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2006年5月

やっぱり2便船が好き

 目覚めれば、午前5時13分。船はすでに、大阪南港に入泊中です。

 今回福岡からの帰りに使ったのは、名門大洋フェリー北九州新門司-大阪南港航路の1便船。午後5時20分発で、翌朝5時20分に着く便です。この航路はとてもコストパフォーマンスが高く快適で、年に数回は好んでつかう旅行書士御用達(と、言われても向こうさんが迷惑でしょうが)航路の一つです。

 ですが選択としては、今回は失敗だったな、と。理由はただ一つ。

 パーソナルコンピュータの使用に適した席が、パブリックスペースに無い

 ほとんど言いがかりに等しい理由ですが、旅行書士の僕にはこれだけで十分致命的です(ってまさに言いがかりだよ)

 この航路の、新門司午後8時発の2便船には、コンセントを脇に配した専用の椅子とテーブルがあって、乗船直後そこで弁当をつかうおばさま方(彼女らは約1時間程度で撤退する)さえやり過ごせば仕事には絶好の船なんですが…

 1便船にはなかったのね(号泣)

 もちろん2等洋室(2等寝台に相当し、この会社では下から2つめのグレード)にはコンセントがあるのですが、所詮ベッドなので腰掛けて長時間作業する気分になれません。しかも、僕の場合気分が乗るとPCを打鍵するタッチが強くなる(特に島谷ひとみの曲をBGMにかけている状況下で発生。自分に酔うのか)ので、同室の船客にも迷惑です。

 しかたないので作業中止です。前日は天神で呑んで午前様、その前日は道頓堀で呑んで完全徹夜、でしたので眠りに徹することに決め、午後9時前に床に入ったら…

 気づいたときには、朝日に輝く大阪港が窓の外に広がっておりましたとさ。この意味では、船室内から外が見えない2便船2等洋室より1便船の方が旅の道具としては楽しいのですが。

 ごめんなさい。やっぱり次から、2便船にします(泣)

 さあ、明日から平常業務に復帰です。できれば今年中にまた、2便船で福岡へ行くことにしたいものです。

月曜日は 実家で呑んで♪

火曜日は浅草で呑む

水曜日は宇都宮で呑んで

木曜日は自宅で呑まず

金曜日に道頓堀で呑む

土曜日も天神(福岡)で呑んで

日曜日にフェリーで帰る

恋人よ これが私の 一週間のしごとです

テュリャテュリャテュリャテュリャテュリャテュリャリャ
テュリャテュリャテュリャテュリャリャリャ~♪

ロシア民謡『一週間』より

・・・というような感じのメールをお客様に送ったら『読まずに歌っちゃいました(^^♪』とコメントをいただきました。併せて、肝臓には気をつけるようにとのこと。

よい事務所は寛容なお客様が育てるもののようです。

さて、実施延べ日数8日間におよんだ出張旅行は無事に所期の日程を消化しました。午後5時北九州新門司港発の名門大洋フェリー1便船に乗れば、事実上おしまい、です。

 この間、お会いしたお客様 8名 (および、当事務所に関心を示してお越しくださった自称オトメ1名)、うち、お酒を呑んだお客様 6名(および、以下上記におなじ)、現地調査実施箇所 4カ所、訪れた官公署 裁判所3カ所 法務局2カ所、移動距離、約2600km。

 それなりに仕事もしておりますが、今回の出張旅行の最大の目的は『(呑みながら)お客さまと話をすること』。よって上記日程中、月・木・日曜日以外はお客さまとお酒、ということになりました。

 ただ、僕がお客さまと呑むのはほとんどの場合『すでに勝った(仕事を終えた)か、これから勝てる』場合に限られており、その限りでたいへん気楽、です。

 ところで。

 最終飲酒地の天神でお別れのさいに、再会を約して指切りしてくださった素敵な自称オトメがいらっしゃった(すいません。ちょっとドキドキしました)のですが、よく考えたら…

 つぎ来るのって、今回来訪時に提訴のための打ち合わせをしたお客さまが勝ったとき、だから…

 いかん、勝ちを請け負ってしまったぞ事実上(笑)

 うーん、司法書士倫理に、『勝訴の請負禁止』ってあったっけ?

 たしか弁護士倫理にはそんな規定がありました。帰ったら調べてみましょう。

 このブログは多くのお客さまが各地で僕の動向を掌握するのに使っておられるようです。今回お会いした皆様、ごちそうさまでした。気が向いたら、またいつでもおよびください。

自分の家一泊二日

 この記事は僕の居宅兼事務所の、いつものPCから投稿しています。ですが帰ってきた気が全然しません。

 まず日付が変わったのは大宮発名古屋行き夜行高速バス車内。例によって僕を含め4名しか乗っておらず、消灯した車内でサブノートPCを立ち上げ(車内が明るくなるので、乗車率が高いとひんしゅくを買い、深夜作業は不可なのです)黙々と、乗車前に受信したメールへの返信作業に没頭します。これを休憩地の中央高速談合坂サービスエリアの公衆電話から送って、前日の作業終了。

 ぐっすり眠ってパカッと覚めたら、窓の外には小牧山。朝5時40分です。名鉄バスセンターにはほぼ定時の6時過ぎ到着。

 はて。よく考えたら

  •  26時間後にここからさらに西へ、朝8時10分大阪なんば行きのバスで出発するんでしたっけ。
  •  しかも27日夜には福岡でお客さまと会うので、さらに大阪から博多へはバスで。これは朝9時20分発。
  •  つまり、途中宿泊地に25~26時間滞在するのを繰り返しながら、さいたまから福岡までを3日がかりでバスで行くことになる、という感じもします。

 今日は今日で、事務所から車で1時間かかる遠くの簡易裁判所に傍聴・打ち合わせに行ってきたので、旅装を解くひまもありません。かえって良いのかもしれませんが。

 さあ、今週月曜から今日までは、東京-茨城-栃木を巡る、出張旅行の前半でした。あしたから出張旅行の後半がはじまります。最終目的地は、博多(天神)です!

 

「危険な香り」 と彼女は言った

 最近妙に、30代の自称オトメのお客様から依頼を受ける機会が多くなっています。事案は全部、給料未払い。
 皆さん大変ステキな方ばかりです。・・・と申し上げておかないと、身の危険が(以下略)
 なにしろ当人たちの一人からの助言によれば、彼女らへの対応について心がけるべきことは
 『「敵にはまわすな!」ということでしょうか。フフッ』
 とのこと。この意味深な微笑で、たちまち退路は断たれました。ともかくこちらとしては、おおせに従わざるをえません。
 
 さて本日の出張日程でも、そんなお客様から一撃くらってきました。午前中は提訴前の現地調査です。
 
 最近開発の著しい私鉄某終着駅近くの法務局で待ち合わせて、住宅2カ所ビル1カ所、ほかの法務局1カ所をまわって別の駅に連れて行ってもらう、というのが日程。
 
 お客様に車を出してもらって、まず第一の目的地である新興住宅街へ。片側2車線の県道を右折して入った道は、どうやら彼女にもあまり覚えのない場所へ続く様子です。東関東某県のこのあたりは、大きな道から一本入ればたちまち田んぼ・畑・雑木林と小集落に。道幅も、僕たちの軽自動車がすれ違いできないくらいです。
 
 右折・左折・つき当たりでまた左折…ハンドル操作のたびに
 「ここは覚えがあります」
 「これを曲がると…あれ?違う」
 こちらでは異邦人である僕としては、口には出さずに時計を気にしつつ、その言葉に一喜一憂するしかありません。ややあって、数回目の右左折後の一言

 「あ、危険な香り…」

 思わず笑ってしまいました。一体どこへ連れてかれるのか、当座の不安を紛らわせるためにあえて笑ってみた気もしますが。
 さてさて、この素敵なお客様が一瞬ただよわせた危険な香りは香りだけで終わったようで(安堵)現地3カ所法務局1カ所の調査がおわって、1時間半ほどかかる、予定より便利な駅へ送っていただけることになりました。
 時ならぬお客様とのドライブはなかなか楽しかったのですが、一見やさしげな彼女の攻撃はじつは終わっていなかったのです。
 
 駅への市街地に入り、なんとなく交差点を一カ所通過。『数分で』そこを曲がった方がよかったことに気づきます。それまでに、今日のブログのタイトルをどうするかで盛り上がったこともあって
 「これで次の電車が1時間後、ってオチはどうですか(笑)」などと軽口を叩きつつ駅へ。(この路線の運転間隔は、日中1時間ごと)口頭弁論開始後の再会を約して別れた僕には、あまりにも定石通りのオチが待っていました。
 
 駅到着時刻、午前11時36分。
 
 次の列車は 午後12時32分。
 前の列車は、午前11時32分。
 
 ああ。僕たちが2時間前にかいだ『危険な香り』は、どうやら調査予定地から二十数キロはなれた、この駅にただよっていたもののようです。
 時間が止まったような昼下がりを過ごす駅のホームで、昨日お会いしたお客様(30代後半の女性)からのメールを受信。このお客様とも、ほかの同年代の女性への対応の困難性について詳細にご助言をうけたまわったので早速見てみると、またお便りいただけるとの挨拶の最後に、
 『オトメより』
 
 ・・・ぐはっ。
 
 この人たちは無言の共謀をもって、僕を手のひらのうえでころがすことに成功しつつあるようです。あさっては大阪へ。自称オトメの称号を用いた第一人者と打ち合わせ、です。
 
 まぁ、せいぜい…いぢめられて来るとしましょうか。

ただいま実家帰省中

 名古屋を17時ちょうど発の東名ライナーは、いつも20分は遅れる名古屋市内を10分弱の遅れで通過。その後も妙に積極的な走りを見せてくれ、東名富士には定時から4分遅れの到着となりました。

 さて東京-茨城-栃木を巡る出張旅行の始まりは、まず実家での一泊です。予約を入れないと泊めてくれないのですが(笑)いつでも泊まれるだけよしとしましょう。東京までバスでも普通電車でも3時間弱でたどりつけるこの場所に実家があってくれるおかげで、首都圏に気楽に行けるのですからね。

 さて、あしたは台東区役所で書類取得、その後お客様とお会いして浅草で泊まります。きのうで急ぎの書類をみんな払い出してしまったので、今週はのんびりと栃木~大阪を巡っていく予定です。せめて旅行中だけでも毎日ブログを更新したいものです。

豚丼持参の相談者

 事務所への差し入れをめぐっておきた、ある意味スバラシイお客様、および代書やさんの話です。

 この日の相談は午後8時から。賃金計算の関係で、すでに2度事務所にお越しいただいており、今日は3回目です。相談室に入ったお客様がおもむろに

 先生 晩ご飯食べましたか?

 とおっしゃる。台所でシチューを調理中だったのですがまだ食べていないと答えると、お客様が得たりとばかりに取り出したのは

 ○野家の 豚丼

 ありがたいことに温泉卵&ポテトサラダ付き、です。

 さすがに相談のお客様から、事務所でご飯の差し入れを受けることは創業初の事案です。相談そっちのけで、まずはありがたくいただきました。嬉しくも場違いな会食後、約1時間で相談は完了。

 気づいたのは日付も変わって就寝前です。

 その日は昼間、図書館で資料収集へ出かけていた関係上、ひるごはんが

 松○の 豚めし

 だったということに。行きがかり上即時に思い出さないほうがよかったといえばよかったのですが、昼たべたのとほぼ同じ物を夜おいしくいただける、というのは良いことなのか悪いことなのか、少し複雑な気分です。

オーダーメイドな書面をどうぞ

 給料未払いにあった人が本人訴訟でそれを解決しようとするとき、『(訴状などの)裁判書類の書式の見本』を探すことは、よくあります。当事務所ウェブサイトへのアクセス解析でも、

  • 給料 訴状 見本
  • 賃金未払い 少額訴訟 書式
  • 給料請求 支払督促 例

 といった検索キーワードでたどり着いてくる、ということはよくありますし、提訴の前段階で用いる内容証明について解説したコンテンツを数時間・あるいは延べ数日間うろうろしておられる方も見受けられます。

 大丈夫なのかね?この人たち、と思わずにはいられません。当事務所では『すでに書類を作った(正確には、作ろうとして破綻した)』人からの相談を受けることも月に一度ぐらいずつありますが、みなさんそれぞれ悲惨なことになっています。

 確実にまちがえるツボ、というのはあまりないようです。強いて言えば、頻発するのは『月給制をとる賃金体系下で、通常の労働時間1時間あたりの賃金が正確に計算できていない』パターン。これは時間外労働に関する全ての請求の基本なので、正確に出来てない人には

『あなたには、現時点で、自力での訴訟維持は困難です。自分で何か調べて解釈し正確に実行してわかりやすい書類を作る能力がありませんから』

と断言します。とは申せ、これがちゃんとできてきた、という人は割合として20人に1人以下、ですが(苦笑)

さて、そういわれても傷つかなかった人、あるいは最初からその作業を自分では行わないことを選んだ人だけが当事務所のお客さまになってくださるのですが・・・

 だからこの事務所はいつもあんまり忙しくならない(なれない)のだ、というのはさておいて。

 首尾よく受任して訴状作成を開始した場合でも、一言で『時間外労働の割増賃金の支払いを求める訴訟』といっても文字通り千差万別、本文から別表まで一度やった仕事の成果を他に流用できることがほとんどありません。

 これまでの仕事のなかで、裁判所の受付担当者に『わかりやすいと言われた・態度が好意的に変わった』等々、お客さま&書記官から好評だった訴状、というのは請求の類型ごとにいくつかあります。そうしたものを参考に、さらにブラッシュアップして行くのですが・・・

 目指すところがそもそも

  • 書記官から見てわかりやすい(お客さまに好意的な感想を言ってくれることが理想)、法的に手落ちがない、ということに加えて、
  • 口頭弁論期日で、裁判官からお客さまになんの質問もでない
  • お客さまが読んで、理解できる

 このあたりにあると、お客さまの理解力あるいは法的知識に応じて、訴状はだいぶ太ります。提出前に一度必ず訴状案をお客さま方に送って、それを見てもらって、論理構成としてわかりにくいところや事実と違ってしまっているところ、その他のご希望を聞いて、いわば仮縫いを繰り返してそのお客さまだけの書面を仕立てていくので、結果としてだいぶ毛色の変わったものになってくる、あるいは、僕の個人的な試行錯誤を紛れ込ませることもあったり。

お客さまのOKがでないかぎり出荷しないのは当然として、このあと僕が理想にするのは『お客さまが訴状を出しに行ったとき、受け付ける担当者から何か好意的一言をもらえること』です。

 なぜなら彼らから見てわかりやすい、真っ当な書面に仕上がっている、そうした書類だと認識してもらえれば、書類を出しに行ったお客さまがその対応を見て、この怪しい代書人はどうやらちゃんと仕事したらしい、と安心してもらえますからね。もちろん裁判所の隅っこで仕事をさせていただく者として、裁判所職員の皆様の負担軽減にも協力せねばいけません。結局のところ、裁判所だけ相手にするなら書式の空欄に数字を落とし込んで適当に書類作成、というのもできなくはないのですが、『それを作成する過程での、お客さまが知っていなければならないことの説明』を書類に落とし込むと書類が膨張する、ということでしょうか。ものの本やインターネットで入手できる必要最低限の書式のボリュームの、数倍に

 さて、今週は民事調停申立書1件、訴状1件、準備書面1件をそれぞれ出荷、というのが僕のノルマです。

 現時点でなんとか前2者を発送してお客さまの返事待ち、あと1件の作業中。事案はもちろんすべて『給料未払い』そして書いてることはもう、全然違います。

  •  サラ金並みの利息計算を駆使するもの。
  •  契約所定外の出勤だけで7種類に分かれるもの。
  •  マイナーな下級審の裁判例を引っ張り出す必要があるもの。

 そしてこれらを、事案ごとにまったく異なる過程をたどりつつもそれぞれ結果としては順当な方向に持っていく、その過程になんとも言えないやりがいを感じているのですが、

 これじゃぁまず・・・補助者をン十人使って目指せ年商○億円、やってることはもっぱら債務整理だけ、センセイがいなくても補助者だけで仕事が回るよ、などという同業者とは、事業規模だけ見れば象とアリの違いが永遠に続くだろうな、と思ってみたりします。

 心境として、ときに複雑、です。レディーメイドの紳士服チェーンとフルオーダーの仕立屋さんほどの激しい競合にはないので、生存の危険はないのですがね。

勝訴判決はお好き?

 それが『判決』だと、無条件で喜ぶわけにもいかないのよ、という話です。

 さて先週もう一件、地裁で判決を取りました。未払い給料に関するこちらの請求をすべて認める、文字通りの『完全勝訴』の判決です。つまり、百○十万の支払義務+数ヶ月前から起算する14.6%の利息つき。

 さあ、これが全然嬉しくないのです。

 言ってみれば、部屋の中にいたゴキブリを追い回して新聞紙で思いっきりひっぱたいたら、潰れたゴキブリが壁紙に飛び散ったのを見ているような気分。

 ・・・一定の成果はあった、だが強烈に憂鬱だ、ということ。

 いまご自分の給料未払いでお悩みの方からすれば、あるいはうらやましいのかもしれません。ですが全然そうではありません。問題はゴキブリを潰したあとの壁紙掃除=勝訴判決を得てしまった後の利益実現(と、いうより復旧)にあるからです。

 今回の勝訴事案の特徴。

○当事務所では珍しく敵も本人訴訟だったが、相手の社長が強烈に馬鹿だった。具体的には

  •  創業3年弱で最盛期の年商とほぼ同額の債務超過に陥っているといえばわかりやすいのだが、言ってしまえば『労働者として使われるにはいいが経営者にはなっちゃいけない』タイプ。会社としてはこの馬鹿の放漫経営のみを理由として、すでに事実上終わっている。
  •  自分の過ちが認められず駆け引きもできない。よって和解をもちかけて支払額を減額する、という作業が行えない。答弁書すら出さず手ぶらでやって来て裁判官に自分の都合のみをぐだぐだ述べるが、しびれを切らした裁判官に『契約上(請求額を)減らせというのは難しいですよ』と言われ、一瞬で斬られる
  • 紛争全体を見渡したトータルコストの最小化、などという発想は薬にしたくてもないので、『遠くの会社を原告の住所地で訴えたのに、わざわざ200㎞向こうから交通費自己負担でやって来て、しかも100%負けて帰る』欠席判決でもおなじ結論が出たので、もう来るだけ無駄(冷笑)

 当然ながらこうした場合裁判官は『じゃ和解が出来ないということなので判決だしますね』となって・・・原告完全勝訴(嘆息)。

 しかしながら、支払意思のまったく見えないところで勝訴判決だけがでて、担当司法書士は○千万円債務超過の潰れかけ零細ベンチャー企業を相手に引き続き策を巡らせなければならなくなる、ということで、僕は傍聴席で既に死にそうになっておりました。

 さあ、実はこれからが仕事、ってわけです。しかもこの呑気な依頼人からは、出張料金がもらえない(号泣)強制執行で利用する裁判所はその、『200㎞向こう』なのに・・・

 当事務所創立以来の短い歴史と少ない依頼件数のなかで、裁判所への手続きを行って勝訴判決をとったのは本件含めてたった2回。いずれも潰れかけ会社のお馬鹿な素人社長が本人訴訟で出てきて、第一回口頭弁論期日で終わった事案です。結局強制執行しないと回収できない、んだろうな、と思ってもいますし説明もしています。これに対して和解で終われた回数は4回。いずれも弁護士が向こうに回ったもので、こういう形でみると弁護士様が向こうにつくのも悪くないな、と思えます。あとは一般先取特権でいきなり強制執行をかけたのが2回。いま継続中の案件2件にはいずれも会社側に弁護士が付いてすでに和解希望が向こうからでてており、新規に書類作成中の4件のうち3件は、請求額の大きさからしておそらく、敵には弁護士がつく事案です。なお、完全敗訴・敗訴的和解は皆無で、訴訟手続き中に会社が破産したことによる中止、が1件。これで労働紛争関連の裁判手続きの成果は全部です。

 その他大多数の依頼(延べ数十件ある)は、実は極めてソフトな手段(労基署・内容証明・電子メール・なにもしない等々)でちゃんと回収が出来ているのです。つまり勝訴判決というのは、労働紛争が裁判手続きを利用せざるを得なくなったごく少数の不幸な人たちの、そのまた特に不運なお方だけが取れるもの・・・だと。

 とは申せ。判決取ってしまったものはもうしかたがないので、淡々と強制執行していきましょう。会社だけでなく、個人からも連帯保証をとってます(笑)ま、このへんの策を巡らしたのは他ならぬ僕、なんですが、

この辺のことを、親友に愚痴混じりに話したら、

「そりゃ、刺されるよ(笑)」

なるほど。あちらにはあちらの都合も感情もございますからね。


 さてこれからは、年14.6%もの利息と百数十万円の請求額と個人保証と勝訴判決をひっさげて多重債務者をいじめる書類の作成者、というのがこれからのワタクシの役回り、になりそうなのですが・・・

 最近多重債務がらみの依頼は全くないし、実際のところ受けたいとも思えない、それどころかこの社長に破産されたらメーワクだ、と言い切ってしまえそうな自分が、ちょっと恐いです。発想として不謹慎だ、というのは簡単ですが、零細債権者たる労働者の味方をしていると、それこそどこかから借りてでも自分の依頼人への未払い給料だけは払って欲しい(もちろん思うだけです。でも払ってもらえるならサクッと受け取りますね)。

 だから、というわけではありませんが、会社設立と多重債務については、なんやかやと理由をつけて『一見さんお断り』にしております。安易な起業にも安易な破綻にも、くみすることはできないので。

本年 初勝訴!

↑ってことはこの4ヶ月なにやってたの?もう5月も中旬だよ、という突っ込みはナシにしてください。

 単に依頼が少ないから勝つ回数も少ないだけです(なお悪い、って?)

 正確に申し上げますと、今年にはいってから依頼として終わった訴訟は今日の1件だけですのでご安心を。

 さてのっけから言い訳モードに入りかけましたが(笑)きょう遠くの某簡易裁判所で、一つの訴訟が終わりました。例によって労働事案、かつ敵にはしっかり弁護士がつき、こちらは裁判書類作成を行って本人訴訟、というかたちです。訴状提出から半年を要しはしましたが、お客さまは2回しか期日に出席していない段階で終結しましたので、『専門家・同業者から見れば』まず文句のないラインに到達しているのではないかと。

 気づいた点。

●当事務所ではよくあること、と数日前のブログでも書いたのですが今回も裁判所から、『(この期日で和解できなければ)地裁に裁量移送する』旨示唆されたこと。この県の簡裁では昨年にも言われました・・・その可能性をちらつかせながら和解に誘導する、という気風なんですかね?

●敵の弁護士。東京に事務所をお持ちで労働新聞だのスタッフアドバイザーだのにちょくちょく寄稿していらっしゃる、まぁこの分野(経営側からの労働紛争対処)ではメジャーなお方、ということで内心僕もビビっていたりしたのですが、それでもやっぱり、ちゃんと勝てるのね、と再認識できました。人事労務系の雑誌を見るたびに毎月どこかでお目にかかるので、そのたびに(被告代理人、というお立場での書き物とのあまりの違いに)おかしいやら腹立たしいやら、複雑な気分でしたが、今日からはちゃんと笑って読み流せそうです。つまりそういうもんなのね、と。

●ただし、この弁護士さんの『終わらせ方』はさすがに見習うべき点がありました。先々週北関東某県地裁で見た、数百キロ遠くから来て手ぶらで帰ったお間抜けさんとは全然違います。

●ところでこの人の事務所のファクスに送付元として『○○法律事務所 民事公判係』とヘッダがついているのを見て

→つまりこいつの事務所には、刑事と民事と二つ以上のファクス機があるのかよ?

と妙なところで鬱になりかけましたが(汗)

 ご家庭用のファクス1台きりの当事務所でもちゃんと勝てるんだね、と、思わずうちのファクスをナデナデしてみたり(ウソ)

 ところで、当事務所から鉄道営業キロで800kmほど離れたところにお住まいの、今回のお客さま。僕があちらに出向いて打ち合わせ1回、傍聴1回を行っておりますが、当事務所にお越し頂いたことはありません。

うーん。

 うっかり見せたら愕然とされかねませんね。こんな粗末な事務所だったのかと。一度同業者に『あまりにも(備品が)なにもないので』驚かれたことがあります。

 まぁ肝心なのは、きっちり仕掛けてきっちり勝って終わる、という実績ですからよしにしてもらいましょうか。

 そしてお客さまからお金をいただいたら、
一つ切れている蛍光管を、新品に換えましょう。

僕のお客は素敵な『☆オ・ト・メ☆』 

 当事務所服務規程には、とくに執務上の女性への対応について一条を設けてあります。

すずき事務所服務規程第○条
満3歳から88歳までの女性はすべて、年頃の女性とみなす

 さて、32歳独身男性彼女無し&恋愛の当事者になった経験より司法書士として離婚がらみの依頼をこなした経験の方が多いという、女性関係に関してはかなり悲惨なカタログスペックの僕にとって、女の人というのは大なり小なり危険物(毒劇物または爆発物。労働安全衛生法に取扱い規制がないのがおかしい(←ウソ))と認識すべき対象なのですが、ことそれが仕事でのかかわり、となるとまぁ、特に年齢に関するご見解については常にお客さまのご発言に絶対服従のほうがいいのね、と、開業後比較的早い時期に了解するにいたりました。それに至るまでにかいた幾多の冷や汗を無駄にしないように、上記服務規程を制定したのですが・・・

 なかにはもうすでに『ネタ』を提供してくださっているとしか思えないお客さま(お嬢さま、というべきか)がいらっしゃいます。

 給料未払いで当事務所を訪れたこの方とは現在、主として電子メールでのやりとりで依頼が続いている状況なのですが、上記タイトル二重かぎ括弧内の言語表現でご自分を定義していらっしゃる。

 とっくに死語だと思ってました。おとめ、だそうでございます。少なくとも日本語日常会話で使用されたのに接したのは、32年このかた日本人をやっていて初めて、です。

 さて数週間前、最初に面と向かってお客さまからそう言われたときに、思わず

  • 口をつぐみ
  • 遠い目をして
  • 視線をそらしてしまった

という、僕の上記服務規程違反をするどく見とがめた、このお客さま。さっそく年齢相応のしぶとさで反撃を開始します。メール送付ごとに折に触れ上記タイトルの表現を使ってくる状況に持ち込まれてしまったのですが、これは素早く受け流せなかった僕の失敗というべきでしょう。しかもこの方、やはり年齢並みのご経験海千山千あるいは百戦錬磨というべきか)があるとみえて、絶妙な箇所でこの表現を使ってきます。

 まぁ時に笑いを誘うこともあり、時にやる気をかき立てられることもあり、と。おかげでずいぶん楽しく仕事をすすめさせていただいております。

 とりあえず、こうした依頼そのものの内容に直接関わらないはなし、というのは相互の了解のもとにほどほどに楽しめればよい、という性質のものですから、言いたいように言ってもらい、かつこっちはそれなりに混ぜっ返して適当にやりとりができればそれでよい、というものですので・・・

 ま、いっか、乙女、で。

 でもなぁ。

 最近島谷ひとみのベストアルバムをBGMに聞くことも多いんだけど・・・

『亜麻色の髪の乙女』がかかるたびに、妙な笑いがこみ上げてくるのはなんでなんだろう・・・ぐはっ。


※おことわり

 この記事は、他の記事より特に、冗談と本当のこととの区別が付きにくくなっております。倫理観に厳しい同業者の皆様におかれましては、決してこの記事を全部真に受けないでください。当事務所では『どんな依頼であれ、当事務所をご利用になる以上はそれなりに楽しんで話しをしてもらえる雰囲気をつくること』に心がけており、本記事記載の事実はそれに沿うものです。

思索的になりすぎるのも、どうだかねぇ…

 今日も今日とて作表中。割増賃金支払い請求訴訟に添付する別表の作成、というのは2つの段階を経るものです。

  • 第一に、ひたすら入力。日付・曜日・出勤時刻・退勤時刻などなど、『なにも考えずに入力できる』データをどんどん突っ込んでいく工程。体力勝負。
  • 第二に、論理構成と表示の工夫。表内での演算・ある数値を表記するか否か、なにをどこへ置いたら見やすいか、事案によって時に全然違う(だから、定型的ワークシートなど作れない)形に、そのつどまとまっていきます。必然的に、考え込むことが増えてきます。

 今日は第二の工程を処理しており、たまたまBGMに辛島美登里のアルバムを3枚続けてかけていたら・・・なんやら妙に静かな気分で来し方行く末&そのお客さまと僕とのいままでの相談内容等々に思いを飛ばしてしまいました。不思議です。

 それでいて、ちゃんと手の方は動いて論理式を入力しコピー&ペーストを反復し、目の方は各月の表を見渡してチェックをかけていくのですが、それらの作業が妙に静かで暖かい気分(なんの根拠もないけれど、とにかくそう思えてしまう)で進んでいくのです。

 これは初めて経験する境地です。いつもは膨大なデータを処理するとき&被告代理人に挑戦する陳述を展開するには島谷ひとみのアップテンポな曲(赤い砂漠の伝説・ペルセウス・ANGELUS-アンジェラス-Garnet Moon・Falco-ファルコ-等)をかけて『目一杯、あおっていく』のですが、静かな気分で闘争的な書類を作るのも悪くないのかもしれません。というよりは、作っている書類は確かに権利のための闘争、に使われるのですが、作っているこっちはお客さまと仕事に対する一種の愛情を込めてますので・・・ラブソングでもよいのかも。あるいはいよいよ頭が壊れた(←先日ある酒席で、お客さまから心配されました)のかも。

 この仕事をやってますと、特に労働紛争に関する分野では、時にいろんなお客さまの生の感情をぶつけられてたじろぐことが多々あります。時には、隠しとおして終わるつもりだったこっちの感情を気取られて焦ったり、図星を突かれてとりみだすことも。このあたりについては僕もお客さまも、法律一辺倒では到底割り切れない世界の住人である、正しい手続きの執行だけが正解にたどり着く道ではない、ことはわかっているつもり、なんですが、ならばどこまで深く関与すればいいのでしょう。たぶん永遠に回答不能ではありますが、常に考えて行かねばなりません。この点では『誰かを想う気持ち』がちょっとだけ動かされるような曲を流しながら静かな気持ちで書類を作るのもいいかもしれませんね。

 僕はあなたにどんな書類を作ったら、お役に立てますか・・・?

 どんなふうに相談したり話を聞くことができたなら、あなたの心配が少しは楽になるでしょう・・・?

 →って妙なところでまったりしてないでさっさと作れよオラ、納期いつだと思ってんだよ怒ッ

と言う声が・・・すいませんすいませんすいません(平身低頭)
とりあえず、今日も夜なべ、です(泣)

灰色のゴールデンウィーク

 とりあえず、6日午前中までぎっちり書類作成の予定が詰まってます。先日のブログで『延べ79ヶ月分の勤怠時間入力と作表作業』をやらねばならない、と嘆いていたのはなんとか30ヶ月分を消化。一部は出荷にいたりました。ひたすら表計算ソフトとにらめっこしていると、自分の職業がなんなのか忘れそうになります。聞けば過払い金返還請求訴訟の実務では、それを自動で処理するワークシートが実用化されているのだとか。

 だれか・・・労働紛争でも作ってくれませんか(無理だって)

 とにかくこの連休中はひたすら書類作成に徹するつもりなのですが、そんな零細下請け業者をあざ笑うかのような好天はいったいなんなんでしょう・・・?

 窓から外がよく見えるような室内配置が、少し恨めしいです。もっとも、夜なべ仕事で寝るのが遅くなっても朝6時台には明るくなって目が覚める、のは結構なことですが。

 さて5月6日だけは、午後から伊勢までお出かけです。知り合いの司法書士さんのところで一緒に呑んでこよう、と。  これを楽しみに、がんばるとしましょう。

午前1時の素敵な天罰

 知らない真夜中の町で、道に迷いました。予定変更にともない急遽手配した宿泊施設に、ぜんぜん尋ね当たりません。ただいま時刻は、午前1時。

 ---なんでそうなったのか、という話です。---

 そのお客さまは、金銭面で評価すると全然折り合わない依頼をもってやってきました。事案はもちろん給料未払いです。義侠心全開で受けた最初の依頼から紆余曲折を経て2ヶ月余、ようやくそのお客さまへの手続きは完了、200万円弱の債権全額の回収を終えました。今日はその、最後の届け出の日です。

 出張先のその町で、一緒に呑み始めたのが午後5時。もともとこのお客さまとは、もっとこの人のお話を聞きたいな、と思っていたこともあって、時間はあっという間に過ぎ去ります。気がつけば午後10時23分。今から駅に行ったって、午後10時30分発の帰りの列車には間に合いません。

 昨年もあったのですが、こうした場合あっさりと開き直って呑みなおしに入ります。というよりこの延長時間、というのはお金で買えるものではない、と数少ない経験上知ってますので、実は意図的に時計のチェックを怠ってもいたり(笑 ごめんなさい)さらに楽しくも有意義な時間と話題はながれて、午前0時30分。

 一つの依頼の終了と、一人のお客さまとのお別れの時間です。少しだけ、残念ながら。もう日付が変わった町で帰りのホテルの方向だけ教えてもらって、お客さまはタクシーで自宅へ。僕はまぁ、当事務所では年に一度程度しかない(他の事務所と比べてどうかは、さておいて)素敵な時間の余韻を楽しみながらてくてく歩いて、所要5分でホテル着、のはずが・・・

 ありません(大汗)

 さてはだまされたのかその客さまに、と思わず根拠のない疑いをかけてみる(←えん罪だっ)午前0時50分。思わず頭を抱えます。とりあえず、そのお客さまから教えてもらった経路情報を全部忘れたことにして、自力で探索再開。妙に疲れた体をひきずって別のホテルにチェックインできたのは、さらにその二十数分後でした。

 思えばこのお客さま、最初にお会いした時もそうだったのですが、本来進むべき方角から90度ずれた方角へのディレクションができる特殊技能をお持ちです。これで依頼の最初と最後に、それぞれ痛撃をくらったことになりました。

 やれやれ、少々羽目を外した僕に、きっちりと天罰は下った、ということなのでしょうか。男性でも女性でも、人としてもっとお話が聞きたいお客さまと出会える、ということはそれ自体すばらしいことなのですが、利用予定の交通機関を見送ったときの対処に少々円滑さを欠くのが課題です。思えば前回は11ヶ月前、東京で同様に『やらかして』翌日の予定を軒並み破綻させてしまいましたし。

 とはいえ今後も同様に、あるときにはなかば希望して、交通機関を見送って(請求できない支出が発生して)もその人の話が聞きたい、という行動をとるだろう、と思います。


 そのお客さまは、金銭面で評価すると全然折り合わない依頼をもってやってきました。

 ですがそのお客さまは、金銭への換算は到底できない素敵な時間を、少しだけ僕にわけてくれました。・・・そういう理解でよいようです。帰りの特急の車内で、いつも聞いているはずの辛島美登里『春は旅立ち』がいつもより、心に沁みました。

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