期の2割減、くらい。

 思い当たる理由は3つ。

  1.  前年同時期には、持ったばかりの独自ドメインとそれまでのURLが混在しており、定着していた従来のURLへのアクセスが結構あった。反面従来のURLを切った9月以降、アクセスは約3分の1程度に激減している。
  2.  前年同時期は、一種の流行としての『年金未納』が問題になっていたので、この件で検索をかけてくるひとが多かった。
  3.  先月末頃になって、ようやく『給料未払い』でYahoo!の検索を行って上位10位以内に当ウェブサイトのコンテンツが表示されるようになった。

 理由1.と2.は、いわば天災と人災に翻弄されただけなのですが、3.は一応…地道な改善活動の成果、でしょうか。これとタイミングを合わせて、なぜか一気に4割ほどYahoo!からの流入が増えました。これまたナゾ、ですが、あちらも検索システムが徐々に改善されてきている、ということなのかもしれません。この間ずっと、googleは安定的に人を呼び込んでくれていますから。ただし、季節的な変動=夏に向けての根拠無きアクセス増加、は去年も今年もあるようなので、これをどうしたものか考えてしまいます。どうせ秋には枯れると無視していいのか、なにか仕掛けていいものか。

 ちなみに検索ワードで最近一番大きく伸びてきているのは、やはり『給料未払い』。ここ一ヶ月での検索ワードトップ5は、

  1. 給料未払い(5.0%)
  2. 司法書士(4.6%)
  3. 料金(2.9%)
  4. 給料(2.4%)
  5. 給料不払い(2.1%)

このほか7位に、『未払い』(1.8%)が着けています。『給料 未払い』で検索すると解析上別個の単語に計上されるので、実質上は給料未払いと評価できる検索語がぶっちぎりの第一位になってもおかしくない状態。ちなみに4ヶ月でみると、仮にも司法書士の事務所ということで検索語の使用頻度第一位は『司法書士』になっていて、

  1. 司法書士(4.4%)
  2. 給料未払い(4.2%)
  3. 料金(2.8%)
  4. 給料(2.2%)
  5. 報酬(2.1%)

で、『未払い』(1.7%)は、やはり7位。つまり、『給料+未払い』が検索語の影の第一位であることは変わりない状態です。

 コンテンツの内容にさしたる変化がないまま、労働紛争関係各コンテンツに対する検索ヒットの頻度が上がってくる傾向、というのは前年同時期もあったのですが、要はこれって、4月に働き始めた人たちが現実に目覚めてしまう時期、ということなのでしょうか。あるいは、夏のボーナスをもらってさっさと転職をご検討、あるいは勇をふるって未払い割増賃金請求でもやってみよう、とでも?

 確かにそんな話もちらほらと、相談として聞こえてきます。今期はもう、ドメイン移転のようなウェブサイト運営上の大イベントがないので、今秋以降どうなっていくか、が楽しみです。

 なにしろ集客経路の95%以上を、インターネットに依存していますので。

零細事務所の静かな午後

 先週までの狂騒状態はどこへやら、淡々と(事案の煩雑度によっては、静かに狂いながら、ということもあるが)割増賃金支払い請求訴訟の訴状に添付する二人三十数ヶ月ぶんの勤怠記録兼割増賃金計算表を作っています。午後に入って、お天気がよくなってきました。

 お天気がよくなったからではないはずですが、めったに鳴らない電話が3件。2件は(タイミングを合わせたように)司法書士に関する勧誘の電話。残り一件が…楽しい相談でした。

 聞けば先週全面勝訴の判決をとったお客さまから。「その案件とは全然ちがう」とのことですので一瞬緊張しましたが、10分ほどお話を聞いた結果、単なる架空請求事案と判断。適当に笑い飛ばして心配無用と断言し、20分ほどの相談を終えました。

 当然ながら、これでお金をとろうはずもなし。結果的に無料相談になっているのですが、別にかまいません。この事務所ではすでに有料の依頼をしたことがある方にだけは、無料相談が(かなり大規模に)残存しています。そういえば昨日も一件30分ほどそんな無料電話相談をやってしまったのですが、ま、せいぜい便利に使ってほしいものです。既に依頼を一度されている方、というのは当事務所に価値を見いだしてくれている方なので、損して得取れ的なリターンがかなりはっきり期待できますから。

 おもしろいことに、『無料相談あります』とウェブサイトで言っていた十数ヶ月前と比べて『相談1件1000円から』と言う現在では、電話で飛び込んでくる相談件数は20分の1以下に、つまり、毎日1~2件かかってきた電話が月2~3件程度になっています。それでも売り上げって、かわらないどころか伸びているくらいなのです。

 そんなことに気づいてしまって僕は無料相談を辞めた→その代わり、世間相場からすれば異常に安い料金で初回の相談を設定したのですが、他の『相談無料』を標榜する事務所って、いったいどうやってるんでしょう?真っ正直にやってたら労務倒産しかねないはずだから、適当にあしらうか有料の依頼を取り付けるための営業トークに狂奔するかしないといけないはずなのですが、ね。

お天気が悪くなると…

 当事務所のIP電話は調子が悪くなります。特に、かみなりさまが苦手のご様子。お客さまにはあらかじめ断って話を始める(ユーザーフレンドリーなんだかどうだかわからない)のが、雨天時通話のお約束なのですが、

 この事務所のほかにもあるんですね。雨がふったらクオリティが落ちるオンラインサービス。『インターネット登記情報提供サービス』の、お知らせの欄に


●現在、大雨の影響のため、長野地方法務局伊那支局の管轄する不動産登記情報が請求できない状況となっております。
 大変ご迷惑をおかけしておりますことをおわび申し上げます。


 そりゃすごいぞ。さすが、雨で不通がお約束の飯田線がある街の法務局は違う。と適当に納得しましたが、一体どうやったら雨で登記情報が請求できなくなるのかしら?

※今日は一日、訴状添付の別表作り。作業の息抜きごとに細かいネタをいくつか書いてみようと思います。

元気に育てよ、僕らの投信

 それは2年前の5月のことです。

 司法書士登録後、最初の依頼をくれた親友から、少々多め=世間相場並みに報酬をもらってしまった僕は、当事務所報酬額基準との差額約5万円を1万円ずつに振り分け、5種類の投資信託を買うことにしました。日本株式インデックス型1万円、海外株式インデックス型1万円、海外債券インデックス型1万円、中国株式を投資対象とするもの1万円、そして、金鉱山の株式を投資対象とするものに、1万円。

 事案の性質上、併せて彼の遺言執行者になることになった僕は、彼にわざわざ『遺言執行者は…鈴木慎太郎とする。なお報酬は支払わない』と遺言に書かせたうえで、この運用益を以て万一の遺言執行事務が生じた場合の報酬に充当することに、勝手に決めたのです。

 時は流れて。あのころ1100~1200だったTOPIXは、きょう1475。ただし、各株式型の投信は昨年末~今年早々に売り払っておいたのです。3~4月には、これは誤断だったかと思いましたが満更でもない様子。そして、最後に残しておいた1種類の投信=メリルリンチ・ゴールドメタルオープンBコースの預かり残高明細書が、先週証券会社からやって来ました。

 分配金の再投資=半年に一回の分配ごとに同じ投信の受益権をひたすら買い続けるようにし、保有口数を徐々にふやしていった結果、当初1万口弱だった口数は12229口。

 そして、この投信の基準価額は現在、16432円。つまり。

 12229口×16432円÷10000=20094円(税引き前)

 この2年で、購入時に取られた3%の手数料、分配毎に利益に課税された所得税・住民税10%、その他もろもろのコストをものともせず、そして購入時の期待を裏切ることなく、2倍にまで成長してくれました。大変満足です。

 もともとこの投資信託、投資対象が『金鉱山をもってる会社』なので、『世界情勢が不安定になると(金価格が上がる→金鉱山の収益が改善する→金鉱山会社の株式が値上がりする→)値が上がる』傾向を持つこの投信、分散投資の対象としてちょっとだけ持ってるのが、開業前からのお気に入りだったのです。

 他の株式型投信と逆の傾向で動く上に値動きが見えやすいので、たとえばイラク戦争の時には開戦に向けてちびちび買い増して行って、米軍バグダッド突入で(終戦間近と判断して)一斉に売り払い、さっさと日本株式インデックス型に乗り換える、なんてやりかたで何度かいい思いをさせていただいています。近頃は海の向こうの怪しい国がミサイルをぶっ放してくれたり(イスラエルのレバノン空爆の方がインパクトが大きいのかしら)、まぁいろんなところでそれなりに不安定な世界情勢を反映してこの投信も着実に基準価額を伸ばしてくれておりまして、当分はホールドしておく予定。こんど8月にある分配金も楽しみです。

 だから、というわけではないけれど。

 あの『宝くじ』って…僕はつまらないと思うのですよ。抽選日までの数週間しか楽しめないし、投入したお金に対して統計的に期待しうるリターンは50%程度のはずです。

 だったら投信買って1年目をつぶっていた方が、ローリスクローリターンのギャンブルとしてなんぼか楽しめる…というのはもちろん、考え方として不純ですけどね。さらに考え方を変えましょう。

 1万円から参加できて、こと投資判断という点での自分の見立てが正しいかどうかを試せる練習問題としての『投資信託の分散購入』はなかなか悪くない、と思うのですよ。その点でも、確実にお金を失う手段=夏の宝くじ売り場の行列を見るたびに、なんだか不思議な気持ちになる今日この頃、です。なにしろ僕の事務所の電柱広告は、株式投信の運用益だけで買ったぐらいでして。

 え?それもある意味間違ってる、とおっしゃる?

見栄の代償 1500円

 いまのところ全国唯一の『旅行書士』を標榜しております当事務所。知らないところにいって現地調査から裁判所での手続きからいろんなことをしてあるく、という仕事の性質上、大小様々な失敗を出張ごとに繰り広げています。というより僕が出張でやってることの半分は『失敗をなかったことにする』ための諸作業といってもよいくらい。

 7月7日の出張では、その『失敗をなかったことにする』ために…ちょっとお金が必要でした。

 当日行ったのは、大阪駅にほど近い某所での現地調査。これから予定している債権仮差押え申請のために、敵の潜伏先=債務者会社の新しいオフィスが入居しているビルの現状を調べてくるのが目的です。名古屋発朝8時ちょうどの名神ハイウェイバスはその日、45分ほど遅れて到着。調査にさきだって、お客さまと打ち合わせをかねて昼ご飯にします。

 これからの申請に備えて、縁起を担いで『カツ』に。とんかつ定食をいただきます。これが午後12時30分頃。

 調査先は、そこから徒歩で10分くらいでした。ビルの外観・面積・管理業者・表札・集合ポスト・入っている郵便物等々・写真にとれるものは写真にとって…データを整理したいのですが、いくら冴えない雑居ビルとは申せ、集合ポストの前でそんなことやってたら間違いなく不審尋問を受けます。さて喫茶店とかないかしら、と探して歩くのですが、時間が時間だけあって勤め人の皆様で満席になっているかコーヒー一杯500円、みたいなところばかり。

 探し歩いているうちに。ちょっと落ち着いた雰囲気のお店が。上はホテルということのようですが、カフェレスト、って言ってるようだしランチ1200円ということは、飲み物一杯ならそう大した出費でもないでしょう。

 入って30秒。犯した間違いを自覚するのに、時間はかかりませんでした。

 メニューには、コースを基本とするランチ4種類の選択しかなかったのです。お値段、すべて1200円。幸いにして、食後のドリンクはふくむようです。

 思わず意識が遠くなります。

右向こうのテーブルには、ちょっと怪しい実業家風の脂ぎった男とその愛人風の若い女。

左奥のテーブルには、こちらは奥様3人組。今年のサラリーマン川柳に出てくるような光景ですな。妻はセレブでおれセルフ、って奴だ。会話自体はセレブでも何でもないのですが。

 とかお客の品評をやってる場合じゃありません。思わず袖まくりしていたワイシャツをちゃんともどし、かつネクタイを締め直して背筋を伸ばします。ここではある程度真っ当な人間を演じないと…バブル紳士や騒音おばさんと一緒にされたくはございません。

 で、どうするか?選択肢は3つあります。

  1. 強攻。さっさと退出する。費用0円。ただし、この場でもっとも場違いな人間になる。
  2. 偵察。飲み物だけあるか聞いてみる。聞くだけなら費用0円。ただし、これまた自分が場違いな人間であることを、従業員に明示的に知られるのがイタイ。
  3. 同化。いかにも飯を食いに来た、という顔をして、そのまま飯を食って出る。費用1200円。外聞という点での問題は皆無。出費と腹具合に若干の難あり。

 迷っているうちに…ウエイトレスのお嬢さんが鈴のような声で話しかけてきます。ご注文はおきまりですか?と。思わず答えてしまいました。

こちらのランチで…飲み物は、アイスティーを。

 ところがところが。ウエイトレス嬢さらに『プラス300円で前菜の三品がつきますがいかがいたしましょう?』と。毒を食らわば皿まで、じゃないけれど…

お願いします(って自爆だ)


 これだけだったら、ただの悲劇(馬鹿話ともいう)でおわるでしょう。ところがところが、です。

 実はとってもおいしかったんです(ばんざーい)

 前菜に出てきた鮭のルイベの食感は、思わずにこにこしてしまうくらい。ブロッコリーの冷たいスープには、ちょっとほっとさせられました。メインディッシュは牛ヒレ肉のステーキを選択したのですが、「ああ、良いお店の肉は(少ないけど)違うねぇ…」正直、ご飯のお代わりが欲しかったです。デザートまできっちり残さず平らげたら1分後。

 「こちらは当店特製のロールケーキでございます…」

 二品目のデザートとして出てきたロールケーキにも綺麗にシナモンパウダーが散らしてあるところなんか、さすがにシティホテルだよな、と、またも幸せな溜息が出てしまいました。

 当日は緊急出張でバタバタしていたし、そもそも昼ご飯にコースメニュー、などというのは初めてなのですが、ああやってしっかり時間をとっていただく昼ご飯、というのもいいもんですね。とはいえ野郎一人で行ってもあまり楽しくない(おいしいけど)ので、お客さんを巻き込んで行ってみるのは悪くない、気がします。

 なんだかんだといいながら、この日の昼は90分の間に2人分、しかも第一の昼食はとんかつで第二の昼食はステーキがメインのコースというオソロシイことになってしまったのですが、この話、夜にお客さまと打ち合わせしたときに披露したら馬鹿受けでした。

 でも、本当においしかったんです!(ってまだ言うか)


 皆さんなら、こういうときどうされますか?

引き分けた、って 言っていい?

 狂瀾怒涛の一週間が、ようやく終わりました。

 前回のブログで触れた緊急出張は、実は大阪へだったのですが、これを皮切りに、大阪出張が12日、13日の2回、もちろん新幹線など使わない(使えない)ので朝6時台に家を出て夜11~10時台に戻る、その行き帰りの車中&大阪地裁8階の、眺めのよい廊下で陳述書原稿作成、作成した陳述書は14日午前0時すぎに名古屋地裁へファクス送付、14日午前10時から始まる労働訴訟の当事者・証人尋問の傍聴へ、そのまま午後5時まで・・・と。

 苦労の甲斐あって、大阪で行った申立はつつがなく通過。

 さらに名古屋地裁での、時間外労働割増賃金請求訴訟は、請求額140万円弱に対して、60万円支払わせる形で和解にもちこむことができました。

 あれ?と思うかも知れません。自分の権利の実現を呑気に信じる素人さんなら、139万の請求に対して60万ぽっちなら負けじゃんか、とお思いかも。ただ、世にいう時間外手当の請求にも、いろいろあるじゃありませんか。今回の事案は

  • お客さま=原告は株式会社の『取締役』で、
  • しかも給料の半分はダミーの有限会社の『代表者である、取締役社長』としてもらっていて
  • 時間外労働した時間は実は全然特定できてなくて
  • 時間外に勤務した日も正確にいつかは決まっておらず
  • お客さんの都合で主張として出してはいけない事実を指定されたうえに
  • いつも通りのことながら、弁護士が敵について
  • その法律事務所には、そいつのほかに8人弁護士がいるとやらで(笑)
  • 当初提訴した名古屋簡易裁判所は、口頭弁論一つ開かずにサクッと道路向かいの裁判所=名古屋地方裁判所労働部に裁量移送した(爆)

 ま、そのような裁判でございましたが…

 さすがにこれだけ悪条件が並べば引き分けでも胸を張れると…言ってはいけませんでしょうか?今回の和解には秘密条項は着かなかったので、お客さまには

 いくらでもふれて回ってくれい

 とお願いしてあります。被告代理人は証人尋問しながら腰振ってたが何のつもりだとか、同じようなことを4回も5回も聞いてきてくどい、とか、尋問とは言いながらお前の意見入りまくりだろ、等々も含めて。正直言ってこの法律事務所、イソ弁とはいえこのレベルの弁護士おいておいたら評判落ちるんじゃないの?と、尋問態度を見ていて心配になりました。

 なんだったらその法律事務所のホームページみたいに『事件簿』として、『取締役兼子会社代表者取締役に時間外賃金支払い和解』とかって一記事設けてやろうかオイ、と思ってもみたりします。

 僕がこれまで出会ってきたなかでも強烈に気に入らない奴の三本の指に入るこの弁護士ですが、僕は聞かせてもらいましたよ。

 和解成立後、法廷から出てエレベーターの前で被告の社長に平然と

若干不本意な結果になりましたが…

って言ったのを。そりゃ人ごとみたいな総括でええね、って感じです。

 その不本意な結果、ってやつを作り出したのは、お前だよお前。って、言ってやれよ社長!アンタの弁護士にさ。と突っ込みかけたら楽しかったのでしょうが…

 せっかく○働弁護団なんぞに所属しておいでの弁護士サンが複数いらっしゃる事務所なんだから、もう少し地に足のついた訴訟活動ができたはずなのに、しかも上記のお言葉からすると、向こうは向こうで勝てるつもりでいたのか?どひえぇ!

 まぁいろんな(主として汚い)モノを見せてもらった今回の訴訟ですが、非常に勉強になったことが一つありました。

 実はこの日の原告当事者尋問、尋問事項を作らずに陳述書(全9ページ)だけだして、裁判官の職権に任せてみたのです。

 思惑としては、原告(本人)被告(代理人)とも、相手に積極的に反対尋問できるだけの技量がない=あらかじめ打ち合わせたことだけ言わせるなら陳述書出すだけでOKとみた、のと、どうせ和解までのお膳立ての要素が強いと考えたこと、それらに立って

 いちどは裁判官が全面的にイニシアチブをとって僕のお客さんを尋問するのが見たい

 という、僕の身勝手な都合です。これを安心してできる訴訟がいままで無かったのでね。

 いやあ、僕が裁判官だったら、あるいは原告代理人弁護士だったら、これを聞こうあれを聞こうといくつか考えて行ったのですが…ズバリ重なったのは3割程度。この45分は宝石の45分になりました。(ちなみに被告代理人による尋問約150分は文句なし、ガラクタの150分でしたが)

 ともあれ、唯一残っていた昨年から持ち越しの事案もなんとか引き分けた(ここだけの話、これだけは負けるかも、と思ったこともあった)し、特急事案への対応はひとまず終わったし、久しぶりにエビスビールを一本つけて、気分のいい夜です。

 今日からまた、ブログの更新を再開します。


 最後に、今だから言えることをもう一つ。

 最初のこの事案のお客さまが相談にいらっしゃった時には、有給休暇と賃金切り下げを直接のきっかけとするモノでして…

 その金額って、この139万の請求に対してせいぜい20万円程度だったんだけど…?

 そこへ週40時間制への抵触+休日労働を理由として120万円ほど余計に請求をくっつけたのはなにを隠そうこのワタクシです。

 つまり。もしこの社長が気持ちよく20万円余計に、労働者に払っていたら…?

出張超特急 ○○へ

出張超特急 ○○へ

水曜日に東名高速バスで帰って来たばかりなのに、早くも出張になりました。
今日の行き先は、ゆえあって秘匿を要するのですが、ミッションの内容としては
現地調査
法務局
裁判所
お客様と打ち合わせ2件
これらを9時間程度でこなして夜遅く帰る予定です。時間があればこの街の図書館にも行ってみるつもり。

さすがに平日とあってこの時間でも、名古屋発のどの便もよく空いています。ゆっくり資料の検討を始めるとしましょうか。

新規受託 全面停止

 体も心も仕事もおかしい状況です。
 栃木へ行ってるあいだにその反対のほうで火の手が上がってしまいました。今月は、もういけません。

 というわけで。帰ったと同時に、新しい依頼の受付をしばらくおやすみする表示に切り替えました。いつも当事務所ウェブサイトのインデックスページを見ている人は、今回はちょっと変わった文面の表示になっていることにお気づきかと思います。

 あの表示をだしっぱなしにして、とりあえず7月23日までは受付取りやめにする予定です。
 そうでもしないと、現存の依頼と特急で処理しないといけない事案だけで処理能力の限界、です。大体特急事案が一つ割り込むと、その一ヶ月は壊滅状態になります。せめて来月から、依頼受託にあたって特急料金と急行料金を新設するべく報酬額基準の改定をすすめておりますが、それも今月中に終われるかどうか。

 一日に複数回このウェブサイトをチェックしてくださるお客さまには申し訳ありませんが、しばらくのあいだはあまり見応えのあるブログを書けないかと思います。最近も、出張している合間に書く方が充実していたりもしましたからね。
 
 ところで、今日は実家のある街で一仕事して東名静岡からバスで帰ってきました。狙って乗った13時43分発超特急名古屋行き1便は2階建ての車両です。
 さっそく2階の席に陣取ってPCを起動、作業を始めたら、なんだか頭がぼおっとしてきました。
 
 恥ずかしながら、バス酔いしたのかもしれません。旅行書士がバス酔いとは、いよいよピンチ、です。
 
 でも、来週は上記の特急事案で、また高速バスに乗らなきゃいけないんだよな…その原因を作り出してくれたお嬢ちゃんには新幹線グリーン料金を請求したい気分満々なのですが、本件事案の関係者ではあっても直接の依頼人では『ない!』のでそれも不可。
 なんだかものすごくやり切れない気分です。
 いつかネタにしてやるからな、いくら依頼人でもやっていいことと悪いことはあるんだぞ、とそこだけは澱んだ気合いを入れてみたり。
 
 この手の『やり切れない・つき合いきれない・コドモのお守りを要する』依頼については報酬額を大幅に引きあげる可能性を確保する、というのも、8月から運用開始する新報酬額基準の大特徴、にはしてあります。
 あとは依頼受託時の見切りをちゃんとできるかいなか(あくまでも例ですが、社長のそばに愛人らしき女がくっついてたら→怪しい会社と判定し依頼拒否または報酬額を目一杯吹っかける、とか)、が最大の問題、です。その意味でも、対人・対企業調査の技量はもっと上げなければ、と前向きに前向きに考えましょう。
 
 せめて8月になるまでに、いま作成すべき書類をみんな出荷して、100%私用で夏の旅を楽しみたいところです。

もえ る弁論準備期日

 大きな声で言っていいのか悪いのかがいまいち見えないのですが、ある割増賃金支払い請求訴訟(地方裁判所の本人訴訟)で、弁論準備期日に僕を『事実上、同席』という扱いでお客様の隣に座ってOK、という扱いをうけている案件が一つあります。

 口頭弁論は、普通の人が想像できる『裁判』にかなり近い手続き、と了解すればよいでしょう。誰でも傍聴できます。これに対して弁論準備期日は、どうも民事訴訟法の条文と違った運用がされているようで、たとえば名古屋地裁は弁論準備期日の傍聴は不可とのこと(ケッ)

 さて、このブログの読者にごく少数おいでの、司法書士の受験生の方、民事訴訟法をあたってみましょう。事実上、同席、だそうです。

 そんな規定はなーい! テメー何者だ! というのが正解ですね。実はぼくにもわかりません(って無責任な)

 僕としては期日のつど裁判所に『弁論準備期日の傍聴をさせてください。原告と傍聴希望者との関係は、依頼人と裁判書類作成担当者の司法書士です』という趣旨の上申書をあげているのですが、裁判官のほうからこの『事実上の同席』という言葉をつかっていつの間にやらラウンドテーブル法廷(この裁判所には準備手続き専用の部屋がないので、円卓の法廷をつかいます)に招き入れられ、原告に耳打ちしてもよければ裁判官から直接なにか聞かれることもある、そんな妙な立場に収まってしまっています。もう2回目です。

 ま、裁判官がいいならいいや、と思えるのですが・・・この裁判官最大の魅力は、そんなチンケな便宜供与にはありません(断言)

 とにかくキレイなんです。めちゃくちゃ素敵です。

 和解に向けての説得のしかたが!

 すでに被告側から、和解希望が出ている(譲歩するとも言っている)のですが、いろんなカラミがあって決断するわけには行かない原告=僕のお客さん、に対する説得の仕方が本当に誠実で丁寧で真っ当なんです。単に、しごとが速く終わるから和解させて落としたい、というのではなくて、脇で聞いてる僕が勝手に感激するくらいです。あんな裁判官にお目にかかったのは、5年ぶり2度目です。

 ちなみに1度目は、僕が自分自身の労働訴訟を初めて起こしたときの、地方裁判所の裁判官。ある意味で、この事務所がこの姿で存在することにもっとも影響した(いい意味で)人物の一人ですが、『おはようのない事務所で』に出てくる人ではありません。

 ま、比べるわけじゃないんですが先々月某簡裁で僕のお客さんに『地方裁判所で裁判やったら(解決までに)5年はかかる』だの『地方裁判所では弁護士つけないと訴訟できない』だのと馬鹿なこと言ってシロウトを脅しやがった裁判官とはそれこそ、雲泥の差です。

 今回の期日でも、電話ですませる被告側とのやりとりは10分ちょっとで終わって、あとはひたすら原告の説得に費やして30分間。日の西に傾きかけた、3人きりのラウンドテーブルで懇々と話し続ける裁判官の姿は、たとえるなら昭和時代の学園ドラマに出てくる音楽の先生のような役どころ、でしょうか。こっちは硬派で不良な高校生withその保護者、って感じです(苦笑)

 この人の説得のすばらしさはとうてい描写できないのですが、とにかく脅しやごまかしや立場の差を一切使わないのが最大の特徴です。

 なんというか『萌え』を感じました。どこか間違ってる気もしますが。

 僕が何年後かにあの裁判官とおなじくらいの歳になって、ああした綺麗な説得ができるようになれるのか・・・あまりの技量の差を見せつけられて、いまの僕はただ萌える憧れるしかない、というのが正直なところ。こういう有能で誠実な裁判官がもう少し増えてくれたらなあ、と妄想せずにはいられません。(ついでに言えば、この裁判で敵にまわってる被告代理人みたいな奴も、もっと増えてもらってかまいません。べつにいてもいなくても構わないんで)

 そんなこんなである意味妙な方向に白熱しつつある弁論準備期日なのですが、まずは自分がリアルタイムにこの裁判官の、じゃなくて原告のそばにいられることを喜びましょう。遠い将来において、司法書士がもし地方裁判所における補佐人になれる日が来たなら、またこんな経験をさせてもらえるのかもしれません。

 確かに裁判官にもいいのとわるいのがいるのですが、少なくとも『いい方に』あたった人は、この国の裁判制度がハタで見てるほど無機的で不人情なものでもないことを、ちゃんと信じてくれると思うのです。そのヘンが本人訴訟の醍醐味ですよ。もし『わるい・あるいは、妙な』のに当たった場合には…それをなんとかしてみせるのが僕の仕事になる、というだけのこと。

 ところで。この裁判官、名字を「た○○○」さんとおっしゃるのですが、期日終了後の打ち合わせ時に

『た○ちゃん最高ですよね~まさに萌えですよ萌え~ きゅう~(←完全に意味不明)』

 と思わず口走ったらお客さまの目線が、焦点無限遠になっていた…ように見えたのは僕の気のせいでしょうか?

 それともその後に

『た○ちゃんみたいな補助者欲しいっすよね~ 萌え萌えだし説得力は完璧だし僕が遊んでる間に準備書面とか出来てそうだし~』

 とか口走った、からでしょうか?


 さて、先日のブログ『この顔に、ピンときたら…?』のコメントで、お客様に過分なお言葉を頂戴しておりますが、どんな分野にも上には上がいる、もんです。法的知識を生かしながら人の話を聞く、自分の考えを伝える、という分野にも、当然。その点で、この裁判官みたいな人を見るたびに自分ももっと真っ当な(笑 いまが真っ当かどうかはさておいて)代書人にならねばなぁ、と思わされます。

 しかしながら。このコメントをされたお客さま・・・?

『深夜まで泣いて先生を困らせてしまって本当にごめんなさい…。』

罠だっ! えん罪だっ!

 冗談はさておいて。楽しいのでよしとしましょう。ただ、例のヒントは簡単すぎと判断したので一文字だけ伏せ字を追加しました。あしからずご了承くださいませ。それに、相談時に遠慮する必要なんかないんですよ。僕の正体がなんなのか、もさておいて。これらはお客さんに勝手に考えてもらって、面談時にそれをネタに盛り上がるのがよいのです。

戸籍いじりは、あなたもできる その2

その1は6月22日付、高速バス『からつ号』車内で書いています。その後忙しさにかまけて今日まで来てしまいました。

現時点での全般状況。

11:36 名古屋発東京行き東名高速バス超特急52便 47KP付近で渋滞中

ま、要はある程度まとまった時間ができないとこの手のコンテンツは書けないよ、ということで。場所がどっちもバスの中であることは、単に偶然の一致です。

お話をもどします。
 一般に、不動産の相続登記をはじめとして金融機関・証券会社に対する払い戻し請求にいたるまで、死亡した人(相続される人=被相続人といいます)の出生時、あるいは12歳頃から死亡時までの戸籍謄本全部と、いま生きている相続人(相続する人=子供や配偶者。時に親・兄弟)との関連をあきらかにできるだけの戸籍謄本全部の収集が必要になることは多いです。
ではその戸籍謄本『全部』ってどれだけになりそうか?という点から、この作業の繁雑さを考えていきましょう。できればみなさん一通り戸籍謄本収集を終えてから死んでもらえないか、と最近真剣に考えている(ヲイ)今日この頃です。

 少なくとも、一通とったらそれでオシマイならネタにはなりませんよね。最近やった相続人確定作業では、
 のべ6カ所の市区町役場で
 戸籍謄本・除籍謄本 8通
 原戸籍の謄本    4通
 戸籍の附票     4通
 
 が、延べ6人の相続人の関係と所在を確定するために必要になった、というのがありました。戸籍集めてから死んでくれよ、という叫びにもそれなりの正当性があると思っていただけますでしょうか?
 
 それは特別なケースじゃないのか?とおっしゃる?
 ですからそれが、アナタが幸せに生きて来ちゃった証拠なんです(笑)知らずに戸籍がおかしくなってるいくつかの可能性については『その1』で触れましたが、ここではもう少し詳しく見ていきましょう。心当たりのある方、背筋の冷える方もいらっしゃるかと。・・・さ、謄本集めといてね。
 
※ここでは法的に厳密な意味での『戸籍簿・その記載事項・取得できる戸籍謄本』について厳密に区別してはいません。ご注意ください。
 
1 戸籍のきほん
 結婚している男女+そいつらの子供 をひとかたまりとして扱います。そのかたまりのなかの誰かを『筆頭者』とし、筆頭者と本籍地とで戸籍簿を特定します。社会生活上その人間達のかたまりが本当にあるかないか、どこにあるかは、一切関係ありません。
 そこで、まず問題が発生しますね。外から見た家族のありようと戸籍記載状況は、常に一致とはかぎりません。住んでもないところに本籍地だけがある、というのも日常茶飯事です。
 認知してないのに同居中の子供、養子縁組しているのかどうか忘れちゃった婿養子対嫁さんの父さん、お古いところでは『人に聞かれりゃおまえのことを 年の離れた妹と〜♪』ってのもアリ、です。(ってあんたの年齢が怪しいよ、なんて突っ込みは無しで)
 ですので、もっとも基本的なところでは、普通の三世代家族の戸籍を全部とる場合にさえ、最低2通は必要になってきます。上記のとおり夫婦+子供(親子)を1ユニットとし、『夫婦の子供の子供』(祖父母と孫)が同一戸籍に載ってくることは絶対ないからです。

2 戸籍(謄本等証明)がとれる場所
 一般的には、本籍地の市区町村役場、です。ここにも問題が発生します。
 『本籍』は制度上勝手に移動できるし、移動しないこともできるうえに、移動した旧本籍地の戸籍に関わる証明は旧本籍地の役場でないと取得できません。
 よくある例ですが、九州出身の女性と名古屋出身の男性が結婚して三重県に住むとします。
 女性の本籍地は鹿児島県、男性は名古屋市としましょう。
 両者は初婚で、結婚までに戸籍に関する操作を行っていないと仮定するなら
 1 女性の、出生時から結婚までの戸籍は鹿児島県に
 2 男性の、出生時から結婚までの戸籍は名古屋市に
 3 結婚後の本籍地は、夫婦が適当に定めた本籍地の役場に
 
 その夫婦が死んだ後もずっと管理され続けることになります。理想をいえば、新しい本籍地の役場で請求をかけたら出生時までどーんとでてくるのがいいのですが、現状は『バラバラ』です。
 さらに、3を見てください。結婚時の本籍は、実は適当に決めてかまいません。これは夫婦や家族の力関係や考え方で決まってきますから、
 ・住んでいる三重県に本籍をおく夫婦もいれば
 ・本籍だけ男性の本籍地である名古屋市に一致させる夫婦もいれば
 ・同様に鹿児島県に本籍地をおく夫婦もいる、ことになります。
 
 すると、名古屋市で生まれ鹿児島県の男性と結婚し離婚、北海道の男性と再婚、という場合には本籍地は名古屋→鹿児島→北海道と吹っ飛んでいることもあるし、そもそも出身地と本籍地は無関係なのでもっとひどい可能性がいくらも実在します。
 たとえば僕は当然のように名古屋市に住んでますが、本籍地は静岡県富士市です。結婚時の本籍を、そこにおくかもしれませんね。そしてその相手が、たとえば宮崎県に本籍をおく女性なら?
 つまり、少なくとも結婚にともなって本籍地が転々とすることは通常のこと、なのです。
 単に結婚と離婚だけでも十分厄介なのですが、ほかにも戸籍の記載が変わる行為はいくつかあります。

3 比較的よく見られる、戸籍記載事項の変動
 3−1 養子縁組
  これをやると、養子は養親の戸籍に収容されます。よって養子の本籍は間違いなく変わります。追尾の手間がひとつ増えます(笑)
 3−2 転籍
  かんたんにいえば、『なんとなーく行う、本籍地の変更』です。さしたる理由がなく可能なので、養子縁組と違って何度でもできます。世の中にはこの転籍が大好きな人がいて(転居のたびに転籍するとか!)、戸籍を追尾する手間が暴力的に増大します。
 3−3 シングルマザーの場合
  それまでは、ある夫婦の子供、としてお父さんお母さんの戸籍に入っていた女の子が、結婚せずして子供を産んでしまう状態を考えてください。
 戸籍制度ではおじいちゃん→お母さん→子供、という三世代を一つにはまとめないので、この場合はシングルマザーになった女の子と、その子供、を1ユニットとする新しい戸籍をつくり、もとの戸籍から抜けることになります。この際にも本籍地は適当に決められます。
 3−4 戸籍の改製 上記の3つとは意味合いがちがうのですが、戸籍を収集したい普通の人たちになんらかかかる迷惑、という点では等価だと考えます。
 かんたんにいうと、役所があちらの都合で戸籍簿を作り直すこと、です。電子情報としてコンピュータに収容するための改製と、昭和30年代から行われている改製があり、それらがいつ行われたのかは各自治体でちがう、というのが恐ろしいところです。
 特にいま60歳ぐらい以上のひとなら、戦後の生まれでも上記の改製2回を経ていることがあって、改製原戸籍(つまり、戸籍の改製をおこなうまえの戸籍)の謄本1通とって満足したらその前に続きがあった、ということになりかねません。
 これらはいずれも、普通に暮らしている日本人を相手取っても『ちょくちょくお目にかかる』例です。
 
 上記のいろんな理由ごとに『本籍地を動かせる』・『戸籍の記載事項が変わる』しかも『ある本籍地での記録は、次の本籍地での記録と無関係に保管される(変更後の本籍地で結婚だの死亡だのしても、前の本籍地での記録にはいっさい反映されない)』ために、それこそ役所を一つ一つたずねるなり郵送請求するなりして拾い集めていく作業が必須になってくるわけです。
 なお、ある戸籍謄本一通とれたとしても、そこには『その戸籍のまえの戸籍・あるいは、その本籍地のまえの本籍地』および『その戸籍のあとの戸籍・あるいは、その本籍地のあとの本籍地』しか載ってませんので、転々と戸籍を移動した人の全容を一気に把握することは絶対にできません。
 
4 実務上、遠隔地の本籍地の場合にどう対処するか
 とにかく『すべて集めなければならない』ことは確かなので、同地の市区町村役場に行くか郵送で請求するか、の単純な選択になります。
 ただし、単純に郵送請求した場合にはデータの収集が異常に遅れることがあるでしょう。たとえば同一市町村内で結婚−離婚していた場合でも結婚時の戸籍と離婚時の戸籍の最低2つ、あるいは結婚前の戸籍も含めて3つあることになります。
 ここで、結婚したときの本籍地、離婚したときの本籍地がわからないこともままあって、そうした場合には1通1通記載を確かめながら請求を繰り返していくしかありません。郵送請求で往復1週間かかったら、どうなるでしょう?試行錯誤している間に、あっというまに一月たちます。
 費用としての定額小為替を多めに入れておいて、『この人の相続人調査に必要な戸籍謄本類全部くれ』とお願いしてみることも不可能ではないのですが、『請求として不明確』という理由で蹴ってくる役場もあるとききます。
 すると究極的には、時間をかけるかお金をかけるかの二者択一、しかありえなくなります。
 
5 ●●書士に頼んだときの費用は?
 〜実費別で、1通あたり1000円強、という統計がでてはいます。ただ、上記のとおり同じ役場で何通とっても単価1000円掛けるのか、は事務所によって分かれるところですし、僕のところでは一応、上限を1万円としています。
 事務所によっては、5万10万と取ってくるところもあります。ホームページで『相続人調査』として表示してあることが多いです。ま、これは呆れますが。
 要は値段なんてない世界なのです。でも仮に1通いくらと設定してはじめの実例で合計16通とりましたから16000円ください、というのもちょっとな、と思ってみたりもします。緊急時には出張して取得しますが、さすがにここでは出張料金を請求せざるを得ません。
 ただし、ここは社会保険労務士の事務所でもあるので、年金・保険等で未請求の給付を得るようにし、その一定率を請求し、費用としてはそれでおしまいにする、ということもあります。・・・給付が始まるまで請求しない、と口を滑らせて自分の首を真綿で絞めることも(苦笑)
 
 さて、いまどうなってると思いますか?アナタの戸籍。
 
 離婚歴、ありませんか?
 転籍大好き、だったりして。
 相続対策や家制度維持のための養子縁組も良し悪し、ですねぇ。
 単に遠隔地のご出身、それでも最低限1通はそのとんでもなく遠くの役場に戸籍謄本が…
 仮にあなたがやってなくても、親御さんや奥さん、子供や兄弟がそうなら、それなりのとばっちりをうけるかも。
 
 どうです?こころあたりありませんか?

14:25 特急『きぬ121号』車中にて

この顔に、ピンときたら…?

07:34 東名本宿通過

 バスは東名高速に入りました。走りが落ち着いてきたので膝の上にPCをおいて作業にかかります。50km制限と朝の渋滞が少し気がかりでしたが、それも豊田ICまでのようです。BGMは辛島美登里『チャンスの卵』。最近僕がこのブログで紹介した他の曲を気に入ってくださったお客さまがいらっしゃってとてもうれしかったのですが、これもおすすめしてみましょうか。

 さて、このブログには、あえて僕の顔写真を掲出してあります。曲がりなりにも物販サイト(提供するのはサービスですが)である当ウェブサイトでも、店主の写真をだしておいたほうがお客さまに親しみを感じてもらえるかも、という一般論が建前です。あくまでも、タテマエ。
 
 裏にあるハカリゴトとしては、僕並みに腹黒い発想と情報収集能力をもつ誰か(司法書士でも弁護士でも一般人でも)を敵に回してしまった場合に備えて、『わざと顔が見えにくい&正面から見る印象と異なる』写真を出しておくことで面が割れるのを防ぐ、いわば反対諜報の一環、でもあったりします。ふいに敵対当事者の周辺を出没徘徊して現地調査を行う際には、事前に顔がわかってしまうのはいかにもマズイんで。
 ・・・つまりこのブログ、じつは不特定多数人をだまくらかす、という要素をもってたり。
 結局のところこの写真、お客さま方には『なんとな〜く顔が見えているような気にさせる』ことが目的であって、僕の顔を正確に把握してもらう趣旨で出してはおりません。

 そんなことやってるから、なんでしょうが、時に妙なことを言ってくるお客さまがいらっしゃって相談時に異様な盛り上がりを見せることがあります。
 
 ●●●さまに似てる、と言うのですよ。この写真が。
 でも正面からみるとぜんぜん違う、実物の横顔とも違う、とおっしゃって、首をかしげるのです。その意味では、僕のささやかなカウンターインテリジェンス活動は一定の成果をおさめつつあるということでしょうか。ふっふっふ。
 今年だけでもう2人、そんなことを言ってきた方がおられます。共通点としては30代後半の女性の方からのご指摘、その共通点自体に意味はないはずです。去年の時点ではブログに写真を出していなかったのですが、面と向かってそう言ってきた人もいますから、あるいは少しは似ているのかもしれませんね。
 
 さ、完全に内輪受けを狙ったとしか思えない記事にするのもよろしくないのですが、さきの週末土曜日20時から2時まで面談で、および日曜日19時から20時過ぎまで電話で、それぞれお話ししたお客さま!
 あなたのことですよ、あ・な・た・の(笑)
 
 言われるこっちとしては、先にも申し上げておりますとおり「なんぼなんでもそりゃ困る」としかいいようがない。うっかりブログのネタにでもしようもんなら思想的に偏った人に刺されかねません(爆)
 
 外野のお客さまは、焦れてるか首をひねってるかどちらかだとは思いますので、他にヒントを出しておきます。僕が似てる、というそのお方、都内在住なんですがお住まいのそばをこのバスが、すなわち東名ハイウェイバスが通ります。首都高霞ヶ関出口−東京駅日本橋口の地図とにらめっこして『人が住んでる場所』を探してやってくださいませ。
 あとは、上記お二人のお客さまはなにか気の利いたヒントが出せるなら出しといてください。コメント欄にどうぞ。
 
 ところでその、7月1日の相談ですが、夜8時からはじめて終了がなんとなんと翌2日2時。延べ6時間は連続相談時間の最長記録です。ある意味当事務所の前途多難な下半期を暗示する出だしになってしまったようなそうでないような。そのあおりを食ったのが、今日の栃木の裁判所での弁論準備期日で提出する求釈明の申立書作成&関東のお客さまに出荷する調停申立書案作成の両作業。予定が半日遅れてしまって翌日曜日に泣きながら(ウソです 半分だけ)PCの前にかじりつき、当初の日程を組み替えて名古屋→静岡(実家)泊→栃木→名古屋、から名古屋
 →栃木→静岡(実家)泊→名古屋、に変更。全作業が終わったのは本7月3日午前2時30分過ぎ、です。栃木への書類はメールでぶん投げて(お客さまに印刷してファクス送付していただく手配)、添付ファイルを受けられない調停申立書のお客さまにはプリントアウトして封入、なんだかんだで1時間しか眠らずに家を出たのが朝5時20分、名古屋発6時20分東京行き高速バス車中の人となったわけ、です。
 
 お客さまには一言で(お話を)『お聞きしましょう』と言ってるだけ…に見えても実際には、まぁここまでの工作をやってるのよね、と。適当に手じまいすることができない性分なんでこんなことになるのですが、ときどきぐったりしてもみます。今回のは傍聴が最大の仕事なので、その意味では楽ですね。
 
 この記事は、PCから灰色公衆電話ダイヤルアップで投稿します。結果的に、携帯から先行した投稿と順番が入れ替わってしまうことはご容赦ください。たぶん東京か北千住、そうでなければ栃木駅でアップできるはずです。
 
 現在11時27分。バスは49.7KPの脇につけています。渋滞につっこんでから27分経過。
 

はまった はまった

はまった はまった

渋滞に(爆)

11:00 東名高速道路52KP付近

ご覧の通りの渋滞です。なかなか気合い入ってる感じで、50分程度遅延を出しそう。
とは申せ、最大2時間程度のロスタイムを許容する予定を組んでいるのでどうと言うこともありません。
だって以後の行程を新幹線に振り替えればいいだけのこと。欲をいえば、遅れが60分程度ですんだら北千住発13時47分のスペーシアを試してみたいところです。

栃木出張三日間

栃木出張三日間

06:15 名古屋駅高速バスターミナルにて

16時までに、宇都宮地裁栃木支部に到着すること。これが今日のミッションです。
本当なら今朝の時点で静岡の実家に前進待機しているはずが、何故かまだこんなところにいます。
そのいいわけもネタにしつつ、今回の出張でも携帯とPCを併用して一日に複数回投稿することにしてみましょう。なかにはこのブログをチェックして、僕の安否を確認(監視?)して下さる方もおいでとのことですから。
では、行ってきます!

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